Weekly Market Report - Jul 27, 2015(PDF:676KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Jul 27, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
FOMCまでは材料少なく⽅向感出づらい展開を予想。
USD/JPY (1週間の値動き)
⿊⽥総裁が追加緩和に
否定的な発言
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場は123.50〜124.50円/ドルのレンジ内での推移となった。本邦では祝日明けとなった21日、米株式市場
の上昇もありドル円は124円台半ばまで上昇する場⾯も⾒られたが、⿊⽥⽇銀総裁が追加緩和の可能性について否定的な
発言をしたと伝わると、一転円高が進んだ。その後は米国の企業決算が冴えない内容であったことや、住宅関連指数が事前予
想を上回るなどの材料は⾒られたが明確な⽅向感を形成するには⾄らず、124円を挟んだ小幅な値動きが週末まで続いた。
今週の注目は米FOMCである。今回はイエレン議⻑の会⾒が予定されていないためサプライズは想定しづらい。しかし声明文の
内容によっては利上げ時期を巡る思惑から、為替相場のボラティリティが上昇する可能性にも注意したい。
(市場営業部/川口)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
7/27(月)
(ドイツ)IFO期待指数
102.0
7/29(水)
(米国)FOMC
-
7/30(木)
(米国)GDP(前期比)
2.5%
7/31(⾦)
(日本)全国CPI(前年⽐)
0.3%
7/31(⾦)
(米国)雇用コスト指数
0.6%
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
高野一歩
123.00-125.50
28,29日のFOMCに注目。声明文で9⽉利上げが明確になれば、円売り・ドル買いが進み125円超えもあり得そう。
國井靖子
122.00-125.00
⽶株安と⻑期⾦利低下が続いており、もう⼀段のドル⾼は困難も、FOMCや米GDPへの期待から底堅い展開を予想。
1
Jul 27, 2015
2. 円⾦利相場概況
20年債⼊札の順調な結果を受け⾦利は低下。今週は⽶FOMCなど海外動向にも注目集まる。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
事前予想を上
回る入札結果
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の⻑期⾦利は週前半は20年債⼊札に絡んだ思惑的な動きからスタート。先物安につられる形で⼀時0.43%超となるも、
⼊札が事前予想を上回る順調な結果になったことから⾦利は0.41%台まで低下。週後半は国内の材料少なく売り買い拮抗。
⽶国債市場の⻑期⾦利低下や原油などの商品市況の悪化などもあり、⻑期⾦利は上昇することなく0.41%台と横ばいで越
週。今週は日銀の買いオペが3回⾒込まれるなど需給逼迫が予想されるものの、⽶FOMCの開催や中国株式市場、原油など
商品市況の動向も注目され、それらの結果にも注意が必要となるだろう。
(市場営業部/高橋)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
小野口裕美子
今週のレンジ
0.39%-
0.43%
0.38%-
0.43%
予想のポイント
外部環境が好転し国内債券市場の需給環境は良好だが、月末週で狭いレンジ内での動き。週内の更なる低下余地は僅少。
ギリシャ問題や中国株下落が落ち着き、FOMCなど⽶利上げ開始時期を占うイベントが注目されるが夏休み相場で⼩動きか。
2
Jul 27, 2015
3. 今週のトピックス
通貨オプション
ギリシャ情勢とドル円通貨オプション市場
円⾼進⾏警戒の動き
ユーロ圏の第3次救済パッケージの是非をめぐりギリシャが7月5日
の国⺠投票実施を決定した直後から、ギリシャのユーロ圏離脱が
俄かに現実味を帯びた。これは以下2つの経路で為替市場の動
揺を引き起こした。
①通貨ユーロの信用が毀損される可能性が高まり対主要通貨で
ユーロ売圧⼒が強まった。
②リスクオフから広義のキャリートレードの巻き戻しが起こった。
(各国資産市場でリスクアセットの価格下落が起き、⽶国利上時
期の後ずれ観測が台頭して⾦融政策の方向性の違いを根拠に積
み上がったドルロングポジションが解消された。)
上記①の対ユーロでの円買い圧⼒と②の対ドルでの円買い圧⼒が
相乗効果を生み7月8日には、約2カ月ぶりに120円台が示現。
通貨オプション市場でも1カ月物ボラティリティーが10%超まで上昇
し、リスクリバーサルではドルプット買い需要がドルコール買い需要を
上回って、ドルプットプレミアム幅が1.4%近辺まで拡大した。市場
の円高警戒感は一気に高まった。(図1、図2、図3参照。)
【図1】米ドル円相場
(円/米ドル)
【図2】米ドル円ボラティリティ(1ヶ月)
(%)
ギリシャリスク剥落後の動き
7月12日に債権団の救済パッケージが当事者間で合意される目
処が⽴ち、ギリシャリスクは⼀時的な終息へと向かい始めた。各国
資産市場でのセンチメント改善と円買い圧⼒緩和で、7月22日に
は124台半ばまでドル円が上昇。1ヶ月物ボラティリティーは7%を
割れて、リスクリバーサルのドルプットプレミアム幅は0%近くまで縮小
した。
今後の動き
ドル円の年初来⾼値から上のドル⾼⽔準には断続的にノックアウト
トリガーが続き、巨⼤なガンマ供給圧⼒となっている。そのため多少
のドル⾼進⾏は、ボラティリティーの上昇やリスクリバーサルでドルコー
ルプレミアム拡大にはつながらないだろう。ただし126.00円を上回
るドル⾼となれば、次々にトリガーがヒットされ円安進⾏を加速する
可能性は排除出来ない。
円⾼進⾏への警戒感は完全には払しょくされていないため、反対に
再び円高方向に為替が動いてもボティリティーは低下せず、逆に上
昇する可能性が高い。円高+ボラティリティー上昇の組合せが実現
すれば、デリバティブを用いた輸入サイドのストラクチャー構築の好機
となることが多いので、注意深く相場を⾒守りたい。
(%)
【図3】米ドル円リスクリバーサル
( 出所:Bloomberg)
3
Jul 27, 2015
ご留意事項
・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の申し込みでも、取引締結の
推奨でもなく、売買若しくは何らかの取引を⾏うことを助⾔したり、または勧誘したりするものでもあ
りません。
・本資料の内容につき、当⾏はその正確性及び完全性を保証するものではなく、⼀切の責任を
負いません。ご利⽤に際しては、ご⾃⾝のご判断でお願いします。本資料に含まれるグラフ等は一
部トムソン・ロイター等のデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソン・ロイター等は何
らの責任を負わないものとします。
・本資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失等について
は、当⾏は⼀切責任を負いません。
・本資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で本資料の全部または⼀部
を複製、送信、転載、譲渡および配布することはできません。
・本資料に掲載された各⾒通しは本資料作成時点での各執筆者の個⼈的⾒解に基づいており、
それらは必ずしも当⾏の⾒解を反映しているとは限らず、また、予告なしに変更される場合があり
ます。
商号:株式会社あおぞら銀⾏ (登録⾦融機関 関東財務局⻑(登⾦)第8号)
加入協会:日本証券業協会、⼀般社団法⼈⾦融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
4