Weekly Market Report - Sep 28, 2015(PDF:669KB)

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Sep 28, 2015
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
ドル円相場は方向感の乏しい展開。米国の経済指標に注目が集まる。
USD/JPY (1週間の値動き)
イエレン議⻑
年内の利上げが
適切と発言
(出所)Bloomberg
コメント
先週のドル円相場は、東京市場が休場となった週初3日間は119円台半ばから120円台半ばでの小幅な推移に留まった。その後は中国を
はじめとする新興国経済への不透明感が意識されリスクオフの流れから円⾼に振れるも、イエレンFRB議⻑が年内利上げが適切であると発言
したことや米国GDPが好調であったことを受けてドル円は上昇に転じ、結局120円台半ばで越週している。
今週は米国でPCEコア価格指数や雇用統計など重要指標の発表が相次ぐ。年内利上げが意識される中で、雇用の改善が比較的順調に
⾒える一方、物価上昇率がやや鈍化傾向にあるためPCEコア価格指数には注目したい。
(市場営業部/川口)
USD/JPY(1年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
9/28(月)
(米国)PCEコア価格指数(前年比)
1.3%
10/1(木)
(日本)日銀短観
-
10/1(木)
(中国)製造業PMI
-
10/1(木)
(米国)ISM製造業景況指数
50.6
10/2(⾦)
(米国)非農業部門雇用者数変化
200千人
10/2(⾦)
(米国)失業率
5.1%
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
⾼野一歩
119.00-122.00
内外の今週の重要指標発表を経て、日米⾦融政策のスタンスの違いが明確化してくれば円安進⾏が進む可能性⾼い。
國井靖子
118.50-122.50
期末のフローやFRB要人の発言等で上下動するも、米雇用統計の結果を確認するまでは方向感出ず、レンジ相場と予想。
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2. 円⾦利相場概況
追加緩和めぐり、10年債利回りは0.3%割れも有り得る展開。
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
海外⾦利低下
の影響
10年債利回り
需給引き締まり
動意薄
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の10年債利回りは、国内連休中に海外⾦利が低下した流れを受けてスタート。FOMCを終え⼿掛かり材料に⽋ける中、日銀による
大規模な買い⼊れが継続していることや期末要因もあり、現物の需給が引き締まった状態で動意薄の展開となった。24日(木)は2014
年4月14日以来、約1年5ヶ月ぶりに新発10年債(340回)の取引が成⽴せず。25日(⾦)は流動性供給⼊札で国内勢とみられる
買いが⼊り、堅調に推移した。10年債利回りは約5ヶ月ぶりの水準となる0.32%まで低下し、国内の週の取引を終えた。
25日(⾦)の米国市場でイエレンFRB議⻑が年内利上げの可能性を改めて⽰唆したことから海外⾦利は上昇しており、週明けの国内
10年債利回りも上昇して始まりそう。一方、10月1日(木)には日銀短観が公表される予定で、景気判断が悪化した場合には追加緩和
期待が⾼まり、10年債利回りが約5ヶ月ぶりの0.3%割れとなる場面も有り得るだろう。
(市場営業部/⾼橋 敦)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(1年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
後藤賢太郎
伊⾖浦有⾥恵
今週のレンジ
0.30%-
0.36%
0.29%-
0.35%
予想のポイント
経済指標の下振れリスクも意識される等リスクオフムードは収まらず日銀の追加緩和期待が⾼まり易いことから⾦利は低下傾向。
景気不透明で追加緩和期待⾼まる中、⻑期ゾーン中⼼に国内外の投資家の需要が⾒込まれるか、10年債⼊札に注目。
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3. 今週のトピックス
米国の年内利上げの可能性・タイミングについて
条件付ながら12⽉の利上げ開始か?
今年6月のFOMCのイエレン議⻑による「年内利上げ」のコメ
ントを受け、以降イベント・経済指標の発表の都度、利上げ
の開始時期について議論されてきたが、今月16日・17日の
FOMCでも「中国などの海外経済と⾦融市場の動向」を理由
に利上げ開始が⾒送られた。
そこで今回は、今月のFOMCで公表された「FOMCメンバー
による政策⾦利の⾒通し(通称:ドット・チャート)」や以降
のFRBメンバーの発言を交え、年内利上げの可能性・タイミン
グについて述べたい。
ドット・チャートとは
FOMCメンバーが予想する各年末時点の政策⾦利をプロッ
トしたもの(3月、6月、9月、12月のFOMCで公表)。下
図は、前回FOMC(6月17日時点)と今回FOMC(9月
17日時点)とのドット・チャートを比較したものであり、各中央
値を⾒ると全体的に前回6月のFOMCより弱気な⾒通しとな
っている。特に2015年末では0.625%から0.375%に下落
しているが、現状の政策⾦利が0-0.25%であることから、9月
17日時点でも引き続き2015年末までの利上げ開始が⽰唆
されていると考えられる。
9⽉のFOMC以降のFRBメンバーの発言
下表に今月のFOMC以降のFRBメンバーの発言を纏めた。
ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、ロックハート・アトランタ
連銀総裁以外は強気な発言となっている。特にイエレン議⻑
の発言に関しては年内利上げについて言及しており、引き続
き「雇用拡大」が重視されていることが確認できる。
12⽉のFOMCで利上げ開始か?
次回のFOMCは10月27日・28日であり、今回のFOMCか
ら約1ヶ月強の期間では「中国などの海外経済と⾦融市場の
動向」を⾒極めることは困難と考えられることから、10月の
FOMCでは利上げ開始は⾒送られるだろう。しかしながら、上
述したドット・チャートやイエレン議⻑をはじめとしたFRBメンバ
ーの発言を考慮すると、中国などの海外経済の低迷懸念が
払 拭 さ れ 、 ⾦ 融 市 場 が 落 ち 着 き を 取 り 戻 せ ば 、 12 月 の
FOMC(15日・16日)で利上げ開始が判断されると考えら
れる。
(市場営業部/山添)
【図】ドット・チャート:6月・9月時点の比較
(%)
【表】FRBメンバーの発言要旨
日付
発言要旨
9月19日 ブラード・セントルイス連銀総裁:
米⾦融当局が利上げで後⼿に回る明らかなリスク
がある。
〃
ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁:
FOMCの決定は、私の⾒方では際どいものだった。
〃
ラッカー・リッチモンド連銀総裁:
これ以上の利上げ⾒送りは、過去に機能していた
⾏動パターンから乖離することになるだろう。
9月21日 ロックハート・アトランタ連銀総裁:
1-2会合の利上げ先送りは大きなリスクにならず。
0.25ポイントの利上げが経済に著しい影響を及ぼ
すと考えていない。
9月23日 ロックハート・アトランタ連銀総裁:
(ゼロ⾦利維持に賛成票を投じたことについて)
警戒的なアプローチであり、賢明なリスク管理だっ
た。
9月25日 イエレン議⻑:
インフレが 引き続き安定的に推移し、米経済が雇
用拡大に向け⼒強い状態であれば、年内 に利
上げを開始する。
*灰色枠、⿊枠は各年の中央値 出所:FRB資料
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