Weekly Market Report - Jan 5, 2015(PDF:441KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Jan 5, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
2014年は⽶経済の回復が進⾏しドルへの回帰。2015年もドル⾼は続く⾒通し
2014年は
米国は、冬場は歴史的な天候不順の影響もあり国内経済の不調もあったが、春以降は回復。イエレン議⻑は3月、失業率とインフレ率を
閾値としたフォワードガイダンスをより定性的な幅広い経済指標に変更。特に賃⾦上昇率が緩慢だとして労働市場の幅広い指標に焦点をあ
てたことから、年前半は⽶経済の回復の強さが疑問視されたが、夏場以降はFed内での⾦融政策の正常化の議論も徐々に盛んとなった。
10月には予定通り国債、MBSの買い⼊れを終了し、ドルインデックスも下半期以降は上昇に転じている。
日本は、消費税増税の反動からくる個⼈消費の落ち込みが危惧されたが、再増税の判断の目安とされた7〜9月期GDPは天候不順、企
業の在庫減少、設備投資の減少で⺠間需要の弱さが響いた結果、前期⽐でマイナス成⻑となった。10月には内外株式への配分を高める
GPIFのポートフォリオの⾒直しと⽇銀による追加緩和が円安を招き、12月に入るとドル円は120円を突破した。結局、消費税増税は延期と
なったものの、12月の衆院解散総選挙でアベノミクス継続が確認されたこと等を材料にドル円は底堅く推移している。
欧州は、ECBが⼀貫した⾦融緩和への姿勢を貫き、6⽉に預⾦ファシリティ⾦利のマイナス化、9月にABS、カバードボンドの購入を決め、9
月、12月と2度のTLTROを実施。域内のディスインフレから波及するユーロ⾼に⻭⽌めをかけるべく、非伝統的な資産の購⼊を⽮継ぎ早に実
施したことから、ユーロ安が進⾏した。
2015年は
より短期的には、原油下落の影響がどこまで進むのかに注意が必要である。日銀の⿊⽥総裁は先の⾦融政策決定会合にて、期待インフレ
の形成に原油価格の影響をとりわけ注視するとし、10月の追加緩和の直接的な引き⾦の一つに原油下落を挙げている。また12月のECB理
事会においても、ドラギ総裁は原油下落とインフレへの影響を注視するとし、原油輸出国であるロシアとの関係はウクライナ問題に加えてより複
雑なものになりつつある。グローバルでディスインフレが進む中で、原油下落が加わったことで、⾃国のファンダメンタルズとは直接関係のない材料
で⽇欧は⾦融緩和に追い込まれる可能性も⼗分にあり得る。⼀⽅の米国は、今回の原油下落は⼀般市⺠への⽣活に恩恵をもたらすとして、
概ね歓迎しており深刻な問題ではないかもしれない。年内の利上げは既定路線である米国だが、直近の⾦利⾒通しでは、2015年度末の
ドットチャートの振れ幅も大きく(0.25〜3.25%)、2015年、2016年と⾦利予測の平均値も前回と⽐べて低下していることを考えると、
Fedは急激な利上げは望んでおらず道のりは不確実である。引き続き、緩やかなドル⾼がメインシナリオとなろう。
(市場商品部/中谷)
今年の重要イベント(予定)
USD/JPY(1年間)
日付
イベント
ポイント
1/22
(欧州) ECB理事会
3/15
国債購⼊含む量的緩和実施か
(3/5の可能性も)
(米国) 債務上限引き上げ
期限
2015年10月頃まではデフォルト
を回避出来る⾒込
(中国) 全国⼈⺠代表⼤会
成⻑率目標7%に引き下げか
5/上旬
(英国) 総選挙
EUへの残留か離脱か
6/中旬
(米国) FOMC
ゼロ⾦利解除を実施するか
9/下旬
(米国) 翌年度(15/10〜
16/9)会計の予算
が成⽴するか
年後半
強制歳出削減を緩和出来るか
(上下院で過半を占める共和党
をどう説得するか)
(日本) 日銀の追加緩和
2015年後半以降との予想多い
(2015年前半の可能性も残る)
3/中旬
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
山本崇広
