全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年2月25日 予報期間:2月27日~3月26日 気象庁地球環境・海洋部 全般季節予報 (1)特に注意を要する事項 北・東・西日本では、期間の前半は気温がかなり高くなる所がある見込みです。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北日本太平洋側では、 平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょ う。東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少 ないでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。 (3)確率 気温(%) 1か月 降水量(%) 日照時間(%) 降雪量(%) 少 並 多 少 並 多 少 並 多 1か月 低 並 高 北日本 20:30:50 北日本日本海側 北日本太平洋側 20:30:50 20:30:50 50:30:20 40:40:20 40:40:20 東日本 10:30:60 東日本日本海側 東日本太平洋側 30:40:30 20:40:40 30:40:30 40:40:20 50:40:10 西日本 10:40:50 西日本日本海側 西日本太平洋側 20:40:40 20:40:40 40:40:20 40:40:20 沖縄・奄美 20:40:40 沖縄・奄美 30:30:40 30:40:30 1週目(%) 2週目(%) 3~4週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 20:30:50 10:30:60 30:40:30 東日本 10:30:60 10:30:60 20:40:40 西日本 10:40:50 10:30:60 20:40:40 沖縄・奄美 30:50:20 20:40:40 30:30:40 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(2/18~2/24)は、日本付近では冬型の気圧配置は長続きせず、短い周期で低気圧や 気圧の谷が通過した。20日から21日は低気圧が日本付近を発達しながら北東進し、全国的に天気が 崩れ、東・西日本太平洋側では大雨、北日本では暴風雪や大雪となった所があった。低気圧の通過 前は南から暖かい空気が流れ込み北・東日本を中心に気温が平年を大幅に上回った一方、低気圧の 通過後は西日本を中心に寒気が流れこみ、22日頃にかけて気温が低くなった。 気温は北・東・西日本で平年を上回り、沖縄・奄美では平年と同値だった。降水量は東日本日本 海側で平年を下回ったほかは、平年を上回った。日照時間は、全国的に平年を下回った。 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 3 頁 予報資料の解釈 ●1か月(2/27~3/25) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット沿いの波列により、バイカル湖から沿海州付近で負偏差、日 本の東から千島近海で正偏差の予測。また、亜熱帯ジェット沿いの波列により、華南付近で相 対的に低く、日本の南東海上を中心に正偏差の予測。このため、日本付近は西谷傾向。 ・ 海面気圧は、中国東北区から日本海西部では負偏差で、さらに北海道付近へ正偏差の小さい領 域(相対的な負偏差域)が北東に広がっている。一方、日本の東を中心に正偏差が予測され、 高気圧の勢力が強まりやすいことが見込まれる。 ・ 850hPa 気温は、日本付近が全体的に正偏差の予測で、特に東日本から日本の東で正偏差が大き い予測。 ・ 熱帯の対流活動は、エルニーニョ現象を背景として太平洋の中部~東部で活発な一方、インド ネシア付近(以下、海洋大陸)では不活発な予測。海洋大陸の対流不活発は、亜熱帯ジェット 沿いの波列(東シナ海付近で相対的に低く、日本の南東海上を中心に大きな正偏差)に寄与し ていると考えられる。 ●1週目(2/27~3/4) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット沿いの波列により、沿海州付近で負偏差の予測。オホーツク 海北部には極うずが位置し、日本の北も負偏差の予測。一方、亜熱帯ジェット沿いの波列によ り、華南付近で負偏差、日本の南東海上で正偏差の予測。 ・ 850hPa 気温は、華南から沖縄・奄美周辺にかけてと日本の北で負偏差の予測。その間に位置す る本州付近は正偏差の予測。 ・ 海面気圧は、西シベリアから華南にかけて正偏差が大きく、シベリア高気圧が大陸東岸へ張り 出し、華南から沖縄・奄美付近へ寒気が流れ出すことが予測されている。一方、本州南岸から 日本の東にかけては正偏差が大きく、高気圧が勢力を強めながら東進しやすいことが見込まれ る。一方、中国東北区から北海道付近は気圧が相対的に低い。