一橋大学 (前期) 1/1 <全体分析> <大問分析> <学習対策

地歴公民(世界史)
一橋大学 (前期) 1/1
<全体分析>
試験時間 120 分
解答形式
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲいずれも論述式
分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化)
大問3題、総文字数 1200 字は変化なし。
出題の特徴
Ⅰは欧州の中世史、Ⅱは近世・近現代史、Ⅲは近現代のアジア史の枠組みは変わらなかった。
昨年に続き「考察」させる問題が出題された。昨年はⅡであったが、本年はⅠで出題された。知識を前提として思考力を
問う形式の問題が定例化しつつある。第二次世界大戦後をテーマとする問題は、昨年はⅡで、本年はⅢで出題された。
その他トピックス
Ⅰは一部古代に関する問題であった。主題は中世都市であるが、紀元前に言及する問題は 1980 年代にさかのぼって
も例がない。Ⅲは例年 200 字・200 字などに分割されて数題出題されるが、今回は昨年につづき分割されず 400 字の問
題となった。この形式が固定化されるのか注目する必要がある。
<大問分析>
番号
出題形式
Ⅰ
論述
Ⅱ
論述
Ⅲ
論述
出題分野・テーマ
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
難易度
中核となった市民が、ギリシア・ポリスでは農民であるとともに兵
ギリシア・ポリスと欧
士であったこと、中世都市では商人や職人であったことを指摘し
州中世都市
たうえで、両者の特徴を勘案しながら対比していく。
問題文中にある、フランス大聖堂の建設開始の年代・聖ヘートヴ
ィヒ聖堂の建設の年代が、それぞれルイ 14 世のナントの王令廃
止(1685)、オーストリア継承戦争開始(1740)と関係していること
ベルリンの二つの
に気づく必要がある。聖ヘートヴィヒ聖堂の「一応の完成」が第1
大聖堂
回ポーランド分割の翌年にあたることも、ヒントになっている。また
シュレジエンの地理的位置への理解も必須であるが、住民の多
数がポーランド系であるというのは厳しかっただろう。
朝鮮戦争勃発までの経緯と、その影響について論ずべき分量の
朝鮮戦争と中国情
バランスに注意したい。戦争の細かい経過の記述で字数を稼ぐこ
勢
とは避けたい。
やや難
やや難
標準
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断しています。
<学習対策>
Ⅰ・Ⅱともに思考力を問う問題が定番化しつつある。歴史的に思考するためには、時代・地域に対する深い理解が必要とな
るので、基本となる歴史的事実については早めに仕上げ、十分な時間をとって対策に努める必要がある。Ⅲは中国史・朝
鮮史に関する出題がつづいているが、南アジア・東南アジアなどにも出題実績がある。学習範囲に見落としがないように心
がけよう。
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