Weekly Market Report 1. 為替相場概況

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Aug 31, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
先週のドル円は世界同時株安を背景に乱高下。今週は米雇用統計に注目。
USD/JPY (1週間の値動き)
中国人⺠銀⾏緊急
利下げ
世界的な株安を背景に
約7か⽉ぶりの水準まで
急落
(出所)Bloomberg
コメント
先週のドル円相場は、週前半は中国経済の先⾏き不安に端を発した世界同時株安を背景に急激に円高が進⾏。週後半にかけては、株価
が落ち付きを取り戻すとドル円も再び上昇に転じた。週初、前週からのリスクオフの流れを引継ぎ、日経平均株価は前日比約900円の大幅
下落。海外時間に⼊っても流れは変わらず、NYダウが一時1,000ドル超の急落、WTI原油価格も37ドル台まで値を下げた。株価下落等を
背景にドル円は一時116円台前半まで急落。週央から週後半にかけては株式市場が落ち着きを取り戻したこと、原油価格の反転等もあり、
ドル円も121.70円まで値を戻して週の取引を終えている。今週のドル円相場であるが、中国の経済不安は依然払拭されておらず、依然とし
て上値の重い展開を予想する。但し、今週は米雇用統計やISM製造業景況指数等、重要な経済指標の発表を控えており、予想を上回る
良好な結果であれば9⽉利上げの期待感が再び高まり、ドル円上昇の可能性もあるだろう。
(市場営業部/山本)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
9/1(火)
(米国)ISM製造業景況指数
52.8
9/2(水)
(米国)ADP雇用統計
200千人
9/3(木)
(欧州)ECB政策⾦利
0.05%
9/4(⾦)
(米国)雇用統計(NFP)
218千人
9/4(⾦)
(米国)雇用統計(失業率)
5.3%
9/4(⾦)
(米国)雇用統計(平均時給)
0.2%
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
牧野 剛
119.80-123.50
120円割れの局⾯では輸⼊実需勢のドル買い意欲が旺盛。米雇用統計次第では再び早期利上げ期待が高まるか。
國井靖子
118.50-122.50
中国経済ショック・世界同時株安などは⼩康状態に過ぎず、米雇用統計等が予想を下回れば再度下落局⾯あるか。
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Aug 31, 2015
2. 円⾦利相場概況
リスクオフ⼀服も、中国経済の不透明感は根強く⾦利の上昇余地は限定的。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
10年債利回り
世界的な株安
でリスクオフ
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の10年債利回りは週初に世界的な株価下落の影響からリスクオフが強まり一時0.35%割れとなる場⾯も⾒られた。しかし、25日に中
国人⺠銀⾏が追加緩和を発表したことをきっかけに株安から反発すると、円⾦利も上昇に転じ結局10年債利回りは0.37%台後半で越週
した。
今週は米国で重要指標の発表が相次ぐが、仮にポジティブな内容が続いたとしても中国懸念が完全に払拭されたとは⾔えない状況下では9
⽉の利上げには慎重にならざるを得ず、米⾦利の上昇余地は限られそうだ。国内でも1日(火)に10年債⼊札を控えるが、一定の需要が⾒
込まれるため円⾦利の上昇幅も限定的になると予想する。
(市場営業部/川口)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功一郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.35%-
0.40%
0.35%-
0.41%
予想のポイント
世界的なリスクオフの流れは一旦落ち着きを取り戻すも、本邦債券市場の好需給に変化はなく底堅く推移し⾦利低下傾向か。
今週も中国、米市場の外部要因を背景に慎重ムードとなる中、円債市場は底堅さも維持し⾦利は膠着状態か。
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コモディティトピックス
石油相場
石油製品 ガソリンクラック
原油は原油のまま消費される事はありません。原油は製油所へ
と運ばれ、精製された後に、主にガソリン、軽油・灯油を含む中
間留分、船舶用などの重油、または、プラスチックの原料となるナ
フサなど、様々な用途に合わせて形を変えて、消費されます。
原油に相場【図1】や在庫統計があるように、石油製品にもそ
れぞれ相場【図2】が⽴っており、また製品別の在庫統計【図3】
も発表されます。
石油製品相場が原油相場と異なる点は、石油製品価格が内
在されている原油価格によって変動すると⾔うことです。原油は
主に原油のファンダメンタルズやテクニカルで価格が変動しますが、
石油製品は製品のファンダメンタルズとテクニカルに加えて、常に
原油価格変動に左右されます。
製油所は原油を仕⼊れて来て、それを精製して販売するわけ
ですから、仕⼊れる原油の価格によって石油製品の販売価格が
変動します。この仕⼊れと販売価格差を「クラック」と⾔います。
例えば、ガソリン価格を⽅程式にすると:
原油(仕入)+クラック(クラックマージン)=ガソリン価格(販売)
【図1】 WTI原油先物価格
(出所:Bloomberg)
【図2】 米ガソリン先物価格
原油を精製する⾏為を「クラック」と⾔い、製油所は原油をクラッ
クして、原油との利鞘、別名を「クラックマージン」を稼ぎます。クラ
ックマージン(利鞘) 【図4】は広い(高い)ほど、製油所の儲けが増
えます。しかし、ガソリンのクラックマージンを吊り上げると、店頭の
販売価格が上昇し、ガソリン消費が減り(需要減)、販売減(在
庫増)となり 、需給バランスが崩れます。絶妙な需給バランスを保
ちながら、原油相場動向なども考慮しつつ精製を⾏います。
石油製品の動向を考える際には、製品の相場動向や需給に
注視するのはもちろんですが、自然災害や地政学的リスクによっ
て内在する原油価格の変動に影響を受けるクラックマージンも考
慮する事が必要となります。
(市場営業部/古⾒)
【図4】 ガソリン クラックマージン
(出所:Bloomberg)
(出所:Bloomberg)
【図3】 EIA 米ガソリン在庫
(出所:Bloomberg)
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商号:株式会社あおぞら銀⾏ (登録⾦融機関 関東財務局⻑(登⾦)第8号)
加⼊協会:日本証券業協会、一般社団法人⾦融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
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