Weekly Market Report - Sep 7, 2015(PDF:670KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Sep 7, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
世界的なリスクオフで円⾼進⾏
USD/JPY (1週間の値動き)
中国経済への懸念が再燃
ECBハト派色のOutput
コメント
(出所)Bloomberg
先週の為替市場は、世界的な株安を背景にドル安、円⾼が進⾏した。先週最大の注目イベントであった米国雇用統計は、非農業部門雇
用者数が+17.3万人(市場予想+21.7万人)、失業率が5.1%(市場予想5.2%)、平均時給が+2.2%(市場予想+2.1%)と
マチマチの結果となった。⽶利上げについて、G20でFEDのフィッシャー副総裁が次回のFOMCでの結果はどうなるかはわからないとコメントして
いるが、同時に初回利上げ後も⽶国⾦融政策は緩和的とも述べており、9⽉利上げの可能性は未だ消えていないと思われる。ユーロは週を
通して下落。ECBは3⽇の理事会でインフレ⾒通し、経済成⻑⾒通しを下⽅修正したことで、追加緩和観測を惹起させた。今週から中国本
土市場がオープンする。中国株の動きと米国の利上げをめぐる不透明感から、今週も不安定な値動きが予想される。(市場営業部/池田)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
9/8(火)
(日本)GDP(第2四半期)
-1.8%
9/8(火)
(中国)貿易収⽀
49.35B
9/9(水)
(米国)労働市場情勢指数
9/10(木)
(日本)機械受注
+3.3%
9/10(木)
(中国)消費者物価指数
+1.9%
9/11(⾦)
(米国)ミシガン大消費者信頼感指数
91.5
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
(市場営業部/池田)
予想のポイント
高野一歩
118.00-120.50 今週も株価につられた動きとなりそう。休み明けの中国株式市場が軟調となれば円⾼圧⼒が強まるだろう。
國井靖子
117.50-120.50 FOMCまでは利上げへの思惑が交錯し、FRB要⼈発⾔や⽶経済指標で上下動。⼀⽅向への進⾏は無いと予想。
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Sep 7, 2015
2. 円⾦利相場概況
⽶雇⽤統計を通過し、⾦利低下地合いに
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
投資家のボジション調整等から上昇
好調な10年債⼊札を受け低下
10年債利回り
債券先物
コメント
(出所)Bloomberg
先週の円⾦利市場は1日(火)実施の10年債⼊札が応札倍率3.52倍 (前回2.84倍)、テール1銭(前回4銭)と好調な結果となり、10年
債利回りは⼊札前の0.400%から0.360%台まで低下、その後3日(木)はボジション調整などから一時約3週間ぶりとなる0.405%まで上
昇する場面があった。ECB理事会後にはドラギ総裁の追加緩和に含みを持たせる発⾔から、欧⽶の国債利回りは低下、週末には前日の海
外市場の流れを引き継ぎ、10年債利回りは0.360%に低下して越週している。8月米雇用統計が発表されるも強弱入り混じる結果となり9
⽉⽶利上げ開始を決定づけるに⾄らず、不透明感が残るままに。17日のFOMCの結果発表まで投資家はポジションを大きく傾けづらく、
0.4%前半での押し目買いに徹すると考えられ、今週も⾦利の上昇余地は限られそうだ。今週は8日(火)30年債、10日(木)5年債⼊札と
入札が続き、先週の10年債入札と同様に好調な入札が続けば、10年債利回りは0.3%台半ばを下回るきっかけとなる可能性がある。
(市場営業部/土橋)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
小野口裕美子
今週のレンジ
0.32%-
0.42%
0.30%-
0.40%
予想のポイント
⾜元のリスクオフの地合は継続。中国の景気減速と株価急落の⾏⽅がハッキリしない中で期末に向けて債券選好の流れに。
中国発の世界的景気減速懸念によるリスクオフムード滞留中であり、円⾦利もレンジ推移を予想。注目は17日のFOMC。
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3. 今週のトピックス
⾜元の⽶国⾦融政策
利上げ開始時期は不透明であるが、過度な利上げとはならない⾒通し
注目の9月FOMC
【図1】 失業率・PCEコアデフレーター(前年⽐)推移
7月28・29⽇に⾏われた⽶FOMCの声明文内においてFRBは従
来利上げを⾏う条件の⼀つとして挙げていた「労働市場の更なる
改善」との文言を「労働市場の幾分(some)の改善」に変更、利
上げに向け一歩前進の姿勢を⾒せていました。
しかしながら、先月11日の中国による⼈⺠元切り下げ以降、先進
国・新興国共に株式を中心とした各市場が混乱を深めており、来
週16・17日に開催されるFOMCにおいてFRBが利上げを⾏うのか
否かについて市場では注目が高まっています。
堅調な雇用、軟調な物価
FRBは物価の安定と雇用の最大化を政策運営の目標(デュアル
マンデート)としており、⻑期的な失業率の予想を5.0%~5.2%、
物価上昇率の目標値を前年⽐2.0%としています。足元の各指
標を⾒ると失業率は5.1%と⻑期予想に近い水準となっているの
に対し、FRBが重視しているインフレ指標であるPCEコアデフレータ
ーは前年⽐1.24%と依然としてFRBの目標値を大きく下回る状
況となっています【図1】。
FRBはこのまま景気の改善が継続すればインフレもいずれ2%を達
成するとの⾒通しを示していますが、8月半ば以降急速に高まった
中国発の世界的な景気減速懸念や原油動向などを⾒るとインフ
レが今後上昇するかどうかは不透明な状況であると言えます。
【図2】
(出所:Bloomberg)
市場が想定している9⽉利上げ確率
利上げのペースは緩やかなものを想定
市場が想定している9⽉利上げの確率は30%と、先月前半の
54%をピークとして以降は低下傾向にあります【図2】。一方で先
月29日に米ジャクソンホール経済シンポジウムにて⾏われたフィッシ
ャーFRB副議⻑の講演においては、「9⽉利上げの可能性は依然
として残っている」との発言もあり、FRBとしては可能であれば迅速
に利上げを⾏いたいとの姿勢に変化は⾒られません。
従来あまり議題に上がっていなかった10月FOMCにおける初回利
上げの可能性も⾜元では意識され始めており、9月のFOMCにお
いて利上げが⾒送られたとしても、引き続き年内の利上げを意識し
た状況は継続すると想定されます。
また、現状の⽶国の経済指標を過去の利上げ開始直前のものと
比較してみると【図3】、今回の局面における経済環境は明らかに
弱いと言えます。このような環境下、もしFRBが年内に初回利上げ
を⾏ったとしても以降の利上げペースは緩やかなものになると思われ
ます。
(出所:Bloomberg)
【図3】 利上げ開始直前における⽶経済指標の⽐較
実質GDP
名目GDP
耐久財受注
鉱工業生産
EPS成⻑率
ISM PMI
94年2⽉
2.60%
5.00%
6.80%
2.90%
16.84%
56.5
97年3⽉
4.60%
6.40%
2.40%
7.30%
11.53%
53.8
99年6⽉
4.60%
6.30%
5.50%
4.52%
5.66%
55.8
04年6⽉
現在
4.20%
2.70%
7.10%
3.70%
7.30% -20.20%
2.20%
1.32%
26.11%
3.80%
60.5
51.1
(出所:Bloomberg、JPMorgan)
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