全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月31日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月31日
予報期間:4月2日~5月1日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
北日本と沖縄・奄美では、期間の前半は気温がかなり高くなる見込みです。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
全国的に天気は数日の周期で変わるでしょう。北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多
いでしょう。東日本太平洋側、西日本では平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・奄美では、
平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。
(3) 確率
1か月
気温(%)
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
少 並 多
少 並 多
北日本
10:20:70
北日本日本海側
北日本太平洋側
40:30:30
40:30:30
30:40:30
30:40:30
東日本
10:20:70
東日本日本海側
東日本太平洋側
40:30:30
20:30:50
30:40:30
50:30:20
西日本
10:20:70
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
20:30:50
40:40:20
50:30:20
沖縄・奄美
10:30:60
沖縄・奄美
20:40:40
40:40:20
1 週目(%)
2 週目(%)
3~4 週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:10:80
10:20:70
20:40:40
東日本
10:10:80
10:30:60
20:40:40
西日本
10:10:80
10:30:60
20:40:40
沖縄・奄美
10:30:60
10:40:50
20:40:40
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(3/24~3/30)は、大陸から日本付近に高気圧が張り出したため、全国的に晴れの日
が多かった。
気温は、北日本で平年を上回り、東・西日本と沖縄・奄美で平年を下回った。降水量は、全国で
平年を下回った。日照時間は、全国で平年を上回った。
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予報資料の解釈
●1か月(4/2~4/29)
・ 500hPa高度は、日本付近は広く正偏差で気圧の尾根。日本の東海上を中心に日本付近は正の高
偏差確率が見られるが、日本の北などにスプレッドの大きな領域が見られ、波列についての予
測精度は低いと考えられる。
・ 海面気圧は、ユーラシア大陸東部から日本付近にかけて負偏差、日本の東海上や日本の南で正
偏差。
・ 850hPa 気温は、日本付近は正偏差で北日本から西日本は+2℃以上の正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、太平洋中部から東部で活発、ベンガル湾からフィリピンの東海上で不活発。
MJO は、初期値では太平洋東部付近、その後の動きは不明瞭で、太平洋で対流活発な状態が続
く。
・ 200hPa流線関数偏差では、北半球側は全般に低気圧性循環偏差で、華南付近で低気圧性循環偏
差、日本の東で相対的に高気圧性循環偏差となる波列が見られる。
・ 850hPa 流線関数偏差では、インド半島付近からフィリピンの東海上にかけて高気圧性循環偏差、
日本の東でも順圧的に高気圧性循環偏差が予想されている。
●1週目(4/2~4/8)
・ 500hPa 高度は、日本付近は気圧の尾根で正偏差。
・ 850hPa 気温は、全国的に正偏差で、+3℃以上の正偏差の所が多い。
・ 海面気圧は、日本の西で負偏差、日本の東で正偏差、日本の東海上の高気圧偏差の周りを回る
暖かく湿った空気が本州付近に流れ込みやすい。
・ 東日本太平洋側、西日本では、低気圧や前線の影響を受け易く、晴れの日が少ない。北日本と
東日本日本海側では、平年と同様に天気は数日の周期で変わる。沖縄・奄美では、前線の南側
に入ることが多く、高気圧に覆われて曇りや雨の日が少ない。気温は全国的に高温で、かなり
高い所もある。
 想定される天候
・
・
・
・
全国的に天気は数日の周期で変わる。
北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
東日本太平洋側、西日本では、低気圧や前線の影響で平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れの日が多い。
●2週目(4/9~4/15)
・ 500hPa 高度は、日本付近は正偏差で西谷傾向。
・ 海面気圧は、日本付近は負偏差の所が多いが、日本の東やフィリピンの東では正偏差。中国東
北区から日本の北にかけて負偏差が大きく、寒帯前線ジェットに対応した北系の低気圧は日本
の北を通りやすい。
・ 850hPa 気温は、日本付近は全般に正偏差で、北・東日本で+2℃以上の正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、太平洋赤道域中部から東部で活発、ベンガル湾からフィリピンの東で不活
発。
・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響で、日本の西で低気圧性循環偏差、日本の東で
高気圧性循環偏差。200hPa 東西流偏差では、日本付近のジェットは分流傾向で、沖縄付近と日
本の北で西風偏差が強まっており、本州付近は相対的に弱風域が予想されている。
・ 850hPa 流線関数偏差では、対流不活発に対応してベンガル湾からフィリピンの東海上で高気圧
性循環偏差。日本の北を中心に低気圧性循環偏差。
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・ フィリピンの東海上で強まっている高気圧の周辺を回る暖湿気流の影響で沖縄・奄美から日本
の南海上で多雨傾向。また、日本の北でも多雨傾向が見られるが、本州付近はその間に入って
少雨傾向の予想。
・ 以上から、全国的に天気は数日の周期で変わるが、沖縄・奄美付近には南からの暖かく湿った
空気が流れ込みやすい(前線は1週目より南下して沖縄・奄美付近)。その他の地方の天候は
ほぼ平年と同様だが、東日本日本海側から北日本は少雨傾向。(北日本と東日本日本海側では
少雨の状態が続いている。1週目は平年程度の降水を予想するが、2週目は再び少雨傾向を予想
する。今後の状況に留意)。
・ また、沿海州付近の低気圧の暖域で本州付近は大陸からの暖かい空気が流れ込みやすい。
 想定される天候
・ 全国的に天気は数日の周期で変わる。
・ 北・東日本太平洋側、西日本では、平年と同様に晴れの日が多い。
・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(4/16~4/29)
・ 500hPa 高度は、日本付近は広く正偏差。ただし、スプレッドは大きい。
・ 海面気圧は、大陸から日本の西は負偏差、日本付近から東と日本の南は正偏差。
・ 850hPa 気温は、全国的に正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、ベンガル湾付近からフィリピンの東海上で不活発。
・ 200hPa 流線関数偏差では、ユーラシア大陸東部から日本の南にかけて広く低気圧性循環偏差。
・ 850hPa 流線関数偏差では、対流不活発に対応してアラビア海からフィリピンの東で高気圧性循
環偏差が見られ、その縁を回る暖かく湿った空気が本州南岸や沖縄・奄美付近に流れ込みやす
い。
・ スプレッドが大きいことから全般に平年に近づけるが、モデルの傾向は採用、天候は北日本か
ら東日本日本海側では平年と同様。東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美は、南からの暖湿気
流の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。気温は、全国的に平年並か高い。
 想定される天候
・
・
・
・
全国的に天気は数日の周期で変わる。
北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
東日本太平洋側と西日本では、低気圧や前線の影響で平年に比べ晴れの日が少ない。
沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で平年に比べ曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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