全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年7月14日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年7月14日
予報期間:7月16日~8月15日 気象庁地球環境・海洋部
(1) 特に注意を要する事項
北日本では、期間の前半は気温がかなり低くなる所がある見込みです。沖縄・奄美では、期間の
前半は気温がかなり高くなる可能性があります。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本では、期間の前半は、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。期間の後半は、天気は数
日の周期で変わりますが、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。東日本日本海側では、期間の
前半は平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。期間の後半は、平年と同様に晴れの日が多いでし
ょう。東日本太平洋側と西日本では、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・奄美では、平
年に比べ晴れの日が多いでしょう。
(3) 確率
気温(%)
1か月
降水量(%)
日照時間(%)
少 並 多
少 並 多
1か月
低 並 高
北日本
50:30:20
北日本日本海側
北日本太平洋側
20:40:40
20:40:40
40:40:20
50:30:20
東日本
40:30:30
東日本日本海側
東日本太平洋側
30:40:30
30:40:30
40:40:20
50:30:20
西日本
40:30:30
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
20:40:40
40:40:20
40:40:20
沖縄・奄美
10:20:70
沖縄・奄美
40:40:20
20:40:40
1週目(%)
2週目(%)
3~4週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
50:40:10
50:30:20
30:50:20
東日本
40:40:20
40:40:20
20:50:30
西日本
50:30:20
30:50:20
20:40:40
沖縄・奄美
10:30:60
10:20:70
10:40:50
気温
最近1週間の天候経過
最近1週間(7/7~7/13)は、梅雨前線が西日本から関東の南東海上に停滞することが多く、東日
本以西では曇りや雨の日が多かった。特に西日本太平洋側では雨の日が多く、九州を中心に大雨と
なった。北日本では、期間の前半は気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨となったが、期間の後半は梅
雨前線の北側の高気圧に覆われて概ね晴れた。沖縄・奄美では、期間の前半は湿った気流が流れ込
み曇りや雨の日が多く、7日から8日は沖縄の南の台風第1号の影響で先島諸島を中心に風雨が強ま
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った。期間の後半は太平洋高気圧に覆われて概ね晴れた。
気温は全国的に平年を上回った。降水量は、西日本と沖縄・奄美で平年を上回った一方、北・東
日本では平年を下回った。日照時間は、西日本と沖縄・奄美で平年を下回った一方、北・東日本で
は平年を上回った。
予報資料の解釈
・ 500hPa高度は、日本の北(50°N帯)で正偏差、本州付近で負偏差の予測で、日本付近は逆位相
の谷に位置する予測。これを受けて、3~4週目にかけても極東東西指数は負(低指数)が持続
する予測。一方、日本の南(30°N以南)は正偏差の予測。このため、亜熱帯高気圧の勢力は日
本の南では強いものの、本州方面への北への張り出しは弱い予測。
・ 200hPa流線関数偏差では、大陸から日本付近の40°N帯が負偏差で、その南側と北側が正偏差の
予測。このため、日本付近の偏西風は弱く南偏する傾向が見込まれる。
・ 海面気圧は、沖縄付近からフィリピンの東では高く太平洋高気圧に覆われやすい予測。また、
オホーツク海からカムチャツカの東も正偏差の予測。その間に位置する本州付近は負偏差で、
本州付近は前線の影響を受けやすいことが見込まれる。
・ 熱帯の対流活動は全体的に赤道から南半球側に偏り、インドから東南アジアのモンスーンの活
動は不活発な予測(200hPa 速度ポテンシャル)で、偏西風の南偏傾向に寄与していると考えら
れる。また、赤道季節内振動(MJO)は、2週目に海洋大陸付近を対流活発位相が通過する予測だ
が、赤道から南半球側で相対的に海面水温が高い分布を反映して、対流活動の活発化する領域
も赤道から南半球側に偏り、フィリピン付近で対流活発となる傾向は見られない。
・ 850hPa 気温は、日本の南海上を中心に正偏差の一方、北日本と東・西日本日本海側を中心に負
偏差の予測。
●1週目(7/16~7/22)
・ 500hPa 高度は、日本の北で高度が高く、カムチャツカ半島付近を中心にリッジが発達する一方、
本州付近の緯度帯は負偏差で、日本海が負偏差の中心。このため、日本付近は逆位相の谷に位
置する予測。一方、フィリピンの東(20°N 以南)では高度が高く、この領域では亜熱帯高気圧が
強い見込みだが、5880m 以上の領域は沖縄・奄美付近が北限で、亜熱帯高気圧の北への張り出
