【20161212】欧州金融政策・政治動向 _pptx

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Dec 12, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
今週はFOMC。利上げは織り込み済み。次回以降の利上げペースが⽰唆されるかに注目。
USD/JPY (1週間の値動き)
ECB理事会
コメント
(出所)Bloomberg
先週のドル円相場は、伊国⺠投票の影響が限定的に留まるとの⾒⽅から、5日NY時間で114.80円近辺までドル高が進んだものの、その後
の利⾷いやポジション調整の動きにより、再び113円後半まで下落。6⽇以降は114円前後の狭いレンジでの動きとなったが、⽶⾦利が低下
すると8日東京時間で113円前半まで円高が進んだ。同日欧州時間にECBの量的緩和の延⻑・減額が発表されると、ドル円は再び円安方
向へ。9日のNY時間では⽶⾦利の上昇を受け、115円前半までドル円は上昇した。
今週のドル円相場は13日、14⽇に⾏われるFOMCに注目が集まる。今回の利上げは織り込み済みであるが、2017年の利上げ回数が市
場予想(2回)を上回るペースが⽰唆されるかどうかが焦点。また⽶⼤統領選以降、⽶⾦利はスティープ化が進んでいた中で、ECBの「量的緩
和延⻑・減額」はグローバルに⾦利上昇圧⼒が強まる結果となっている。⽶⾦利の上昇が、当⾯のドル⾼を下⽀えする展開となるだろう。
(市場営業部/吉岡)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
12/13(火)
鉱工業生産・小売高(中国)
-
12/14(水)
小売売上高(米国)
+0.3%
12/15(木)
消費者物価指数(米国)
+0.2%
12/15(木)
経常収支(米国)
12/16(⾦)
住宅着⼯件数(⽶国)
1230K
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
川合隆⾏
113.50-117.00
今週のFOMCで来年の利上げペースが年3回⾒通しへと上⽅修正されれば、更なるドル⾼円安⽔準に進む可能性あり。
國井靖子
113.00-118.00
FOMCでの利上げは確実視されているため週後半は材料出尽くしで利益確定売り強まる可能性も。⽶株価動向に注意。
1
Dec12, 2016
2. 円⾦利相場概況
グローバルな⾦利上昇継続、1年ぶりの⽶利上げへ
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
30年債⼊札不調
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の円⾦利相場は6日(火)流動性供給入札、8日(木) 30年入札が共に低調な結果となり需給環境の悪化から超⻑期セクターを中
心に軟調な展開となった。週末10年債利回りは前⽇のECBでの債券購⼊期間の延⻑と⽉間資産買い⼊れの縮小を受けて欧米の国債が
売られた流れを引き継ぎ、0.060%台(日銀イールドカーブ・コントロール政策下での最高値を更新)に上昇する場面があった。今週は1314日のFOMCでは⽶国利上げがほぼ確実視されており景気⾒通しやドットチャートが⽰す2017年の追加利上げペースに注目が集まる。
FOMCまでは⾦利上昇しやすい地合いとなろうが、その後は利上げペースが想定内であった場合は材料出尽くし感から⾦利上昇は⼀旦ピー
クアウトしよう。10年債利回りが0.1%を試す局面では日銀による指し値オペによって⾦利上昇圧⼒を抑制する可能性がある。⽶利上げ観
測やトランプノミクス期待からグローバルに⾦利上昇しており、このような中での15日(木)20年債⼊札には警戒感が残る。
(市場営業部/土橋)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
小野口裕美子
今週のレンジ
0.03%-
0.08%
0.01%-
0.10%
予想のポイント
