Weekly Market Report - Mar 7, 2016(PDF:779KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Mar 7, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
今週は10日のECB理事会に注目
USD/JPY (1週間の値動き)
米雇用統計
発表
米ADP雇用統計
発表
コメント
(出所)Bloomberg
週明け29日のドル円相場は、東京時間では輸出勢の月末フロー、海外時間ではG20への期待剥落等により112円台後半で円が強含む
展開。1日、米ISM製造業景気指数結果やECB理事会への追加緩和期待等を材料にドルが強含む展開となり、ドル円は114円台前半ま
で急伸する場⾯も⾒られた。2日、米ADP雇用統計の良好な結果を受けドル円は114円50銭台を示現するも、米国株の伸び悩み、原油
在庫の増加等が意識され再び113円台前半まで下落。3日、東京時間は堅調な日経平均株価が⽀援材料となり114円台を回復するも、
海外時間に⼊ると利益確定のドル売りや週末に控えた米雇⽤統計を⾒極めたいとの思惑から、再び113円台半ばまで下落。4日、米雇用
統計は非農業部門の雇用者数が+24.2万人と市場予想を上回り、発表直後は114円台前半へ急伸したものの、その後は平均時給の減
少を嫌気したドル売り等もあり、結局ドル円は113円後半で越週している。今週はECB理事会による追加緩和策への期待からドルが強含む
場面も予想されるが、雇用統計後のドル円の上値の重さや翌週にFOMCが予定されている事もあり、ドル円の上値は限定的と予想する。
(市場営業部/吉岡)
今週の経済指標(予定)
日付
USD/JPY(2年間)
イベント
予想
3/7(月)
(中国)外貨準備高
$3,190b
3/8(火)
(日本)GDP(前期比)
-1.6%
3/8(火)
(中国)貿易収⽀
$50.75b
3/8(火)
(独)鉱工業生産(前月比)
0.5%
3/8(火)
(欧州)GDP(前期比)
0.3%
3/10(木)
(欧州)ECB理事会
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
高野一歩
112.50-115.00 悪くなかった米雇用統計の結果、原油価格の上昇等でリスク警戒感は後退するも、相場の方向感醸成には至らず。
國井靖子
112.00-115.00 米雇用統計は強弱区々の結果となり、来週のFOMCまでは動きづらい展開。中国の動向やECB理事会に注目。
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Mar 7, 2016
2. 円⾦利相場概況
超⻑期ゾーンにはプラス利回りを求めた投資家の需要を集め、過去最低利回りを更新
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
10年債利回り
10年債⼊札を無難に消化
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の円⾦利市場は10年ゾーンまでマイナス利回りが定着する中、超⻑期セクターにはプラス利回りを求めた投資家の買いを集め、利回り
低下が一段と進展した。1日、マイナス⾦利で迎える初めての10年債⼊札では事前懸念が⽰されるも、応札倍率3.20倍、テール9銭と無
難に通過し、終値の利回りで過去最低の-0.070%をつけた。週末は超⻑期セクター中⼼に買い進まれ、20年債利回り0.415%、30年
債利回り0.705%と連⽇の過去最低利回り更新となった。今週は10日にドラギECB総裁が1⽉の理事会後の記者会⾒で3月会合での追
加緩和を示唆していたECB理事会が開催される。預⾦ファシリティ⾦利の10bp引き下げは既にマーケットには織り込まれており、その他の発
表内容次第で初期反応が異なるだろう。また、8日(火)の30年債⼊札では絶対⾦利⽔準を求めた投資家の需要を集め無難に通過し、
今週もフラット化が継続しよう。
(市場営業部/土橋)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
小野口裕美子
今週のレンジ
-0.05%-
0.02%
-0.09%-
0.00%
予想のポイント
引き続き需給面を考えると⾦利上昇余地は限定的であり、海外⾦利や株式市場をにらみながら0%を跨いだ推移。
国債の⼤量償還を控えて需給は好調、⾦利低下余地を試す展開となりそう。3/10のECBでの追加緩和有無は注目材料。
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3. 今週のトピックス
ブラジルレアルアップデート
ブラジル国内は、政治・経済⾯の不透明感強く、レアル相場は軟調な展開を予想
レアル相場は過去最安値圏で推移
レアル相場は2015年初めから下落トレンドが継続しており、対米ド
ルでは過去最低水準である1米ドル=4.2レアル台まで一時売り
込まれ、レアル円でも一時1レアル=27円台とリーマンショック後の混
乱時を上回るレアル安が進んでいる【図1】。
インフレ率は高止まり
今月2日(水)にブラジル中央銀⾏(BCB)は政策⾦利を14.25%
で据え置くことを決定した。これで5会合連続の据え置きとなる。
BCBはインフレ目標値として4.5%±2%を設定しているが、最近は
この閾値を大幅に超過している状況が続いている【図2】。
このような中、今月政策⾦利を据え置いたことは、BCBがインフレ率
の加速よりも景気への配慮をみせたと考えられる。ブラジル国内の政
財界からはむしろ利下げを求める声が強まっているほどだ。
深刻な経済状況
(円)
【図1】レアル相場
(レアル)
55
レアル円(左)
5
50
米ドルレアル(右)
4.5
45
4
40
3.5
35
3
30
2.5
25
2
20
1.5
(%)
【図2】政策⾦利とインフレ率
15.00
12.50
10.00
ブラジルは2015年のGDP成⻑率がマイナス3.8%となり1990年以
降で最⼤の落ち込みとなった。第4・四半期のGDP成⻑率をみても、
マイナス圏での推移は変わっておらず、回復の兆しが⾒えない深刻な
状態が続いている【図3】。
国内では消費者ローンの延滞率が上昇し、企業向け融資のデフォル
トも増加している。住宅価格の下落から家計は苦しく、消費者物価
指数の⾼⽌まりが更に個⼈消費を冷やすという悪循環が続いている
。レアル安の恩恵を受けるはずの輸出産業も、世界経済の不透明
感や資源価格の下落から同国経済をけん引するまでには至っていな
い。
汚職問題
7.50
5.00
2.50
政策金利
インフレ率
0.00
【図3】GDP成⻑率
(%)
3
2
国営企業である石油会社大手のペトロブラスを巡る汚職疑惑に関し
ても政府の関与が疑われており、解決の糸⼝が⾒えていない。ルセフ
⼤統領にも疑惑が掛けられている状況の中、先週4日(⾦)には前
⼤統領であるルラ氏の身柄が確保されたと報道されている。
以上のように、現在のブラジルは政治・経済面で不確実性が高く、歴
史的にみても最悪の国内状況と言われている。レアル相場は依然と
して底打ちの兆しが⾒えず、本格的な反発はまだ当面先だと考えて
おいたほうが良いだろう。
1
0
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-3
-4
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( 出所:Bloomberg)
(市場営業部/川口)
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