Weekly Market Report - Jul 13, 2015(PDF:776KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Jul 13, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
ギリシャ情勢に続き中国株式動向に振らされる展開に
USD/JPY (1週間の値動き)
ギリシャ債務交渉の
進展期待
上海総合指数の⼤幅下落
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場はギリシャ情勢、中国株の下落を背景に値動きの荒い展開。6日(月)、前週末実施のギリシャの緊縮策を問う住⺠投票が
反対多数となったことを受け、早朝には121円台後半まで下落してスタート。8日(水)中国当局による相場下支え策の効果が後退し、上海
総合指数が⼤幅下落。日経平均株価も一時600円を超える下げを記録し、ドル円は一時120.40円水準まで円⾼が進⾏。週末、ギリシャ
政府が提出した財政改革案がEU案に譲歩した形となり、ギリシャ支援継続への期待を背景にドル円は結局122円台後半で越週している。
今週もギリシャ情勢や中国株式市場といったリスクオフ要因が燻っており、神経質な相場展開となろう。 20日(月)にはECBが保有する債権の
満期が迫っており、目先は15日(水)までにギリシャが税制や年⾦制度改⾰を法制化できるかが焦点となりそうだ。米国では連日⾏われるイエ
レン議⻑の議会証⾔での、利上げペースや経済認識などの発⾔内容に注目したい。
(市場営業部/土橋)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
7/14(火)
(米国)小売売上高速報(前月比)
0.3%
7/15(水)
(⽇本)⽇銀⾦融政策決定会合
-
7/15(水)
(中国)GDP(前年⽐)
6.8%
7/15(水)
(⽶国)イエレン議⻑議会証⾔(下院)
-
7/16(木)
(⽶国)イエレン議⻑議会証⾔(上院)
-
7/16(木)
(欧州)ECB理事会
-
予想者
今週のレンジ
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想のポイント
高野 一歩
121.00-124.00
リスクオフの円高要因(ギリシャ問題、中国株懸念)と⽶利上げを⾒込んだ円安要因の綱引きで依然⽅向感出⾟い。
國井靖子
120.50-123.50
中国GDPの結果次第では株価下落が再燃、ドル安円⾼が強まる可能性も。国内要因の⽇銀会合にも注目。
1
Jul 13, 2015
2. 円⾦利相場概況
先週に引き続き、ギリシャ情勢や中国株の動向に左右される展開となろう
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
日本株、中国株
⼤幅下落
10年債利回り
30年債入札不調
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の円⾦利市場はギリシャ情勢や中国株の動向に左右される展開であった。週初からギリシャ情勢をめぐるユーロ圏財務相会合が⾏われ
ていたが、進展があまり⾒られない中で徐々に⾦利は低下していった。火曜日の10年物価連動国債⼊札は事前予想通りの最低落札価格
で決まり無難な通過となった。水曜日はギリシャ情勢が⼀向に進展しない失望感に加えて、連⽇中国株が暴落する中で⽇経平均株価が
600円超の⼤幅安になるなどリスク回避の流れが強まった。国債先物は⼤幅続伸となり、10年国債は0.42%割れまで低下した。⼤幅に⾦
利が低下する中で迎えた⽊曜⽇の30年国債⼊札は不冴え。⾦曜⽇は⽇銀オペが強かったことやギリシャ協議の進展を⾒極めたい動きから
⻑期⾦利は0.44%台で引けた。今週もギリシャ情勢と中国株に注目が集まろう。
(市場営業部/池田)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
小野口裕美子
今週のレンジ
0.40%-
0.47%
0.40%-
0.50%
予想のポイント
