全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月3日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月3日
予報期間:3月5日~4月4日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
北・東・西日本では、期間のはじめは気温がかなり高くなる見込みです。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多いでしょう。北日本太平洋側では、
平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。東・西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでし
ょう。東・西日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少ない
でしょう。沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
(3)確率
1か月
気温(%)
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
少 並 多
少 並 多
北日本
10:30:60
北日本日本海側
北日本太平洋側
20:40:40
20:40:40
30:40:30
40:40:20
東日本
10:30:60
東日本日本海側
東日本太平洋側
20:40:40
10:30:60
30:40:30
50:30:20
西日本
10:30:60
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
20:30:50
30:40:30
40:40:20
沖縄・奄美
20:40:40
沖縄・奄美
20:30:50
40:40:20
1 週目(%)
2 週目(%)
3~4 週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:10:80
20:40:40
20:40:40
東日本
10:10:80
20:40:40
20:40:40
西日本
10:10:80
20:40:40
20:40:40
沖縄・奄美
20:40:40
20:50:30
20:40:40
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(2/25~3/2)は、日本付近は短い周期で低気圧と大陸からの冷涼な高気圧が交互に
通過し、2 月 29 日から 3 月 1 日は北海道付近を発達した低気圧が通過した。このため、全国的に天
気は数日の周期で変わったが、北海道では 2 月 29 日から 3 月 1 日にかけて、大雪や暴風雪となっ
た所があった。
気温は全国で平年を下回った。降水量は北日本、東日本日本海側で平年を上回り、東日本太平洋
側、西日本、沖縄・奄美で平年を下回った。日照時間は、北日本日本海側で平年を下回った他は、
平年を上回った。
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予報資料の解釈
●1か月(3/5~4/1)
・ 500hPa 高度は、日本の東海上で高度が高く、日本付近は西谷傾向。
・ 海面気圧は、日本の西で負偏差、日本の東で正偏差の所が多い。このため、冬型の気圧配置は
現われにくい。また、沖縄・奄美から日本の南海上で負偏差が見られ、日本の南海上で低気圧
の活動が活発となる時期がある見込み(以下の熱帯の循環場とも関連している)。
・ 850hPa 気温は、日本付近は全体的に正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、MJO は実況で南米北部付近にあるものと考えられる。1 週目にアフリカ付近、
2 週目にインド洋付近で、その後は不明瞭だが、太平洋に達すると考えられる。これに関連し
て、200hPa 速度ポテンシャルでは、太平洋中部~東部にかけてと、アフリカからインド洋で発
散偏差、海洋大陸から太平洋西部で収束偏差が見られる。また、熱帯の降水分布はインド洋や
太平洋で正偏差が予想されている。一方、ベンガル湾付近からフィリピンの東海上にかけては
負偏差が見られる。
・ 850hPa 流線関数偏差では、対流不活発に対応して、ベンガル湾からフィリピンの東海上で高気
圧性循環偏差、その北の日本の南から沖縄・奄美付近にかけては低気圧性循環偏差が見られる。
・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響で、沖縄・奄美付近で低気圧性循環偏差、本州
の東海上で相対的な高気圧性循環偏差が見られ、日本の東海上の下層高気圧偏差と対応してい
る。
●1週目(3/5~3/11)
・ 500hPa 高度は、日本の西で負偏差、日本の東で正偏差が見られ西谷傾向。
・ 850hPa 気温は、ユーラシア大陸東部で負偏差、日本付近から日本の東海上で正偏差で、東日本
では+3℃以上の正偏差。
・ 海面気圧は、日本付近は気圧の谷で、周期的に低気圧の影響を受けやすい。
・ 以上から、全国的に天気は数日の周期で変わり、南からの暖湿気流の影響を受けるため、全国
的に多雨傾向で、太平洋側を中心に寡少傾向。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。
北日本太平洋側では、気圧の谷の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
東・西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。
東・西日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わるが、低気圧や前線の影響で、平年に
比べ晴れの日が少ない。
・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
●2週目(3/12~3/18)
・ 500hPa 高度は、波列パターンが崩れて日本付近は東西に正偏差が広がるが、東シナ海付近や中
国東北区付近は正偏差が弱い一方、日本の東海上は正偏差が強く、日本付近は弱い西谷傾向。
・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響で、東シナ海付近で低気圧性循環偏差、日本の
東海上で高気圧性循環偏差が見られる。
・ 海面気圧は、大陸で負偏差、日本の東海上で正偏差が見られるため、冬型の気圧配置は弱く一
時的。
・ 850hPa 気温は、日本付近は全般に正偏差だが、日本付近は正偏差の弱い所が見られる。これは、
1週目の終わりから2週目初めにかけて日本付近に強い寒気が流れ込むことが影響していると考
えられる。
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・ 以上から、日本付近は一時的に強い寒気が流れ込むが長続きせず、7日間平均では全国的に平年
並から高温を見込む。天候は、全般に天気は数日の周期で変わる。また、日本の東海上で高気
圧偏差が大きく、南からの暖湿気流の影響を受ける北・東日本太平洋側では多雨・寡照傾向を
見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北日本太平洋側では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
東・西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。
東日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わるが、低気圧や前線の影響で、平年に比べ
晴れの日が少ない。
・ 西日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わる。平年と同様に晴れの日が多い。
・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(3/19~4/1)
・ 500hPa 高度は、日本付近は全般に正偏差。
・ 海面気圧は、本州の北で正偏差、本州以南で負偏差。
・ 850hPa 気温は、全般に正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、太平洋中部~東部で活発、ベンガル湾付近からフィリピンの東海上、海洋
大陸付近では不活発。
・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響が見られるが、日本の南海上で低気圧性循環偏
差が予想されている。これに対応して 850hPa 流線関数偏差でも、日本の南海上で低気圧性循環
偏差が見られる。これと海面気圧の負偏差が、日本の南海上から本州付近にかけて予想されて
いることと関係しているものと考えられる。
・ これらのことから、日本の南海上では低気圧の活動が活発となる傾向で、沖縄・奄美ではこの
影響を受けるが、その他の地方への影響は不明瞭。また、日本の北から日本の西にかけてはス
プレッドが大きく、不確定な所が大きい。広く高温偏差が予想されていることから、全国的な
高温傾向は採用する(ガイダンスよりは大幅に割り引く)。天候は、沖縄・奄美で多雨・寡照
傾向のほかは、ほぼ平年と同様を見込む。
 想定される天候
・
・
・
・
・
北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。
北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
東・西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。
東・西日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わる。平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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