先週末の米債軟調につられて本邦債券市場も軟調な地合になりやすいが、まずはFOMCの結果出るまでは神経質な展開。
市場予想通り米FOMCで利上げ実施となるかが最⼤の注目ポイント。ただし⾦利上昇は既に織込済の可能性も。
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3. 今週のトピックス
欧州⾦融政策・政治動向
⾦融緩和継続も、欧州政治情勢が重⽯となる
ECB理事会では資産買⼊プログラム延⻑が決定
12月8日のECB理事会では来年3⽉に終了予定であった資産
買入プログラム(APP)の来年12月までの延⻑が決定された。
一方、買⼊⾦額については現状の⽉額800億ユーロから、4月
以降600億ユーロに減額されることが発表された。また、APPの買
入条件が緩和され、1月2⽇以降は買⼊対象期間の下限が残
存2年から1年に拡大されたほか、必要な範囲内で中銀預⾦⾦
利(-0.40%)以下の債券の買入も可能になった。買⼊⾦額の
減額となったものの、ドラギ総裁は記者会⾒にて「今回の会合で
はテーパリングの議論はなされていない」と答えている。直後のマー
ケットの反応は対ドルでユーロ高に動いたが、詳細がわかると次第
にユーロは下落した。また、債券は買入減額により需給が緩むと
考えられる⻑期・超⻑期ゾーン中⼼に売られた⼀⽅、買入条件
の緩和を受け中短期ゾーンが買われることでカーブはツイストスティ
ープした。今回、2019年度のマクロ環境⾒通しも発表されたが、
インフレ率の⾒通しは1.7%と、⾒通しの最⻑期間においても
ECBの政策目標である2%近辺を達成していない。今回の期間
延⻑と規模縮小のセットは技術的な買入額の限界とECB内のタ
カ派に配慮した結果であり、ECBが⾦融引き締め⽅向に⼤きく舵
を切ったわけではないと考える。
【図1】 ECB ユーロ圏経済・インフレ⾒通し
GDP
HICP
コア
HICP
2016
1.7
(1.7)
0.2
(0.2)
0.9
(0.9)
(%)
2017
2018
2019
1.7
1.6
1.6
(1.6)
(1.6)
(-)
1.3
1.5
1.7
(1.2)
(1.6)
(-)
1.1
1.4
1.7
(1.3)
(1.5)
(-)
※( )内は9月時点の見通し
(出所:ECB)
【図2】 ヨーロッパ各国のEU好感度調査
欧州政治動向
ECBの決定により⼗分な⾦融緩和環境が来年も継続することが
確認できた。⾦融緩和により時間を稼ぎながら財政支出拡大・
規制緩和等のポリシーミックスによる景気刺激を望みたいところだ
が、ユーロ圏の財政に対する規律は引き続き高く、大規模な財政
政策への期待は薄い。更に来年は主要国の選挙等が相次いで
予定されており政治的な混乱もユーロ圏経済停滞のリスク要因と
して考えられる。
12月4日にはイタリアの上院の権限縮⼩に対する国⺠投票が実
施された。60%近い「NO」の投票結果を受け、レンツィ首相は辞
任に追い込まれ、今後の政治動向が注目される。2018年までに
は伊議会選挙が実施されることとなるが、下院の選挙法(最も多
い票を得た政党に大きな権限を与える制度)を改正できず、解散
総選挙になれば近年⽀持率を上げてきているポピュリスト政党
「五つ星運動」の台頭による政治的混乱も考えられ、蓋然性の
高いリスクとして意識されている。
その他、近年EUへの信頼性の低下を背景に各国与党の⽀持率
低下が目⽴ってきており、ポピュリスト政党の台頭が目⽴つ。足許
政治動向を意識してドイツ対⽐でフランスのCDSスプレッドはワイ
ド化してきており、既にフランスについては政治リスクを織り込む状
況となっている。
(出所:Pew Research Center)
【図3】 各国のCDS推移(ドル建て)
今後の重要な政治日程(予定)
・2017年3月
・2017年4月-5月
・2017年6月
・2017年8月-10月
オランダ総選挙
フランス⼤統領選挙
フランス国⺠議会選挙
ドイツ連邦議会選挙
(出所:Bloomberg)
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