地歴公民(日本史) <全体分析> 早稲田大学 法学部 1/1 試験時間 60 分 解答形式 マーク式 21 問 (語句選択6問 正誤判定 12 問 年代整序3) 記述式 19 問 計 40 問 分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化) 大問数 4 題、設問数 40 問は昨年度と変わらず。語句選択問題が4問から6問に増加したのに対し、正誤判定問題が 17 問から 12 問に減少した。2014 年度に出題されず昨年度に復活した年代整序問題が、本年度も3問出題された。昨年度よ りも正誤判定問題が減少し、未見史料問題も取り組み易かったこともあり難度は低くなった。 出題の特徴 時代配分は前近代 2 題・近代 1 題・近現代 1 題で昨年度と同じ。未見史料問題と早稲田大学の他学部と比べて記述式 が多いことが早稲田大学法学部の特徴である。 その他トピックス 早稲田大学法学部の特徴であった「正しいものを2つ選べ」という出題がなかった。 <大問分析> 番号 出題形式 出題分野・テーマ コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 難易度 天平文化・弘仁貞観文化期の仏教・仏教美術史と桓武・嵯峨朝の 記述 政治を扱った問題で、早稲田大学に限らず多くの大学で出題さ 奈良・平安時代前 Ⅰ 正誤判定 れる頻出テーマである。問2の「法華寺十一面観音像」と問3の 標準 期の政治と仏教 「高野新笠」がやや難。問6のえの短文中「蔵人所」の長官は制度 語句選択 上では別当だが、蔵人頭も長官とみなされているので正しい。 昨年度は出題されなかった前近代テーマ史の問題である。一部 記述 鎌倉~江戸時代の 史料(永仁の徳政令・正長の土一揆・相対済し令・棄捐令)を使用 正誤判定 徳政-貨幣経済の しているが、いずれも頻出史料である。問4はやや難。いの文中 Ⅱ やや難 語句選択 浸透と武士・庶民の の「悪党」の主たる活動時期は、徳政一揆の発生時期とは異なる ので誤りである。問9は難。いの文中の「赤子養育法」は寛政の改 年代整序 窮乏《一部史料》 革期に東北諸藩で発せられているので正しい。 早稲田大学法学部で頻出の近代未見史料問題。日記や社説の 短文史料を使用する形式はほぼ例年出題される。本年度は計 10 吉 野 作 造 の 日 記 本の短文史料で構成されているが、いずれも史料中にキーワー 記述 《史料》-大正末期 ドが明示されている。さらに設問をヒントにすれば時代の特定お Ⅲ 正誤判定 標準 ~昭和戦前期の国 よび各設問の解答を導き出せる問題が多い。問3はやや難。う 年代整序 の「挙国一致内閣」が正しく、政党のみに基盤をおいたように読 内情勢 めるいは誤りである。また問7「安部磯雄」・問9「小説神髄」などを 正確な漢字で書くことができたであろうか。 電力を中心とするエネルギーを巡る諸問題の変遷を扱う。問1・ 4・7の正誤判定問題は一見難問に見えるが、落ち着いて短文一 記述 明治後期~現在ま つ一つを吟味すれば正解を導き出せるはずである。とくに問4は Ⅳ 正誤判定 でのエネルギーを やや易 あいえおが戦後の民主化期で、うのみが占領政策の転換期で 年代整序 巡る諸問題 ある。問7もあえから 55 年体制の成立期と判断し、池田勇人内閣 時のうを選びたい。 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断してい ます。 <学習対策> 基本的な設問の完答を目指しつつ、過去に出題実績を持つテーマ・設問の範囲で得点できれば、難問を少々取りこぼした としても、合格ラインをクリアすることは容易であろう。合格するためには、教科書の脚注・コラム・写真の説明・地図に至るま で徹底した学習が必要であるのは言うまでもないが、他学部も含む過去問研究を行うことも重要である。過去問研究を行う ことで、法学部で出題される「未見史料」を使用した問題や正誤問題に対処できる学力を構築できるようになるはずである。 また、時事問題も出題されるため、最近の話題にまで視野を広げて学習してもらいたい。 © 河合塾 2016 年
© Copyright 2024 ExpyDoc