この付近では、沿海州から日本 の北の負偏差と日本の東を中心とした正偏差の中間に位置し、500hPa 高度の南北勾配が大きく、 じょう乱の影響を受けやすいことなることが見込まれる。 ・ 以上から、北日本日本海側は気圧の谷の影響で多雨・寡照傾向を見込む。その他の地方では、 平年同様の天候を見込む。気温は、北・東・西日本で高温傾向、沖縄・奄美で平年並を見込む。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多い。 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。 東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わる。太平洋側では、平年と同様に 晴れの日が多い。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 ●2週目(3/5~3/11) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット沿いの波列により、バイカル湖から沿海州付近にかけて負偏 差、の予測。また、亜熱帯ジェット沿いの波列により華南付近は相対的に低く(200hPa 流線関 数負偏差の極大)の予測。これら両ジェット気流沿いの波列により日本の東では正偏差となる 予測。1週目にオホーツク海北部にあった極うずは不明瞭となり、北日本付近でも高度・気温 が正偏差で、北日本を中心に西谷傾向が予測されている。 ・ 海面気圧は、華北からオホーツク海にかけて負偏差の予測。日本の東で高度場が高いことから、 北から西日本では南から暖湿流が強まる見込みで、降水量の正偏差が予測されている。一方、 その南西側にあたる沖縄・奄美では、高気圧偏差で多雨傾向は予測されていない。 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 3 頁 ・ 850hPa 気温は、日本付近が全体的に正偏差のなか、北・東・西日本を中心に偏差が大きい予測。 各種時系列図(T850)によると、1週目の終わりから2週目前半にかけて、北から西日本では顕 著な高温偏差が予測されている。 ・ 以上から、北日本と東日本太平洋側から西日本にかけて多雨・寡照傾向を見込む。東日本日本 海側は、冬型の気圧配置は長続きしない一方低気圧や前線の影響を受けやすく、平年同様の天 候を見込む。沖縄・奄美でも平年同様の天候を見込む。 想定される天候 ・ 北日本では、気圧の谷の影響で、日本海側では平年に比べ曇りや雪または雨の日が多く、 太平洋側では平年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。 ・ 東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わるが、低気圧や前線の影響で、平 年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 ●3~4週目(3/12~3/25) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット沿いの波列により、バイカル湖の東で負偏差、日本の東で正 偏差の予測。一方、亜熱帯ジェット沿いの波列により、東シナ海付近で相対的に低く(200hPa 流線関数負偏差の極大)、日本の南東海上で正偏差の予測。 ・ 海面気圧では、華北から日本海にかけて負偏差の一方、日本の東では正偏差の予測。降水量で は、2週目と同様の偏差パターンが予測されている。日本の東で高度場が高いことに関連して、 日本の東では高気圧の勢力が強まりやすく、北から西日本では南から暖湿流が強まりやすいこ とを見込む。 ・ なお、ジェット気流沿いに加え、東シベリア付近ではスプレッドが大きい予測となっている。 これには、東シベリア(オホーツク海の北)では寒冷な高気圧が発達する予測だが、その程度 に大きな不確実性があることが含まれていると考えられる。このため、北日本では、下層の温 度場の不確実性が大きいことを見込む。 ・ 850hPa 気温は、日本付近では東・西日本で+1℃以上の正偏差の予測。シベリアから沿海州に かけて負偏差で、北海道付近でも正偏差は弱い。東シベリア付近で寒冷な高気圧が発達してこ の付近に寒気が流れ出すことを予測するメンバーがあるためと考えられる。 ・ 以上から、2週目と同様、北日本と東日本太平洋側から西日本にかけて多雨・寡照傾向、東日 本日本海側と沖縄・奄美は平年同様の天候を見込む。 想定される天候 ・ 北日本では、気圧の谷の影響で、日本海側では平年に比べ曇りや雪または雨の日が多く、 太平洋側では平年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。 ・ 東日本太平洋側と西日本では、天気は数日の周期で変わるが、低気圧や前線の影響で、平 年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 3 頁
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