短期予報解説資料1 2015年 2月 6日15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①寒冷渦(6 日 9 時の館野上空 500hPa 気温-36.9℃)が日本の東へ 抜けた。この寒冷渦の前面で発達 する日本の東の低気圧やその西側 のシアー周辺では活発な対流雲域 が見られる。 ②日本付近は冬型の気圧配置だが、 日本海側の寒気に伴う筋状雲も減 少。東北日本海側~北陸を中心に 降雪続くが、徐々に弱まっている。 ③ 華 北 ~ 華 中 に ト ラ フ (500hPa5460~5640m)があり、その 前面で上層雲の広がりが見られる。 ④バイカルの東~アムール川中流 域の北緯 50 度付近にはトラフ (500hPa5100~5400m)の南下に対応して、水蒸気画像での暗化が見られる。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①日本の東を東進する 1 項①の寒冷渦に代って、日本付近はリッジ圏内の負過度場となり、高気圧が 張り出して冬型の気圧配置が緩む。リッジの動きは早く、7 日午後には日本の東に抜ける見込みで、1 項③のトラフが 7 日午後に日本を通過、 さらに 1 項④のトラフが深まりながら 8 日に日本付近に入る。 このため、日本付近は次第に西谷となって、7 日朝に日本海に低気圧が発生し、1 項④のトラフが追い つき、前線(850hPa-6~9℃)を伴って発達しながら北東進する見込み。また、1 項④のトラフの深まり で 7 日夜に太平洋側でも前線(850hPa0~3℃)が発生する見込み。 ②冬型の気圧配置は次第に緩むが 6 日は日本海側の短時間降雪などに留意。7 日午後は、1 項③のトラ フ通過し、高気圧のバックカレントが西から入りはじめ次第に顕在化する前線の暖域側に位置する日 本海側を中心に、太平洋側や南西諸島のシアー周辺でも局地的な対流雲の発達に留意。 ③8 日は、2 項①の低気圧や前線およびその後に強まる冬型の気圧配置によって全国的に風・波が強ま り、日本海側を中心に降雪も強まる見込み。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①最新初期値の GSM を基本とする。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨・大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):特に高い所はない。②波(明日まで):伊豆諸島・小 笠原諸島 4、東海 3m 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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