しは弱い。
・ 週間予報資料では、日本海中部に上層の気圧の谷が停滞する予測で、この影響は東・西日本を
中心に受けやすいことを見込む。
・ 海面気圧では、オホーツク海北部からカムチャツカ半島で正偏差の予測で、オホーツク海高気
圧の発生も見込まれる。一方、西日本から関東の南東海上は気圧が低く前線帯となる見込み。
前線帯をはさんだ南北の高気圧は強く、前線帯は顕在化しやすい。ただし、降水量は、前線帯
に近い西日本で多雨傾向であるものの、前線帯から離れた東日本では正偏差とはなっていない。
・ 850hPa 気温は、日本海を中心に北・西日本で-1℃以下の負偏差、東日本でも弱い負偏差の予
測。日本の南海上を中心に、沖縄・奄美は正偏差の予測。
・ 以上から、北日本太平洋側と東・西日本では寡照傾向(前線や湿った気流の影響のほか、東・
西日本では上空の気圧の谷の影響も加わる)、北日本日本海側と沖縄・奄美は平年同様の天候
を見込む。降水量は西日本太平洋側で多雨、東日本は少雨傾向、その他の地方は平年程度を見
込む。気温は、北日本で低温、東・西日本でも日本海側を中心に低温、沖縄・奄美は高い見込
み。
 想定される天候
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・
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
北日本太平洋側では、前線や湿った東風の影響で平年に比べ曇りや雨の日が多い。
東日本日本海側では、前線や気圧の谷の影響で平年に比べ曇りや雨の日が多い。
東日本太平洋側と西日本では、前線や気圧の谷の影響で平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い。
●2週目(7/23~7/29)
・ 500hPa 高度は、1週目に引き続き日本の北で正偏差の一方、本州付近は負偏差の状態が続く予
測。亜熱帯高気圧は、フィリピンの東(20°N 以南)では強い一方、北への張り出しは弱い。5880m
等高線は30°N 付近まで北上しており、1週目に比べると亜熱帯高気圧は少し北へ張り出す見込み
だが、平年よりは南寄り。
・ 海面気圧では、千島近海を中心に正偏差の一方、西日本から東日本の南岸にかけては負偏差域
が延び、この付近で前線帯が顕在化しやすい見込み。
・ 熱帯では、MJO に関わる対流位相が海洋大陸付近を進むタイミングだが、対流活動は赤道から
南側に偏っており(海面水温分布と整合的)、フィリピンの東では対流活動が抑えられ亜熱帯
高気圧が強まることが予測されている。これを受けて、負の PJ パターン的に本州南岸は気圧が
低くなりやすく、前線帯の北上が不明瞭な背景となっていると見られる。
・ 850hPa 気温は、北日本と東・西日本日本海側で負偏差の一方、日本の南海上を中心に沖縄・奄
美では正偏差の予測。
・ 以上から、沖縄・奄美では太平洋高気圧の勢力が強まる影響で多照傾向を見込む。その他の地
方は寡照傾向(前線や湿った気流のほか上空の気圧の谷の影響も加わる)の見込み。降水量は、
北から西日本で多雨傾向、沖縄・奄美では少雨傾向を見込む。気温は、北日本で低温、東・西
日本でも日本海側を中心に低温、沖縄・奄美は高く顕著な高温となる可能性もある。
 想定される天候
・ 北日本と東日本日本海側では、前線や気圧の谷の影響で平年に比べ曇りや雨の日が多い。
・ 東日本太平洋側と西日本では、前線や気圧の谷の影響で平年に比べ晴れの日が少ない。
・ 沖縄・奄美では、太平洋高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れの日が多い。
●3~4週目(7/30~8/12)
・ 500hPa 高度は、日本付近は正偏差だが、日本の北と南で高く本州付近が相対的に低い状態は続
く予測。日本の南海上を中心に高度が高く、亜熱帯高気圧の勢力は強い見込み。
・ 熱帯の対流活動が全体的に赤道から南半球に偏っていることに加え、海洋大陸が MJO の対流不
活発位相(200hPa 速度ポテンシャル正偏差)となり、インドから東南アジアのモンスーンも不
活発。このため、日本付近を流れる偏西風は南偏傾向が続く予測。
・ モデルでは、MJO の位相と関係なく境界条件として与えた実況で高い海面水温の影響でインド
洋から海洋大陸の赤道付近で対流活発となっている影響で、沖縄付近で下層高気圧性偏差、日
本の南東海上で下層低気圧性偏差の予測となっている。しかし、この海面水温正偏差に関連し
た応答は採用せず、偏西風が南偏して北日本付近に前線帯が顕在化しやすいことを見込む。
・ 850hPa 気温は、北日本付近は負偏差の一方、日本の南海上を中心に正偏差の予測。
・ 以上から、北日本では、前線や低気圧の影響で多雨・寡照傾向、東日本以南は平年同様の天候
を見込む。気温は、対流圏の全体的な高温傾向に加え亜熱帯高気圧が強いことから沖縄・奄美
で高温、西日本以西で高温傾向を見込むが、東日本以北は極東東西指数の低指数傾向を考慮(低
温に寄与)して平年並を見込む。
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 想定される天候
・ 北日本では、天気は数日の周期で変わるが、低気圧や前線の影響で平年に比べ曇りや雨の
日が多い。
・ 東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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