地歴公民(日本史) 一橋大学 (前期) 1/1 <全体分析> 試験時間 120 分 解答形式 論述形式 分量・難易(前年比較) 分量(減少・ 変化なし ・増加) 難易(易化・ 変化なし ・難化) 分量は大問3題「400 字×3題」で例年通り。 難易度は、全体として変化なし。ただし、昨年度は大問3問とも標準であったが、本年度は大問ごとに難易度の 傾斜が見られた。 出題の特徴 Ⅰは、昨年度は近世に限定した問題であったが、本年度は古代~近世のテーマ通史に戻った。また、Ⅱ・Ⅲでは 従来の近代前半と近代後半・現代という時期区分が最近崩れつつあり、本年度もⅢで明治期から戦後期までのテー マ史のかたちになっている。 その他トピックス はじめて 1990 年代についての設問が登場した。 <大問分析> 番号 出題形式 出題分野・テーマ Ⅰ 論述 古代~近世の法制 史 Ⅱ 論述 工場法制定の背景 と問題点<史料> Ⅲ 論述 近現代の政党 コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 難易度 問1の古代の律令、問3の中世の御成敗式目は、いずれも基 本事項として解答できる。問2の「郡司の役割や地位の変化」 については、一橋大受験生ならばある程度の解答が可能であ ろう。問4では、公事方御定書を答えるのは容易だが、相対 済し令との関連や「江戸幕府の司法政策の特徴」をどのよう に捉えるのかが難しい。 問1では教科書に『職工事情』の「内容」に関する記載がな く、受験生には難しい。問2では工場法の問題点をどこまで 具体化するかに、多くの受験生は悩んだであろう。問3では、 「当時の産業構造の特徴」を貿易構造も含めて考えないと、 解答が作成しにくい。どの設問も、字数の配分に悩んだ受験 生が多かったと思われるが、必ずしも難度が高いわけではな い。 問1の短答問題、問2の松方財政の政策、問3の治安維持法 の目的は、いずれもオーソドックスな設問で高得点が可能で ある。問4の改憲阻止のための議席確保についても、一橋大 受験生には容易であったはず。問5は時期的に従来の出題範 囲を超えた設問だが、内容としては平易。大問全体として易 しい問題なので、ここで失点すると苦しい。 やや難 標準 やや易 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断しています。 <学習対策> 一橋大学の日本史は難度が高く、教科書を中心とする表面的な知識だけでは高得点をとりにくいものが多い。しかし、 出題されるテーマは毎年ほぼ一定の範囲内に限定されているので、過去問の研究は不可欠である。前近代ではテーマ 設定が社会経済史から外交史や文化史へも出題が広がりつつあるが、近現代では明治・大正期における寄生地主制や 資本主義の発達、15 年戦争~戦後期の政治・外交・経済などを軸とする問題に集中する傾向にあるから、それら頻出 テーマに対する理解を深めておくと良いであろう。 © 河合塾 2016 年
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