Weekly Market Report 1. 為替相場概況

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Sep 14, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
今回のFOMCで利上げに踏み切るかどうかが最⼤の注目材料
USD/JPY (1週間の値動き)
リスクオフムード
後退に伴い、
円安進⾏
日経平均の上昇幅が
前日比1,000円超
コメント
(出所)Bloomberg
先週の為替相場は、前週までの混乱からグローバル市場が落ち着きを取り戻す中、リスクオフの円買い圧⼒が後退。株式市場の反転とともに、
ドル円は120円台を回復し、⼀時121円台に乗せる場⾯も⾒られた。⼀⽅、ユーロドルは週を通して上昇。3日ECB理事会でインフレ⾒通し、
経済成⻑⾒通しを下⽅修正したことで追加緩和観測が強まり、⼀時ユーロ売り圧⼒が強まったものの、リスクオフムードの後退とともに値を戻し、
ユーロドルは1.13台を回復。ユーロ円は136円台後半まで上昇している。今週最大の注目イベントは16-17日に開催されるFOMCであるが、
今回利上げに踏み切るかどうかは不透明な状況。仮に利上げに踏み切った場合、ドル円は上昇すると思われるが、上昇幅についてはFedが
今後の利上げ判断についてどのようなスタンスを⽰すかに拠るだろう。
(市場営業部/淺川)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
9/15(火)
(米国)小売売上高(前月比)
0.3%
9/15(火)
(米国)NY連銀製造業指数
0.5
9/16(水)
(米国)CPI(前年⽐)
+1.9%
9/17(木)
(米国)フィラデルフィア連銀指数
6.0
9/17(木)
(米国)FOMC
-
9/18(⾦)
(日本)日銀会合議事要旨
-
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
牧野 剛
117.90-123.10
中国経済不安等を背景に今⽉の利上げは⾒送りか。仮に利上げを実施しても、株式市場の反応次第では円⾼進⾏も。
國井靖子
118.00-122.00
FOMCで利上げが実施されるかが最⼤の焦点。⾒送りの際も年内利上げへの期待継続から失望のドル売りは限定的か。
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Sep 14, 2015
2. 円⾦利相場概況
週を通じて⻑期⾦利は低下基調。今週はFOMCの結果次第か。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
与党議員からの
日銀追加緩和発言
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
週初、30年債⼊札(8⽇)を控えて、⽅向感の出難い展開でスタート。⼊札結果は好調(⼩さければ好調さを⽰すテール(落札価格
の最低と平均の差)は9銭)で、低調な国内経済統計も材料となり⻑期⾦利は0.36%を割り込んだ。週央には、日経平均株価が21
年ぶりの上げ幅(+1,343.43円)となり⻑期⾦利も0.37%程度まで上昇。週末にかけては、順調であった5年債⼊札(テール1銭)
や株の反落、与党議員からの追加緩和発言もあり再度低下基調となり、結果0.35%を割り込んで越週。
今週は注目のFOMC(16-17日)が控えており週初は動きが出難いだろうが、週後半にかけて⻑期⾦利は0.3%前半を目処に切り
下げる展開を予想。日銀決定会合(14-15⽇)では現状維持が予想されており波乱要因となり難いが、もしFOMCで利上げとなると
株安、ドル⾼・円安の流れから円⾦利は上昇基調となろう。16日の20年債⼊札は無難な結果を予想。
(市場営業部/山添)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.30%-
0.36%
0.31%-
0.36%
予想のポイント
世界的なリスクオフムードの強まりやFOMC控えた様⼦⾒はあるも国債⼤量償還による好需給から⾦利は低下傾向。
⽇銀追加緩和期待が⾼まる中、⽶利上げが⾒送りとなれば、円債市場には追い風となり、⾦利低下圧⼒が掛かりやすい。
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Sep 14, 2015
3. 今週のトピックス
ボラティリティ・インデックス(VIX)とドル円相場
先月VIX指数は一時50%を上回る水準まで上昇。
【図1】VIX指数
ボラティリティ・インデックス(VIX)とは
先月24日、VIX指数が終値ベースで約3年10か月ぶりの水準とな
る40%台、一時50%台(約6年半ぶり)を上回る水準まで上昇
した。VIX指数とは米国の主要株価指数「S&P500」を対象とする
オプション取引の値動きをもとにシカゴ・オプション取引所が算出して
いる数値であり、別名「恐怖指数」と呼ばれている。
(%)
VIX指数は通常10〜20%の範囲で推移
VIX指数は通常時10%〜20%の範囲で推移している。VIX指数
が30%を超える⽔準になると投資家の⼼理は不安が⾼まっている
状態とされており、今回のように40%を上回る状態は、所謂「パニッ
ク状態」と呼ばれている。今回約3年10か月ぶりに終値ベースで40
%を上回る⾼⽔準をつけたわけであるが、過去の例を挙げると、「ギリ
シャ国債デフォルト危機」や、「リーマンショック」をきっかけにVIX指数
は高水準まで上昇している。ちなみにVIXの史上最高値は2008年
10月24日につけた89.53%で、終値ベースは2008年11月20日
につけた80.86%となり、いずれも「リーマンショック」の影響を受けたも
のと思われる。
(ドル)
【図2】NYダウ
今回のVIX指数上昇の発端は中国発
今回の⼤荒れ相場の発端は中国⼈⺠元の⼤幅な切り下げ実施に
よるものであり、中国に端を発した株安が世界的な株安へと連鎖し
た。今年に⼊って⼀時125円台後半をつけたドル円に関しても中国
発の世界的な経済情勢不安をきっかけに下落基調となり、8月24
日には一時116円台前半をつける場⾯も⾒られた。
現在もVIX指数は20%台超の水準で推移
ドル円相場は現在(2015/9/14、東京時間午前9時時点)、
120円台半ばから後半で推移しており、⼀時に⽐べればやや落ち着
きを取り戻したように思われる。但し、現在もNYダウ平均株価、日
経平均株価ともに荒い値動きを⾒せており予断を許さない状況だ。
⽶国の利上げに関してもこれまでは年内利上げが既定路線と⾒られ
てきたが、その⾒⽅をやや不安視する動きも⾒られるようになってきた
。VIX指数は現在も20%台を上回っており、通常時よりもやや高い
水準で推移している。⽶国年内利上げ先送り等、世界的な経済⾒
通しに対する不安感が⾼まってくれば、ドル円も⼀時的にドル安・円
高方向へ大きく振れる可能性も想定されよう。
(市場営業部/山本)
【図3】米ドル円
(円)
( 出所 Bloomberg )
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Sep 14, 2015
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