海外要因に振らされる神経質な動きとなろうが、本邦債券市場の好需給には変化なく結局は小じっかりとした相場展開。
ギリシャは政治的決着の⾏⽅を⾒極める週。中国は国内個⼈投資家メインの市場のため動きが予想できず、要警戒。
2
Jul 13, 2015
3. 今週のトピックス
オーストラリアドルアップデート 〜政策⾦利は2.00%で据え置き〜
ギリシャ情勢と中国株価急落から豪ドル相場は下落。
【図1】上海総合指数
政策⾦利の据え置きは市場予想通り
7月7日(火)オーストラリア準備銀⾏(RBA)は政策⾦利を2.00%
に据え置くことを決定した。前回に引き続き2会合連続での据置とな
る。前々回の会合で利下げが実施されたばかりであったこともあり、今
回の据え置きはほぼ市場予想通りであったと言える。
RBAは声明⽂の中で、今後の政策⾦利⾒通しについては経済・⾦
融状況次第であると述べるに留めている。
中国株・鉄鉱⽯価格が⼤幅下落
ここ最近、マーケットの関心事はギリシャと中国であろう。豪州につい
てもその影響を大きく受けている状況だ。
ギリシャについては豪州との直接の結びつきは地理的にも貿易等を考
えてもそれほど⼤きくないと考えられるが、ギリシャ情勢不安から世界
的な株安・リスクオフの流れの中では豪ドルも⼤きく売られることとなっ
た。
【図2】鉄鉱石価格
(米ドル/トン)
更に、追い討ちを掛けたのが中国株の急落である。【図1】に示した
上海総合指数の大幅調整に伴い、中国向けの主要輸出品である
鉄鉱⽯価格が⼤きく値を下げている。豪州の資源ブームの後、下落
基調が続いていた鉄鉱⽯価格は、今年初めに⼀旦は底打ちしたか
に⾒えたが、再度急落に⾒舞われている【図2】。
こうした流れの中で豪ドル売りも顕著になっている。豪ドル米ドルでは
約6年ぶりの安値⽔準である1豪ドル=0.75米ドルを下回り、豪ド
ル円でも一時90円割れとなる場面も⾒られた【図3】。RBAのスティ
ーブンス総裁は会⾒の中で、資源価格の下落を考えると豪ドル相場
は更に下落する可能性もあり、また、その必要性もある、と述べており
豪ドル売りを後押した可能性もあるだろう。
【図3】豪ドル相場
(円)
(米ドル)
豪州国内は堅調
⼀⽅で、豪州国内に目を向ければ失業率こそ依然として⾼⽌まりし
ているものの、住宅市況や個⼈消費等は堅調な伸びを⽰しておりイ
ンフレ率⾒通しもRBAの目標にほぼ⼀致する⾒通しとなっており、順
調な様子が伺える。
市場参加者の間でも、当⾯は政策⾦利の維持が予想されており、
ギリシャや中国の様な外部環境に少しずつ落ちつきの兆しが⾒られれ
ば、豪ドル相場は再度堅調な推移に戻るのではないだろうか。
(市場営業部/川口)
( 出所:Bloomberg)
3
Jul 13, 2015
ご留意事項
・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の申し込みでも、取引締結の
推奨でもなく、売買若しくは何らかの取引を⾏うことを助⾔したり、または勧誘したりするものでもあ
りません。
・本資料の内容につき、当⾏はその正確性及び完全性を保証するものではなく、⼀切の責任を
負いません。ご利⽤に際しては、ご⾃⾝のご判断でお願いします。本資料に含まれるグラフ等は一
部トムソン・ロイター等のデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソン・ロイター等は何
らの責任を負わないものとします。
・本資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失等について
は、当⾏は⼀切責任を負いません。
・本資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で本資料の全部または⼀部
を複製、送信、転載、譲渡および配布することはできません。
・本資料に掲載された各⾒通しは本資料作成時点での各執筆者の個⼈的⾒解に基づいており、
それらは必ずしも当⾏の⾒解を反映しているとは限らず、また、予告なしに変更される場合があり
ます。
商号:株式会社あおぞら銀⾏ (登録⾦融機関 関東財務局⻑(登⾦)第8号)
加入協会:日本証券業協会、⼀般社団法⼈⾦融先物取引業協会、日本商品先物取引協会
4