短期予報解説資料1 2015年 3月13日 15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①北海道には水蒸気画像の渦が あり、寒気トラフ(500hPa -36℃ 以下)に対応。北日本を中心に冬 型の気圧配置が続いており、 山沿 いでは多いところ 10cm/3h 前後 の積雪となっている。 ②オホーツク海から南西にのび る長波トラフの勢力圏の西端に 位置する中国東北区から朝鮮半 島にかけて、水蒸気画像では 2 つの寒気トラフ(500hPa -30℃以 下)が見られる。一つは朝鮮半島 付近を東南東進しており、 水蒸気 画像の暗域の広がりに対応。 この 前面で上中層雲域が広がってい る。 もう一つは中国東北区の水蒸 気画像の渦に対応している。 ③②の前者トラフの東進に伴って、西・東日本の日本海側沿岸ではライン状の対流雲域が発達中で、 発雷を多数検知。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①1 項②の 2 つの寒気トラフ接近で、東・西日本にのびる下層温度集中帯(850hPa 0~-6℃付近)が次第 に顕在化する。後者の寒気トラフの接近により、14 日朝には太平洋側で前線(850hPa 0℃付近)が発生 し、同日夜には前線上に低気圧が発生する見込み。一方、日本の南を東進する高気圧後面からの下層 暖湿流が強まって大陸で前線(850hPa 9~12℃付近)が発生、 15 日は東シナ海から次第に東にのびだす。 ②14 日にかけ、1 項②の 2 つの寒気トラフ通過に伴って大気の状態が不安定となる。東日本・西日本 では下層温度集中帯や前線周辺を中心に落雷や突風に注意。 ③15 日は、前線が東シナ海から西日本へのびだし、北日本にも上空寒気を伴った気圧の谷が近づくた め、日本付近は西から次第に天気が崩れる見込み。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新初期値の GSM を基本にする。②1 項②の後者の寒気 トラフが初期値毎に浅まる予想に変わってきており、この影響で太平洋側に発生する前線・低気圧の 発生やそのタイミングなどについて不確実性がある。③15 日の東シナ海の前線上の低気圧については、 対応するトラフが不明瞭で発生の位置やタイミングなどに不確実性がある。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雪ポテンシャル(18 時からの 24 時間):北・東日本の日本海 側 30cm ②波(明日まで):北日本・北陸・伊豆諸島・東海・近畿・山陰 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表する予定はない。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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