Weekly Market Report - Dec 19, 2016(PDF:558KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Dec 19, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
FOMCの⾦利⾒通し上⽅修正によりドル高が加速。
USD/JPY (1週間の値動き)
週間⾼値118.66円
FOMC
(出所)Bloomberg
コメント
先週のドル円相場は、FOMCにおいて政策⾦利の引き上げ⾒通しが上⽅修正されたことにより⼀段のドル⾼が進⾏した。週明け12日、前週
末にOPECと非加盟国が15年ぶりに原油協調減産に合意したこと等を受け、リスク選好地合となりドル円は116円台前半まで上昇。その後
はFOMCを控え様⼦⾒姿勢が続き115円台前半でのもみ合いが続いた。14日、FOMCでは1年ぶりの利上げが決定。また市場予想に反し
て2017年の利上げ⾒通しが従来の2回から3回に上⽅修正されたことにより⽶国債利回りが上昇、ドル円相場も翌15日には週間⾼値とな
る118円66銭まで上昇した。その後は利益確定の売りもあり118円近辺での越週となった。今週以降も日⽶⾦利差を意識したドル買いの
流れは継続すると⾒るが、クリスマス休暇を前にしたポジション調整のドル売りも⼊るものと思われ、ドル円の上昇スピードは⼀服するものと考え
られる。19日、20日には日銀政策決定会合が開催されるが、市場参加者は現状維持を⾒込んでおり、大きな材料とはならないだろう。
(市場営業部/坂本)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
12/19(月)
IFO景況感指数(ドイツ)
115.9
12/19(月)
イエレン議⻑講演(⽶国)
-
12/19(月)
〜20(火)
日銀⾦融政策決定会合(日本)
現状維持
12/22(木)
7-9月GDP(⽶国)
3.3%
12/23(⾦)
11月新築住宅販売(⽶国)
575K
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
今村仁
115.00-120.00
ドル円相場は底堅い展開続くも、クリスマス休暇・年末年始休暇を控えて、ポジション調整フローには注意が必要。
川合隆⾏
115.50-120.50
日銀⾦融政策決定会合において国内⻑期⾦利上昇を容認する発⾔があれば、⼀時的にドル安円⾼に反転する可能性も。
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2. 円⾦利相場概況
今年最⼤のイベントFOMCが終了。年末へ向けたポジション調整から、もみ合いに終始か。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
日銀超⻑期ゾーン買い⼊れ増額、
次回オペ実施日発表
10年債利回り
日銀買い⼊れオペ実施
日銀指値オペ通知⾒送り
債券先物
コメント
(出所)Bloomberg
先週の⻑期⾦利(10年)は、日銀オペ等により0.05%台〜0.1%程度の広いレンジで推移。週明け⽶⾦利先⾼観に加え、20年債
⼊札(15日)に対する警戒感から⻑期⾦利は0.08%後半まで上昇してスタート。その後、日銀が指し値オペの通知⾒送りを受けて⼀時
0.1%目前まで上昇するも、14日に超⻑期ゾーンの国債買い⼊れ額を増額するとともに次回のオペ実施日を事前に発表すると、⼀時
0.05%台まで低下。その後、週末にかけFOMCの結果を受けた⽶⻑期⾦利の上昇やドル⾼・円安の進⾏を背景に0.1%程度に上昇する
も、勢い続かず結果0.08%台で越週。15日に実施された20年債⼊札は無難な結果(応札倍率:3.35倍、テール:19銭)。
今週の⻑期⾦利はもみ合う展開を予想。今週の日銀政策決定会合(19〜20日)は現状維持が⾒込まれ、17 年度国債発⾏計画
