【20160118】IMMポジション(投機筋)から見る為替相場見通し _pptx

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Jan 18, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
原油価格の下落、中国情勢不安等の悪材料が揃いリスクオフ
USD/JPY (1週間の値動き)
日経平均株価
大幅反発
WTI価格一時30ドル
割れ
ドル円週間安値の
116.51円を示現
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場は、原油価格や⼈⺠元レートの動向等に左右されるボラタイルな展開となった。週初はリスク回避の動きから117円台前
半でスタート。翌⽇は中国によるオフショア⼈⺠元への介⼊もあり、ドル円は118円台を回復するも、海外時間に入り原油価格が30ドルを割
り込むとドル円も117円台に押し戻された。13⽇は中国貿易統計が市場予想よりも改善したこと、日経平均株価の大幅反発等を背景にド
ル円は118円台を回復も、原油価格が下落に転じると再びリスク回避の円買いが優勢となった。週末⾦曜⽇、中国株、原油価格の下落、
米経済指標の悪化等を背景にNYダウも16,000の大台を割り込み、世界的なリスクオフムードの高まりから円買いの動きが加速。ドル円は一
時116円台半ばまで売り込まれた。今週は相場マインドの悲壮感が高まる中で、ボトムをつけるかが注目となる。 (市場営業部/池田)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
1/19(火)
(中国)GDP(前年⽐)
6.9%
1/19(火)
(ドイツ)ZEW調査(期待)
7.9
1/20(水)
(米国)CPI(前年⽐)
2.1%
1/21(木)
(米国)フィラデルフィア連銀指数
-5.0
1/22(⾦)
(⽶国)中古住宅販売
5.20M
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
牧野 剛
116.00-118.00
原油価格の下落、中国情勢不安に加え、先週末は⽶経済指標も軟調。⽶利上げペースの鈍化も予想され、上値は重い。
國井靖子
115.50-118.50 引き続き原油価格と中国リスクに警戒。今週は中国経済指標の発表多く、景気低迷が確認されれば円高が進む可能性も。
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Jan 18, 2016
2. 円⾦利相場概況
10年国債利回りは過去最低値を更新
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
10年国債利回り
過去最低の0.190%
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の債券相場は前週に引き続きリスクオフモードが継続した。週初から10年国債利回りは低下基調。⽇経平均株価が⼤幅に下落した
ことや原油価格が低迷していることもあり、14日午後には日経平均株価が17000円台を割り込むと、一時0.190%と過去最低水準をつ
けた。その後は利益確定の売り等から上昇に転じ、結局0.2%台前半で週の取引を終えている。今週は19日に5年債、21日に20年債の
入札が控えておりこちらの入札動向には注意が必要だ。また、19日には中国のGDP統計が発表される。発表される数字が予想を上回るよ
うな結果となれば、市場にはやや安心感が広がり、年始から続くリスクオフの流れに⼀旦⻭⽌めがかかる可能性がある。但し、結果が不調に
終われば、リスクオフの流れは継続し、10年債利回りは更なる低下余地を探る展開となろう。
(市場営業部/山本)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
土橋優
川⼝⼤⼠郎
今週のレンジ
0.19%-
0.23%
0.19%-
0.24%
予想のポイント
原油安等を背景とした世界景気の先⾏き懸念は払拭できず、リスクオフの流れは継続。再度過去最低利回りを試す場⾯もあろう。
世界的な株安、⽶⾦利低下などリスクオフは鮮明。10年国債利回りも再度0.2%割れを試す展開を予想。
2
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3. 今週のトピックス
IMMポジション(投機筋)から⾒る為替相場⾒通し
リスクオフ相場を背景に、米ドル円ネットポジションは円買い越しにシフト
IMMポジションとは
IMMポジションとは、米商品先物取引委員会(CFTC)が通貨
毎の建⽟明細を集計し、当該週の⾦曜⽇の取引終了後にHP
上で公表しているものである。建玉明細の大口玉は報告義務が
あり、投機玉と商業玉に分かれ、市場は特に投機玉の建玉明細
に注目する。
【図1】主要4通貨とドルインデックス(過去3年間)
(枚数)
<ポイント>
ネットポジションがロングかショートかニュートラルかにより、投機筋の
相場観が強気か弱気かニュートラルか推測できる。
米ドルと主要通貨のポジション動向
米ドルと主要4通貨の足元のポジションを⾒ると、昨年11月頃に
構築したショートポジションを縮⼩する動きが出ていることが⾒てと
れる(図1)。
⽶ドル円の⾜元のポジションを⾒ると、年明け以降にショートポジシ
ョンの急速な巻き戻しがあり、直近のネットポジションは円買い越し
に転じている(図2)。また、ユーロドルのポジションについてもショ
ートポジションがやや縮小している(図3)。
米ドル円ネットポジションが円買い越しに転じたことで「アベノミクス
相場の終焉」と⾒て、⽶ドル円相場は下落トレンドに⼊ったと予想
する市場参加者も少なくないが、円買い越しにシフトしたということ
は⼀連の円買い戻しが⼀旦終了したことを意味しており、ドル円
相場は下値を固める時間帯に入ったと⾒ることもできよう。
リスクオフ相場後は再びドルロングへ
米国の景気回復と⾦融政策正常化(利上げ)を背景としたド
ル高シナリオは、年明けからのリスクオフ相場により冷や⽔を浴びせ
られたかたちとなった。現時点ではFOMC参加者の予測中央値で
ある年4回(合計100bp)の利上げは困難と⾒る市場参加者
も多い。一方で、12月米雇用統計は強い数字を示しており、労
働市場の逼迫によりインフレ指標が改善され始めると、市場が織り
込む以上の利上げペースの速まりが意識されやすくなるだろう。足
元はリスクオフ優勢となっているが、経済指標や企業業績の改善
を背景として株式市場が上昇に向かえば、ドルロングポジションを
再構築する動きが加速するものと考える。
(市場営業部/淺川)
【図2】米ドル円(過去3年間)
(枚数)
-150,000
140
↑円ショート
-125,000
130
-100,000
120
-75,000
110
-50,000
100
-25,000
90
IMM ポジション
0
80
米ドル円
25,000
70
【図3】ユーロ米ドル(過去3年間)
(枚数)
150,000
↓ユーロショート
100,000
50,000
0
1.4
1.35
1.3
1.25
-50,000
1.2
-100,000
1.15
-150,000
IMM ポジション
1.1
-200,000
ユーロ米ドル
1.05
-250,000
1
( 出所 CFTC、Bloomberg )
3
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