Weekly Market Report - Jul 6, 2015(PDF:630KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Jul 6, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
ギリシャ情勢の混迷に伴い、為替相場は一進一退の展開か
USD/JPY (1週間の値動き)
ギリシャ国⺠投票
実施を決定
予想を下回る
米雇用統計
ギリシャ国⺠投票
の結果、反対多数
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場はギリシャ情勢の混乱や強弱⼊り乱れた⽶経済指標を背景に上下動する展開となった。週初、ギリシャが国⺠投票を実施
するとの報道を受けてユーロは急落。リスクオフの円買いが加速し、ドル円は122円台前半まで下落した。その後、発表されたADP雇用統計
やISM製造業指数が市場予想を上回る結果となったこと等により、ドル円は123円台後半まで上昇する場⾯も⾒られた。しかし、2日の米雇
用統計では雇用者数が市場予想を下回り、注目された平均賃⾦は前月比±0%と伸び悩んだことで、ドル円相場は発表後に急落、ドル買
いの流れが⼀服した。注目された5日ギリシャ国⺠投票は反対多数となり、ギリシャ情勢は混迷化。目先は7日のユーロ圏首脳会合に注目が
集まるが、情勢の⾒通しが⽴つまでは時間を要すると思われ、相場は⼀進⼀退の展開となるだろう。
(市場営業部/淺川)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
7/6(月)
(米国)ISM非製造業指数
56.4
7/7(火)
(欧州)ユーロ圏首脳会合
-
7/8(水)
(⽇本)貿易収⽀
-¥288.8B
7/8(水)
(米国)FOMC議事録
-
7/9(木)
(中国)CPI(前年⽐)
+1.3%
7/10(⾦)
(⽶国)イエレン議⻑講演
-
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
山本崇広
121.50-123.50
ギリシャ情勢、中国株安等を背景に今週はリスクオフの展開。121円台では輸入実需勢の買い支えも。
國井靖子
121.00-124.00
市場の関心は再び米国経済へ。FRB議⻑発⾔で9⽉利上げに消極的な発⾔があればドル安が強まる可能性も。
1
Jul 6, 2015
2. 円⾦利相場概況
ギリシャ情勢を巡る不透明感から円⾦利には低下圧⼒がかかる。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
10年債利回り
10年債⼊札や⽶雇⽤統計
への警戒感から⾦利上昇
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の10年債利回りは、週初はギリシャ情勢不安から0.4%台半ばでスタートし⽐較的落ち着いた値動きであったが、2日の10年債⼊札
や米雇用統計への警戒感から上昇に転じ一時0.5%台にのせる場面も⾒られた。その後は結局、10年債⼊札が無難な内容となり、米雇
用統計も不冴えな結果となると再度0.4%台後半に低下し週の取引を終えた。
週末のギリシャ国⺠投票は緊縮策受⼊に対して反対多数となる⾒込で、今週はリスクオフの流れが強まり円⾦利にも低下圧⼒がかかりやす
いだろう。7日にユーロ圏首脳会議が開催される予定であり、ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びてくる中で市場の注目が集まる。
(市場営業部/川口)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.45%-
0.50%
0.42%-
0.52%
予想のポイント
ギリシャ問題受けてリスクオフから⼀旦は⾦利低下するもその後は株価を眺めながらの様⼦⾒。ただ好需給環境に変化はなし。
今週の円債市場は、ギリシャ情勢、⽶利上げ観測後退を背景とした⽶独⾦利の不安定な地合につられる相場展開に。
2
Jul 6, 2015
3. 今週のトピックス
中国株アップデート
中国株は⼼理的節目の4,000ポイント割れ。中国政府の対応に注目。
続落
【図1】上海総合指数の推移
6月22日の当Weekly Market Reportでもお伝えした中国本 (ポイント)
5500
⼟株の下落が⽌まらない。6月12⽇の⾼値からの下落率は約30
5000
%に達した。キーポイントとなる上海総合指数4,000ポイントを大
4500
きく下回り、テクニカル的には3,500ポイントまでの下落が考えられ
4000
る。中国当局は7月3日に株価下落に関して相場操縦の可能性
3500
を調査すると発表。需給の悪化対策としてIPOの抑制方針も打ち
3000
出された。【図1、図2参照】
2015年6月
2015年5月
2015年3月
2015年4月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年9月
2014年10月
2014年8月
2014年6月
2014年7月
【図2】上海総合指数のPER推移
(倍)
30
25
20
株価収益率
15
18.8倍
10
5
【図3】上海証券取引所 信⽤倍率
(倍)
(百万⼈⺠元)
700
1,600,000
600
1,400,000
信⽤倍率
500
1,200,000
信用買い残(百万元)
400
1,000,000
800,000
300
600,000
200
400,000
100
2015年6月
2015年5月
2015年4月
2015年3月
2015年2月
2015年1月
2014年12月
2014年11月
2014年10月
2014年9月
200,000
2014年8月
0
2014年7月
中国の株式下落については、訪日外国人観光客数への影響が懸
念されている。これまでの株価上昇による資産効果がどの程度あっ
たのかを観測することは難しいが、今後日本の観光当局から公表さ
れるデータには要注目と考えられる。これまで中国の『爆買い』をテ
ーマに日本株が買われていたため、株価にも少なからず影響が出そ
うだ。また、ここ数週間はギリシャをテーマに市場が動いており、世界
的に上海株の下落を捕らえきれていない部分もある。もともと騰がり
すぎていたものが下がるというある種冷静な反応であったが、中国政
府の不冴えな対応をみると、さらなる株価の下落に直⾯した場合、
グローバルに負の連鎖的な反応が出る可能性は高いのではないだ
ろうか。
(市場営業部/池田)
1500
2014年6月
株価下落の影響
2000
2014年5月
その他にも上海株を買い支えるため、中国の大手証券21社が
1,200億元(約2兆4000億円)分のETFを購入すると発表し
た。上海総合指数が4,500ポイントを回復するまでは株式を売却
しないと言う。ただしこの対応では根本的な解決は期待できないだ
ろう。同様の対応は1964年の⽇本の証券不況時に、株式棚上
げ機関として業界が設⽴した⽇本共同証券を彷彿とさせる。尚、
証券不況による株価下落は⽇本共同証券の設⽴にもかかわらず
止まる事はなく、株価下落の反転は翌年の⾚字国債の発⾏まで
待つ必要があった。前回のトピックスでも取り上げたように、上海株
の上昇の要因は、信用取引を中心とした個人投資家のバリュエー
ションを超えた投機的な買いが根幹にあった。この下落が⽌まるとす
ると、バリュエーションが適正な水準に回帰することや、信用取引の
清算が⾏われ、需給のしこりが解消されること、政府当局が景気刺
激対策を打ち出すなどの対応が必要となろう。図3は上海証券取
引所が公表する信⽤買い残と信⽤倍率をプロットした図だ。信用
買い残は減少しているものの、まだ多すぎるのが実態だろう。信用
倍率は600倍に達しており、信用取引の清算が進んでいない事が
分かる。
上海総合指数
2500
2014年4月
買い支えが発表されたが・・・
-30%
0
( 出所 上海証券取引所、Bloomberg )
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