118.50-122.50 今週は重要な経済指標の発表が多く、値幅を伴った相場展開を予想。ギリシャ情勢等のリスク要因にも注意したい。
國井靖子
119.00-122.00 ⽶雇⽤統計など注目イベント多数。年明けのドラギECB総裁の発言によるユーロ安の影響もありドル高基調継続か。
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Jan 5, 2015
2. 円⾦利相場概況
利上げ局⾯を迎える⽶国と追加緩和期待が燻る国内市場
2014年の回顧、及び今年の注目点
2014年の円⾦利マーケットは日銀の異次元⾦融緩和による国債の需給逼迫により⾦利はじりじりと低下し、短期ゾーンでは
マイナス⾦利を付け、⾦利は過去最低記録の更新を続けた。そして10月31⽇の⽇銀政策決定会合において追加緩和が⾏
われ、国債は発⾏額とほぼ同額の買い⼊れが⽇銀から⾏われるようになり、さらに需給の逼迫さが増している。
12月25日には、2013年4月5⽇の異次元⾦融緩和直後にワンタッチした10年債の過去最低⾦利であった0.315%を更新
し0.31%まで低下した。その翌日には一時0.30%まで低下したが当時のような過熱感は未だ⾒られず⾦利は低位で安定し
ている。また米国では10⽉で量的緩和が終了した。量的緩和終了による⼤きな混乱はなく、経済指標を⾒ながら利上げに向
けた準備を着々と進めている。
2015年の円⾦利マーケットを考えるにあたり大きく影響を及ぼすと思われる注目点を2点挙げておきたい。
1点目は⽶国の利上げ動向、2点目は日銀の追加緩和動向である。
1点目に関しては、FRBは今後2015年中に利上げに踏み切ると予想されるが、インフレ率が低⽔準であり、そのペースは緩や
かに⾏われると思われる。好調な経済指標が続くことで利上げペースが早まり⾦利が上昇する可能性がある点には注意したい。
2点目に関しては、日銀が掲げている「2%の物価安定の目標」と実体経済の乖離が明らかになってきた場合、市場では再び
追加緩和期待が持ち上がると考えられる。2014年後半の原油価格の急落によりコアCPI前年⽐はゼロ%近傍まで鈍化する
可能性もあり、現在の政策スタンスを維持するのであれば追加緩和が⾏われる可能性が考えられる。
上記2点により円⾦利マーケットは左右されるが、基本的には⽇銀による国債買い⼊れの影響は⼤きく、円⾦利は当⾯低位で
推移することが⾒込まれる。国内経済の回復の兆しが⾒えて利上げによる⽶⾦利上昇及び円安株⾼の進⾏が進めば、さすが
に円⾦利も上昇する方向に動くと思われるが、日銀による買い⼊れが続く限りは常に押し目買い圧⼒は強く、上昇は緩やかに、
上昇幅も限定的となることが想定される。
最大のリスク要因として考えられることは、コアCPI前年⽐2%達成が視野に⼊り国債買い⼊れの中⽌が意識されることによる
⾦利の急騰であろう。今年中に顕在化する可能性は低いとは思われるが常に頭の片隅に置いておきたい。
国内⾦利の年間予想レンジは、10年債利回り:0.2〜0.7%、5年SWAPレート:0.1〜0.4%とする。
(市場商品部/岡本)
⾦利スワップ変化(1年間)
(%)
0
2.5
(%)
2
-20
1.5
差(左軸,bp)
-40
2013/12/30
1
2014/12/30
-60
-80
10年国債利回り推移(1年間)
1Y
3Y
5Y
0.5
7Y
9Y
12Y
20Y
0
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
高野一歩
小野口裕美子
今週のレンジ
0.29%-
0.34%
0.29%-
0.34%
予想のポイント
独国債利回り低下もフォローとなり、JGB10年債利回りも引続き低位で推移する⾒込み。週末の⽶雇⽤統計には留意したい。
⽇銀の国債買⼊で今年も需給タイトな状況は継続するも、財政ファイナンスに対する不信感の顕在化などのリスクには要警戒。
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Jan 5, 2015
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