【20151214】ボラティリティ・インデックス(VIX)とドル円相場アップデート

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Dec 14, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
注目のFOMC、FRB議⻑の会⾒内容次第では波乱の相場展開?
USD/JPY (1週間の値動き)
米10年⾦利が⼤幅低下。
週間安値120.59円示現
原油価格の下落を背景
にリスクオフの円買い
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場は、前週末に発表された良好な⽶雇用統計結果を受けて、週初123円台前半でスタート。週前半は123円台前半を
中⼼に⼩幅で推移するも、原油価格に下げ⽌まる兆しが⾒えない中で、週半ばにはリスクオフの流れから円買いが進⾏、ドル円は⼀時121
円台前半まで下落した。週末には日経平均株価の上昇に伴い122円台を回復する場⾯も⾒られたが、海外時間に入り発表された米小売
売上⾼が市場予想を下回る中、原油価格の下落も重なり、米10年⾦利が⼤きく低下。ドル円は⼀時120円台半ばまで下落する場⾯も⾒
られた。今週は、16日〜17日FOMC、17⽇〜18日の日銀決定会合など重要なイベントが盛り沢山。注目はやはりFOMC。既に利上げは
織り込まれており、市場の関⼼はその後の利上げのペース。イエレンFRB議⻑が緩和的なスタンスを示せば、一旦円⾼進⾏も予想されよう。
(市場営業部/山添)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
12/15(火)
(米国)NY連銀製造業景気指数
-5.8
12/15(火)
(米国)CPI除食品エネルギー(前
年⽐)
2.0%
12/16(水)
-17(木)
(米国)FOMC
-
12/16(水)
(⽶国)住宅着⼯件数
1140K
12/17(木)
-18(⾦)
(日本)⽇銀⾦融政策決定会合
-
USD/JPY(2年間)
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
牧野 剛
118.90-122.50
國井 靖子
119.00-122.00
予想のポイント
VIXが急上昇する等、市場の不安⼼理が拡⼤する中で注目のFOMCが開催。ボラタイルな相場展開を予想する。
FOMCまでは動きにくい展開も、下げ止まらない原油価格や投機筋のドル買い円売りポジションの調整など下値リスクに警戒。
1
Dec 14, 2015
2. 円⾦利相場概況
原油安をきっかけとした世界的な株安を背景に10年国債利回りは前週⽐低下
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
原油安背景のリスク
回避ムードにより
0.305%を示現
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の10年国債利回りは原油安をきっかけに低下基調であった。週初から10年国債利回りは原油安やそれをきっかけとした⽇経平均株
価の下落等からリスク回避ムードが強まり、買われる展開に。月曜日には一旦0.33%台後半まで上昇したものの、その後は低下を続け、週
央には、0.305%をつけた。その後、週末にかけてはやや戻して越週している。
今週は米国でFOMCが開催される予定だ。今回のFOMCでは、政策⾦利が0.25%程度引き上げられることが予想されている。今回利上
げされれば約7年ぶりのゼロ⾦利政策解除ということになり、それに伴う円債への影響も気になるところ。また、前々週にOPEC総会で減産が
⾒送られたことにより価格の下落が⽌まらない原油相場が下げを続けるようであれば、それに伴うコモディティ価格の下落から現状のリスク回
避ムードを一層強めることとなり、10年国債利回りは0.3%を割り込む展開も想定され注意が必要だ。
(市場営業部/山本)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.29%-
0.33%
0.29%-
0.33%
予想のポイント
米FOMC迄は様⼦⾒で動意薄、⽶利上げしても円債市場は好需給環境に⽀えられて短期的に動いたとしても上昇が限定的。
FOMC声明、⽇銀⾦融政策が市場の想定内となれば、原油安等のリスクオフ要因や年末要因を背景に⾦利は低位安定か。
2
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3. 今週のトピックス
ボラティリティ・インデックス(VIX)とドル円相場アップデート
VIX指数はリスク回避ムードの高まりにより上昇の気配。
【図1】VIX指数
10⽉以降は概ね落ち着いた動きを⾒せていた
投資家の不安⼼理を⽰すVIX指数が、週末時点で24.39%まで
大きく上昇している。8月に一時50%台を上回る水準まで上昇して
いたVIX指数だが、その後は世界的に株式市場が堅調な動きを⾒
せていたこと等から、10⽉初旬以降は概ね20%以下での推移と落
ち着いた動きを⾒せていた。
(%)
90
80
70
60
50
40
30
前回VIX指数が大きく上昇した要因は中国発
VIX指数は一般的に10%〜20%の範囲で推移し、30%を超える
と「不安が⾼まった状態」、40%を超えると「パニック状態」と考えられ
ている。前回VIX指数が大きく上昇したのは8⽉で、中国⼈⺠元の
⼤幅な切り下げ実施をきっかけとした世界的な株安がリスクオフムー
ドを⾼め、ドル円相場も⼀気に円⾼が進⾏。120円台から116円
台前半まで下落する場⾯が⾒られた。
20
10
0
(ドル)
20000
今回のVIX指数上昇の発端は原油安
18000
先週初まで概ね落ち着いた動きを⾒せていたVIX指数が上昇するき
っかけとなったのが、原油安を背景とした世界同時株安で、週初から
VIX指数は3日連続で上昇した。10日には⽶株の反発や⽶⻑期
利回りが上昇したこと等からリスク回避ムードが和らぎ、一旦は低下
したものの、週末には再び上昇に転じ終値で24.39%まで上昇して
いる。ドル円に関してもリスク回避ムードの高まりから円買いが優勢と
なり、122円台から120円台半ばまで下落し、121円水準で越週
している。
14000
今後のドル円相場
【図2】NYダウ
16000
12000
10000
8000
6000
【図3】米ドル円
(円)
130
現在リスク回避ムードが⾼まり、やや下落基調の様相を⾒せているド
ル円相場であるが、今週16日には注目のFOMCを控えている。今
回のFOMCでは⼤⽅の予想で利上げ実施と⾒られている。但し、今
回の利上げに関しては市場ではすでに織り込み済みということもあり、
その後の動きはFOMC後の会⾒や今後の政策⾦利⾒通し次第と
言える。VIXの上昇に⽰されるように、市場には不安⼼理が⾼まりつ
つある。FRB議⻑が追加利上げに関して緩和的な発⾔をすることに
なれば、世界的な経済⾒通しに対する不安感が⾼まり、ドル円相
場はもう一段の円高が進む可能性も想定されよう。
(市場営業部/山本)
120
110
100
90
80
70
( 出所 Bloomberg )
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