全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年2月18日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年2月18日
予報期間:2月20日~3月19日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1)特に注意を要する事項
沖縄・奄美では、期間のはじめは降水量の多い状態の続く所がある見込みです。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。東・西日本日本海側
では平年と同様に曇りや雨または雪の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側では、平年に
比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
(3)確率
気温(%)
1か月
降水量(%)
日照時間(%)
降雪量(%)
少 並 多
少 並 多
少 並 多
1か月
低 並 高
北日本
20:40:40
北日本日本海側
北日本太平洋側
20:30:50
10:40:50
40:40:20
50:30:20
30:40:30
東日本
10:40:50
東日本日本海側
東日本太平洋側
30:40:30
20:40:40
40:30:30
40:40:20
50:40:10
西日本
30:30:40
西日本日本海側
西日本太平洋側
30:40:30
20:40:40
30:30:40
40:40:20
沖縄・奄美
40:30:30
沖縄・奄美
20:40:40
40:30:30
1週目(%)
2週目(%)
3~4週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:40:50
20:50:30
30:30:40
東日本
10:40:50
20:40:40
20:40:40
西日本
20:50:30
30:50:20
30:40:30
沖縄・奄美
30:50:20
40:40:20
30:40:30
気温
最近1週間の天候経過
最近1週間(2/11~2/17)は、期間のはじめは大陸から高気圧が移動し、太平洋側だけではなく、
東・西日本日本海側でも晴れた日があった。13日から14日にかけては低気圧が発達しながら日本海
から千島近海へ北東進し、全国的に荒れた天気となり、特に北日本では大荒れとなった。低気圧に
向かって南から暖かい空気が流れ込み、北・東・西日本では顕著な高温となった一方、北海道地方
では低気圧の通過後に強い寒気が流れ込み、暴風雪や大雪となった所があった。期間の終わりにか
けては、全国的に寒気が流れ込み、北・東・西日本日本海側では曇りや雪または雨、沖縄・奄美で
曇りや雨となった一方、太平洋側では概ね晴れた。
気温は全国的に平年を上回り、北・東・西日本では平年を大幅に上回った。降水量は全国的に平
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年を上回った。日照時間は、全国的に平年を下回った。
予報資料の解釈
●1か月(2/20~3/18)
・ 500hPa 高度は、シベリア沿いの波列により、西シベリア(60°E~90°E 付近)で正偏差、沿海州
付近で負偏差の予測。また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北も負偏差となっ
ている。一方、亜熱帯ジェット沿いの波列により、華南付近で相対的に低く、日本の南東海上
を中心に正偏差の予測。
・ 海面気圧は、日本付近が全体に正偏差であるなか、日本の東とシベリアから華南で特に正偏差
が大きい予測。日本の東で高気圧が日本の東で強まりやすいことや、シベリア高気圧の大陸東
岸への張り出しが強まる時期があることが見込まれる。
・ 850hPa 気温は、日本の南東海上は正偏差の一方、日本の西と北は負偏差の予測。日本付近では
東日本で正偏差の予測。一方、北・西日本で偏差ゼロ線近傍、沖縄・奄美では弱い負偏差の予
測だが、日本の東で高気圧の勢力が強いことによる下層暖気移流のため地上ではこれより低温
傾向は不明瞭となる見込み。熱帯の対流活動は、エルニーニョ現象を背景として太平洋中部か
ら東部で活発な一方、インドネシア付近(海洋大陸)で不活発な予測。海洋大陸の対流不活発
は、亜熱帯ジェット沿いの波列(東シナ海付近で相対的に低く、日本の南東海上の大きな正偏
差)に寄与していると見られる。
●1週目(2/20~2/26)
・ 500hPa 高度は、シベリア沿いの波列により、西シベリアで正偏差、沿海州付近で負偏差の予測。
また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北も負偏差となっている。一方、亜熱帯
ジェット沿いの波列により、華南付近で負偏差、日本の南東海上で正偏差の予測。これらの偏
差パターンは、1か月平均と似ているが、特に日本の南東海上で正偏差が明瞭。このため、偏
西風は日本の西で南寄り、日本の東で北寄りに蛇行しやすく、日本付近ではじょう乱が発達し
ながら通過しやすいことが考えられる。
・ 海面気圧は、日本付近が全体的に正偏差であるなか、日本の東とシベリアで特に正偏差が大き
