短期予報解説資料1 2017年2月2日15時40分発表 気象庁 予報部

短期予報解説資料1 2017年2月2日15時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
① 寒冷渦の中心は、分離しなが
ら一つは日本の東まで南下、
日本
の東を東進する低気圧は、
その直
下に入り発達のピークをむかえ
ている。2 日 9 時には、釧路で
500hPa の気温-45.7℃を観測して
おり、850hPa でも 12 時間でおよ
そ 8℃の下降、北海道を中心に、
北日本上空への強い寒気の流入
が確認できる。
② 日本付近では、強い冬型の気
圧配置が続いており、
衛星可視画
像では、
日本海北部で筋状雲の離
岸距離も短い。
北日本から東日本
の日本海側や海峡筋を中心に北又は西よりの風が強く、海はしけの状態が続いている。また、北日本
から東日本の山沿いを中心に、5cm/3h 前後の降雪となっている。
2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点
① 1 項①の寒冷渦は 2 日夜には日本のはるか東に進み、後面の寒冷渦やトラフが 3 日朝にかけて北日
本を通過する。500hPa で-36℃以下の寒気が北日本を覆い、北海道には-42℃以下の強い寒気が流れ込
む。また、850hPa では、3 日にかけて東日本から北日本に-9℃以下の寒気が流入する。
② 1 項①の低気圧は、同項の寒冷渦とともに 2 日夜には日本のはるか東に進む。日本への影響は次第
に小さくなるが、55kt [SW] 級の風を伴っており、日本付近では、3 日にかけて北日本を中心とした冬
型の気圧配置が続く。2 日は、北陸地方で高波に警戒。北日本中心に大雪、着雪、なだれに注意。全国
的に強風、高波に注意。また、トラフ通過や上空寒気の流入に伴い、東北日本海側や北陸を中心に大
気の状態が不安定となる。落雷や突風、局地的な降雪の強まりに注意。3 日には、高気圧が東シナ海に
中心を移し、冬型の気圧配置は西から緩む。強風や高波、北日本を中心とした降雪も次第に収まる。
③ 4 日朝には、500hPa・5640m 付近のトラフが大陸東岸に進み、華中で前線が明瞭となる。その後、4
日夜には東シナ海で前線上に低気圧が発生し、5 日にかけて西日本から東日本に進む見込み。
3.数値予報資料解釈上の留意点
① 総観場は最新の GSM を基本とする。降水の分布や強度、風は MSM も参考にする。
② 波はモデルを基本に、風の実況から適宜上方修正を検討。
4.防災関連事項 [量的予報と根拠]
① 大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):東北 60、北陸・関東甲信 40、北海道 20、東海 10cm。
② 波浪(明日まで):北陸 6、北海道・東北 5、伊豆諸島・小笠原諸島 4、東海・近畿・中国・沖縄 3m。
③ 高潮(明日まで):北海道太平洋側東部で注意報基準に接近する所がある。
5.全般気象情報発表の有無
発表の予定はありません。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。