Weekly Market Report_pptx

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Apr 18, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
ドーハ産油国会合、原油増産凍結⾒送り。原油相場の動きに特段の注意を払いたい一週間。
USD/JPY (1週間の値動き)
麻生財務・⾦融相の
円高けん制発
原油増産凍結
の⾒送り
(出所)Bloomberg
コメント
先週のドル円相場は、度重なる政府要⼈の円⾼けん制発⾔により一旦の円⾼進⾏に⻭⽌めが掛かったものの、週末の原油先物の下落か
ら今後の先⾏きが不透明な相場展開となった。週初、前週から続く円買いの流れを引き継ぎ108円台前半でスタート。週末にかけ菅官房⻑
官、麻生財務・⾦融相による円⾼けん制発言、さらに⽶国株(年初来⾼値更新)・⽇本株の上昇でリスクオンの流れとなり、⼀時109円
半ばまで上昇。週末15日(ゴトウビ)は実需のドル買いから週最高値となる109円73銭まで上昇したものの、G20後のルー⽶財務⻑官
「日本は内需喚起に集中する必要があり、為替相場は秩序的だ」との旨の発言、原油先物の下落から108円台後半まで下落して越週。
今週は原油増産凍結⾒送りの影響を⾒極める週となろう。⾜元の円⾼進⾏は原油相場の下落が⼀因だったこともあり、また先週末での
G20を経て為替介入がし辛くなった相場環境で、原油相場の下落を引き起こせば一段の円⾼進⾏が考えられる。 (市場営業部/山添)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
4/19(火)
(⽶国)住宅着⼯件数
1170k
4/20(水)
(⽇本)貿易収⽀
819.1b
4/20(水)
(⽶国)中古住宅販売件数
5.27M
4/21(木)
(欧州)ECB理事会
-
4/21(木)
(米国)フィラデルフィア連銀景況
8.0
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
高野一歩
106.00-109.50 G20での各国⾼官の為替介⼊への否定的な発⾔、原油の増産凍結⾒送りによりドル円は円⾼進⾏し易い展開。
國井靖子
105.50-109.50 産油国会合での増産凍結⾒送りを受けた原油価格の下落が続けばドル円は再び円⾼圧⼒が強まる展開に。
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2. 円⾦利相場概況
株価上昇も⾦利低下はつづく
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
日銀オペで
需給の引き締
まり確認
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の円⾦利市場は、株価が上昇に転じた一方、⿊⽥総裁の講演や日銀オペで需給の引き締まりが確認されたことで⾦利は低下する展
開となった。また、週の中で原油増産凍結の思惑で⾦利が上昇した場⾯もあり、週末のドーハ会合で増産凍結の合意がなされなかったこと、
週末の熊本地震の影響もあり、今週も⾦利は上昇しづらい展開となろう。次の⽇銀⾦融政策決定会合は来週の28日だが、週末のG20で
米国から為替介入に関する言質が取れなかったこともあり、追加緩和の決断に至るには、2016年1月の内閣府調査で輸出企業採算レー
トである103.2円近辺までの円高が必要かもしれない。
(市場営業部/池田)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
小野口裕美子
今週のレンジ
-0.15%-
-0.08%
-0.13%-
-0.03%
予想のポイント
ドーハ会合での合意⾒送りから原油安・株安等のリスクオフへの展開が再燃したことで当⾯の⾦利上昇余地は限定的。
今週の円⾦利は、ECBは材料視されず需給相場。また円⾼・株安の流れが進⾏すれば、更なる⾦利低下可能性もあり。
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3. 今週のトピックス
通貨オプション市場の動向
英国国⺠投票(Referendum)に支配されるVolatilityの期間構造→巨大なGAPが示現
英ポンドからユーロ、そして円にも
2月18日、19日の欧州首脳会議で英国政府が求めていたEU改
革案が合意されるや、翌20日英国のキャメロン首相は6月23日に
EU残留の可否を⼆者択⼀で問う国⺠投票(Referendum)を
⾏うと発表。これを受け通貨オプション市場ではまず英ポンドのボラ
ティリティーの期間構造に巨大な断層(GAP)が発生した。すな
わち満期日がReferendumの前後で、オプションの価格を決定す
るインプライドボラティリティーのレベルが⼤きく乖離してしまったのであ
る。まもなく、このGAPはもう一方の当事者通貨であるユーロにも波
及したが、3月中はこの2通貨以外への影響は極めて限定的だった
。
【図1】は今月11日時点で、Referendum当日と前後10日のイ
ンプライドボラティリティーレベルをプロットしたものである。今月に入り
期間のGAPはドル/円など他の主要通貨のボラティリティー市場で
観測されるようになった。先月末欧米の市場参加者の多くがイース
ター休暇で、英国のEU離脱(Brexit)リスクに備える動きは手控
えられていたが、投資家達が休暇明け一気に通貨オプション市場で
のヘッジオペレーションを加速したとみるべきだろう。
確かに他通貨でみられるGAPの幅は英ポンドに比べると小さいが、
Referendumの当日までこのGAPが縮小せずジワジワと拡大を続
けていく可能性は高い。
Referendum越えリスクリバーサルの拡大が顕著に
このようなGAPは単にアットザマネーのボラティリティーの期間構造だ
けにとどまらない。Brexitによって、英ポンド、ユーロの為替相場が大
きく下落するリスクや、多様なリスク資産価格が下落し「リスク・オフ」
の円買いが起こるリスクをヘッジするため、Referendumを越える
満期日を持つポンドプット、ユーロプット、米ドルプット(対円)への
需要が急速に高まっている。このためリスクリバーサルの価格にも同
様のGAPが発生、拡大した。【図2】は25デルタのプットオプションの
価格を満期日毎にプロットしたものだが、このGAPが【図1】のアット
ザマネーでみられるGAPの1.5倍〜2倍程度の⽔準に達しているこ
とが⾒てとれる。
【図1】主要通貨ペアのアットザマネー価格
(インプライド・ボラティリティー)
【図2】主要通貨ペアの25デルタプットの価格
(インプライド・ボラティリティー)
今後のボラティリティー相場展開
このような、リスクイベントは終了するまで、そのイベント直後の満期
日のインプライドボラティリティー価格を下支える。さらに、上でみたよ
うなドルプット買いの影響で、円⾼が進⾏する局⾯では、ボラティリ
ティーが急騰する可能性が高い。
一方で、Referendumの期日が接近するにつれ、GAPの位置は
期近物へとシフトする。その結果⻑期物のボラティリティーの価格形
成に与えるこのイベントの影響は徐々に剥落していくだろう。
遠く英国のBrexit騒ぎが、日本人に与えてくれるVolatility売りの
好機は賞味期限切れが迫っているのかもしれない。
【図1】【図2】ともに4月11日時点のマーケットミッドレートをプロット
( 出所 バークレイズ銀⾏他 )
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