く、日本付近は相対的に低く、気圧の谷になりやすい見込み。日本の東で高気圧の勢力が強い
ことで日本付近は南から湿った気流が入りやすく、日本付近は多雨傾向の予測(降水量正偏差
域)。
・ 850hPa 気温は、日本の南東海上を中心に正偏差で、北・東日本も正偏差域に入る予測。一方、
西日本と沖縄・奄美は負偏差の予測だが、下層暖気移流のため地上ではこれより低温傾向は不
明瞭となる見込み。
・ 以上から、西日本日本海側で平年同様の天候を見込むほかは、低気圧や前線、気圧の谷の影響
で多雨・寡照傾向の見込み。
 想定される天候
・ 北日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多
い。
・ 東日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多
い。
・ 西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。
・ 北・東・西日本太平洋側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
●2週目(2/27~3/4)
・ 500hPa 高度は、日本付近が全体的に正偏差であるなか、亜熱帯ジェット沿いの波列により華南
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・
・
・
・
・
付近は相対的に低く(200hPa 流線関数の負偏差)、日本の南東海上で正偏差が大きい予測。ま
た、寒帯前線ジェット沿いの波列により沿海州付近の高度は相対的に低い予測。
なお、日本付近で1週目に比べ全体的に高度場が高いことは、後述のように気圧が高いことが
反映しているためで、下層温度場が高い予測となっていないことに留意。
また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北は高度が低い予測。日本の南東海上を
中心に高度が高いことと関連して、偏西風は40°N 帯で強く(200hPa 流線関数の南北勾配が大き
い)、この緯度帯ではじょう乱の活動はある程度活発なことが見込まれる一方、降水量は日本
付近では全体的に負偏差の予測。このため、北日本周辺ではじょう乱の活動は活発な一方、そ
れより南ではじょう乱の活動が弱まる時期があると見込む。
850hPa 気温は、日本付近では東日本で正偏差ゼロ線近傍のほかは負偏差域に入る予測。
海面気圧は、日本付近が全体的に正偏差であるなか、東シナ海付近にかけて正偏差が大きい予
測。
以上から、北日本はじょう乱の影響で多雨・寡照傾向を見込む。北日本太平洋側と東日本は平
年同様の天候を見込む。西日本では下層寒気場であるものの高気圧に覆われやすい時期がある
ことを見込み、日本海側で多照傾向、太平洋側は平年同様の天候を見込む。沖縄・奄美は平年
同様の天候を見込む。
 想定される天候
・ 北日本では、低気圧や気圧の谷の影響で、日本海側では平年に比べ曇りや雪または雨の日
が多く、太平洋側では平年に比べ晴れの日が少ない。
・ 東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。
・ 東日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
・ 西日本では、冬型の気圧配置は長続きせず、日本海側では平年に比べ曇りや雨または雪の
日が少ない。太平洋側では平年と同様に晴れの日が多い。
・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(3/5~3/18)
・ 500hPa 高度は、日本付近が全体的に正偏差であるなか、亜熱帯ジェット沿いの波列により、華
南付近で相対的に低く(200hPa 流線関数の負偏差)、日本の南東海上で正偏差が大きい予測。
・ オホーツク海北部は高度場が低く、日本の北も負偏差の予測。また、シベリア沿いの波列に関
連して、バイカル湖の西は正偏差の予測で正の高偏差確率も予測されている一方、沿海州付近
では相対的に低いパターンは続く予測。ただし、シベリア沿いの波列に関してはスプレッドが
大きく、不確実性が大きいことも考慮する。
・ 海面気圧は、日本の南東海上を中心に正偏差の予測。また、シベリアから中国大陸でも気圧が
高く、シベリア高気圧が強まる時期がある可能性も考慮する。
・ 850hPa 気温は北日本で偏差ゼロ線近傍、東日本以南は弱い正偏差の予測。ただし、日本の南東
海上で高気圧の勢力が強いことが北・東日本を中心に高温に寄与する可能性や、シベリア高気
圧が中国大陸へ張り出すことで西日本や沖縄・奄美の高温傾向を緩める可能性も考慮する。
・ 以上から、北・東・西日本太平洋側では低気圧や気圧の谷の影響を受けやすく多雨・寡照傾向
を見込む。北・東・西日本日本海側と沖縄・奄美では平年同様の天候を見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
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気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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