全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年10月13日 予報期間:10月15日~11月14日 気象庁地球環境・海洋部 (1) 特に注意を要する事項 北海道を除いて全国的に期間の前半は、気温がかなり高くなる見込みです。北海道では、期間の 前半は寒暖の変動が大きいでしょう。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、期間の前半は、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ曇りや雨の 日が多いでしょう。期間の後半は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。北日本太平洋側で は、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでし ょう。東日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 西日本と沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少ないでしょ う。 (3) 確率 1か月 気温(%) 1か月 低 並 高 降水量(%) 日照時間(%) 少 並 多 少 並 多 北日本 20:40:40 北日本日本海側 北日本太平洋側 20:40:40 30:40:30 40:40:20 30:40:30 東日本 10:20:70 東日本日本海側 東日本太平洋側 30:40:30 20:40:40 30:40:30 30:40:30 西日本 10:20:70 西日本日本海側 西日本太平洋側 20:40:40 20:30:50 40:40:20 40:40:20 沖縄・奄美 10:20:70 沖縄・奄美 20:40:40 40:40:20 1 週目(%) 2 週目(%) 3~4 週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 10:20:70 40:40:20 30:30:40 東日本 10:10:80 10:30:60 20:40:40 西日本 10:10:80 10:20:70 20:40:40 沖縄・奄美 10:10:80 10:20:70 20:40:40 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(10/6~10/12)は、大陸東部で高気圧が強まり、本州付近を冷涼な移動性高気圧と低 気圧が交互に通過し、前線が日本の南海上に停滞することが多かった。このため、天気は全国的に 数日の周期で変わったが、8日は九州地方で南から暖かく湿った空気が流れ込んだため大雨となっ た所があった。 気温は、北日本で平年を下回り、東・西日本、沖縄・奄美で平年を上回った。降水量は、北・東・ 西日本日本海側、沖縄・奄美で平年を上回り、北・東・西日本太平洋側で平年を下回った。日照時 間は、全国的に平年を下回った。 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 3 頁 予報資料の解釈 ●1か月(10/15~11/11) ・ 500hPa高度は、北極付近が正偏差、ユーラシア大陸からアラスカ沖にかけての北緯50度帯付近 は負偏差の所が多い。日本付近は正偏差。 ・ 850hPa気温は、本州から沖縄にかけては+1℃以上の正偏差。北海道の北は負偏差で、北日本で は南北の温度傾度が大きい。 ・ 海面気圧は、ユーラシア大陸は全般に正偏差、アリューシャン近海では負偏差で、日本の北で は北からの寒気が流れ込みやすい。日本付近は正偏差の所が多いが、東シナ海付近では負偏差 が見られる。 ・ 熱帯の対流活動活発位相の動きは不明瞭。一方、不活発位相は1週目に海洋大陸から太平洋西部 付近、2週目以降は、太平洋中部から東部で停滞。SAMOI領域の対流活動は、2週目に不活発傾向 となるが、月を通してはほぼ平年並。 ●1週目(10/15~10/21) ・ 500hPa 高度は、ヨーロッパ付近からの波列が見られ、日本付近は正偏差。 ・ 850hPa 気温は、日本付近は、日本海を中心に明瞭な正偏差。一方、日本の東とバイカル湖付近 は明瞭な負偏差。 ・ 海面気圧は、沖縄・奄美付近は負偏差、北・東日本は正偏差。西日本は正・負の境目付近。西 日本を中心に南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい。 ・ 以上及び週間予報資料から、北日本から西日本にかけては天気は数日の周期で変わる。沖縄・ 奄美では前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。降水量は、西日本から沖縄・奄美に かけては、暖湿気流が強く多雨傾向。その他はほぼ平年並。 想定される天候 ・ 全国的に、天気は数日の周期で変わる。 ・ 北・東日本太平洋側、西日本では、平年と同様に晴れの日が多い。 ・ 沖縄・奄美では、前線や湿った気流の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。 ●2週目(10/22~10/28) ・ 500hPa 高度は、北海道以北は負偏差、本州以南は正偏差。本州以南の正偏差は、ヨーロッパ付 近のブロッキング高気圧から射出された、北周りと南回りの波束伝播の影響と考えられる。 ・ 850hPa 気温は、日本の南で明瞭な正偏差。一方、北海道以北は、実況でモンゴルからシベリア 付近にある寒気が流れ込む影響で明瞭な負偏差。東北地方は、正・負の境目付近。 ・ 海面気圧は、日本の南海上で東西に伸びる負偏差が見られ、この負偏差の付近で前線の活動が 活発となると考えられる。シベリア高気圧が強く大陸では広く正偏差、アリューシャン近海で 負偏差が見られ、日本の北では大陸からの寒気が流れ込みやすい。 ・ 以上から、北海道を中心に北日本日本海側では、寒気の影響で曇りや雨の日が多く、多雨傾向。 北日本太平洋側では高気圧に覆われて平年と同様に晴れの日が多い。東日本では天気は数日の 周期で変わる。西日本と沖縄・奄美では、前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多く多雨 傾向。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるが、寒気の影響で平年に比べ曇りや雨の 日が多い。 ・ 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 ・ 東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わる。 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 3 頁 ・ 東日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多い。 ・ 西日本と沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わるが、前線や湿った気流の影響で、平 年に比べ晴れの日が少ない。 ●3~4週目(10/29~11/11) ・ 500hPa 高度は、北半球全般に正偏差の所が多いが、オホーツク海北部からアラスカ沖にかけて 負偏差。 ・ 熱帯の対流活動は、MJO の動きが不明瞭ながら、インド洋から海洋大陸付近は対流活動が活発 となる傾向で、SAMOI 領域の対流活動はやや活発。 ・ 850hPa 気温は、日本付近は全般に正偏差だが、オホーツク海からアリューシャン近海にかけて は負偏差。 ・ 海面気圧は、日本付近は全般に正偏差で、アリューシャン近海からアラスカ沖には負偏差が見 られる。 ・ 以上から、全国的に平年並の天候を見込む。気温は、日本付近は正偏差が予想されていること から東・西日本、沖縄・奄美で高温傾向。一方、北日本では日本の北の負偏差を考慮してほぼ 平年並。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 東日本日本海側と沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わる。 東日本太平洋側、西日本では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多い。 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 3 頁
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