(22日)も織り込まれており、特に波乱はなさそう。今年最大のイベントであったFOMCが終了してしまったことで、今後は年末へ向けたポジ
ション調整の動きから、もみ合う展開となるだろう。
(市場営業部/山添)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.06%-
0.10%
0.05%-
0.10%
予想のポイント
日銀は現状の⾦融緩和政策を当⾯維持することで、市場では年末に向けて指し値オペのタイミングを探り合う展開へ。
海外⾦利上昇圧⼒から、上値の重い展開が継続。日銀政策が現状維持となれば指値オペが注視される週となろう。
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3. 今週のトピックス
今後のドル円の展望
12月のメインイベントFOMCを通過、依然トランプ相場は継続
【図1】ドル指数(DXY)
FOMCはタカ派的な内容
14日に開催されたFOMCでは昨年12月以来1年ぶりに政策⾦利で
あるFFレートの誘導レンジを0.25%引き上げ、0.5%〜0.75%とす
ることを決定した。利上げ⾃体は100%近く折り込まれていたことから
波乱はなかったものの、2017年の利上げペースを従来想定の2回から
3回に引き上げられたことで先⾏きの追加利上げの可能性が⾼まった。
トランプ氏当選後の⽶10年債利回りは1.8%台であったが、同氏の掲
げる財政拡大的な政策が⽶国の成⻑を押し上げ、物価にも上昇圧
⼒が加わるとの⾒⽅から、FOMC後の15日には⼀時2年3ヵ月ぶりと
な る 2.64% ま で 上 昇 し た 。 ド ル の 総 合 的 な 価 値 を ⾒ る ド ル 指 数
(DXY)は103台と約14年ぶりの⾼⽔準を更新し、ドル⾼基調が鮮明
となっている(図1)。
日銀⾦融政策決定会合は無風を予想
⽶国発の⾦利上昇圧⼒の下、日銀は引続きイールドカーブコントロー
ルにより10年債利回りを概ねゼロ程度に保つために各種手段(11/17
指し値オペ、12/14国債買い⼊れ増額)を講じ、⾦利の変動は限定
的となっている。結果、日⽶⾦利差の拡大から円安・ドル⾼が進⾏し
やすい地合いは継続している(図2)。20日(火)日銀⾦融政策決定
会合では、現⾏の⾦融政策が円安進⾏のサポートなっている中で現
状維持の公算が⾼く、本会合は無風での通過を想定している。日銀
は10年債利回りを概ねゼロ%程度に保つとしているが、日銀が容認す
る⽔準の上限を巡る議論は残る。現状は10年債利回り0.1%程度ま
でが許容範囲と⾒る⾒⽅が太宗を占める。総裁会⾒における⻑期⾦
利操作目標、国債買い⼊れペースについての⾔及には注視したい。
(⽶ドル)
【図2】ドル円と日⽶10年⾦利差
(%ポイント)
今後の⾒通し
ドル円1ヵ月のリスク・リバーサルは、11月の⽶大統領選後ドルコールオ
プション需要が⼀時大きく増加しマイナス幅が縮⼩する場⾯も⾒られた
が、現在もドルプットオーバーとなっている(図3)。スポット市場では日⽶
⾦利差の広がりからドル買い円売りが優勢となっているが、オプション市
場では反転の可能性もあり身構える向きがあるようだ。
トランプ氏は来年1/20に大統領就任式を予定している。新大統領誕
生後、政策が徐々に明らかになるまでは財政拡大的な政策を巡る思
惑で相場が動く時間帯が続くと思われ、⼀段の⽶⾦利上昇があるのか
⾒定める必要がありそうだ。欧⽶を中心に今週からクリスマス休暇モー
ドに突⼊することから持ち⾼調整が⼊りやすく、神経質な展開が想定さ
れる。ドル円は⽶⾦利の落ち着きどころによるが、足もとのトレンドを崩
す材料は⾒当たらず、日⽶⾦利差の拡大から⼀旦は120円の節目を
目指す展開を予想する。
(市場営業部/土橋)
(%)
【図3】リスク・リバーサル(ドル円1ヵ月)
( 出所:Bloomberg)
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