全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年1月14日 予報期間:1月16日~2月15日 気象庁地球環境・海洋部 *発表日と予報期間を修正しました。本文の内容に変更はありません。 全般季節予報 (1)特に注意を要する事項 期間の前半は、東・西日本、沖縄・奄美では、気温がかなり低く、北・東・西日本日本海側で は、降雪量がかなり多くなる所があるでしょう。沖縄・奄美では、向こう1か月は、降水量が多 く日照時間の少ない状態の続く所がある見込みです。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多いでしょう。東・西日本日本海側では平 年に比べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が 多いでしょう。東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・奄美で は、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。 (3)確率 気温(%) 1か月 降水量(%) 日照時間(%) 降雪量(%) 少 並 多 少 並 多 少 並 多 1か月 低 並 高 北日本 30:50:20 北日本日本海側 北日本太平洋側 30:30:40 30:40:30 40:30:30 30:40:30 30:30:40 東日本 40:40:20 東日本日本海側 東日本太平洋側 20:40:40 20:40:40 40:40:20 40:40:20 20:40:40 西日本 50:30:20 西日本日本海側 西日本太平洋側 30:40:30 20:40:40 40:40:20 40:40:20 20:40:40 沖縄・奄美 40:40:20 沖縄・奄美 20:30:50 50:30:20 1週目(%) 2週目(%) 3~4週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 30:50:20 30:50:20 30:40:30 東日本 50:40:10 40:40:20 20:40:40 西日本 80:10:10 40:40:20 20:40:40 沖縄・奄美 60:30:10 40:40:20 20:40:40 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(1/7~1/13)は、冬型の気圧配置となることが多く、日本海側では曇りや雨または雪 となり、太平洋側では晴れたところが多かった。11日は低気圧が通過し、沖縄・奄美を中心に雨と なった。 気温は、北日本で平年を下回り、東・西日本、沖縄・奄美で平年を上回った。降水量は、北・西 日本、東日本太平洋側で平年を下回り、東日本日本海側、沖縄・奄美で平年を上回った。日照時間 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 3 頁 は、北・東日本太平洋側で平年を上回り、北・東日本日本海側、西日本、沖縄・奄美で平年を下回 った。 予報資料の解釈 ●1か月(1/16~2/12) ・ 500hPa高度は、中国東北区~日本付近にかけて負偏差の予測。また、アリューシャン低気圧は 強く、日本の北も負偏差が予測されている。 ・ 850hPa気温は、本州付近は正偏差の予測。一方、大陸側では負偏差の予測で、北日本の一部と 西日本は負偏差の予測。 ・ 海面気圧は、中国東北区では正偏差だが、その南側は負偏差、アリューシャン付近で負偏差の 極大となっている。日本付近では偏差の程度が小さく、冬型の気圧配置は、ほぼ平年並を見込 む。ただし、後述のように1週目~2 週目にかけて冬型の気圧配置が強いと見込む。 ・ 熱帯の対流活動は、太平洋中部から東部で活発、海洋大陸付近で不活発(200hPa 速度ポテンシ ャル参照)。また 200hPa 流線関数では、華南付近で低気圧性循環偏差、日本の南東海上で相対 的に高気圧性循環偏差がみられる(エルニーニョ現象時によく現われる循環)。850hPa 流線関 数ではフィリピン付近と日本の南海上で高気圧性循環偏差、その縁をまわって日本付近には南 から暖かく湿った空気が流れ込みやすい。 ・ MJO の対流活発位相は、不明瞭。 ●1週目(1/16~1/22) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット上の EU パターンが見られ、バイカル湖付近に強いリッジが あり、その下流の中国東北区~日本付近にかけてトラフとなり負偏差となっている。 ・ 海面気圧は、バイカル湖付近の強いリッジに伴いシベリア高気圧が強い予想。日本付近は負偏 差で、西日本中心に冬型の気圧配置が強まる予測。特に、1週目後半から2週目前半にかけて、 東・西日本中心に気温がかなり低く、日本海側では降雪量がかなり多くなる可能性がある。 ・ 850hPa 気温は、日本付近は負偏差に覆われ、負偏差の程度は西ほど強い予測。 ・ 以上及び週間予報資料から、全国的に冬型の気圧配置が強いと見込む。北・東・西日本では、 日本海側では多雨・寡照傾向、太平洋側では平年と同様の天候を見込む。沖縄・奄美では、多 雨・寡照傾向を見込む。気温は北日本では平年並、東日本以西では低温傾向を見込む。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪の日が多い。 北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 東・西日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多い。 沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が多い。 ●2週目(1/23~1/29) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット上のバイカル湖付近のリッジ及び日本付近のトラフは弱まる 予測。このため日本付近は正偏差となっている。しかし、これらのリッジ、トラフは週間モデ ルと比べると、早めに弱まる予測となっていることから、1 週目の状況が 2 週目の前半も継続 する可能性がある。また、スプレッドも大きいことから、寒帯前線ジェット上の波列の予測は 信頼性は低い。このため、日本付近の正偏差は割り引いて考える。 ・ 200hPa流線関数では、フィリピン付近の対流不活発に対応して、亜熱帯ジェット沿いの波列上 に、大陸で低気圧性循環偏差、日本の南東海上で高気圧性循環偏差が予測されている(エルニ ーニョ的な循環場)。 ・ 850hPa流線関数では、フィリピンの東付近と日本の南東海上は高気圧性循環偏差が予測されて 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 3 頁 いる。 ・ 850hPa 気温は、日本付近は正偏差の予測で、北日本は正負の境目付近。しかし、この正偏差は 割り引いて考え、前半を中心に冬型は強いと見込む。 ・ 海面気圧は、シベリア高気圧は弱く、日本の東には正偏差が予測されているため、東・西日本、 沖縄・奄美では冬型は弱い予測となっているが、上記のとおりこれを割り引いて冬型は強いと 見込む。北日本では平年並の冬型と見込む。 ・ 以上から、北日本では平年並の天候、気温を見込む。東・西日本では、低温傾向で、日本海側 は多雨・寡少傾向、太平洋側は平年並の天候を見込む。沖縄・奄美は、低温傾向で、多雨・寡 少傾向を見込む。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年と同様に平年と同様に曇りや雪の日が多い。 東・西日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多い。 北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が多い。 ●3~4週目(1/30~2/12) ・ 500hPa 高度は、日本付近は正偏差となる予測。日本の北は負偏差の予測。AO の正・負は不明瞭。 寒帯前線上のスプレッドが大きく、北の波列は不確定性が高い。 ・ 熱帯の対流活動は、太平洋中部から東部で活発、海洋大陸付近で不活発(200hPa 速度ポテンシ ャル参照)。また 200hPa 流線関数では、不明瞭だが華南付近で低気圧性循環偏差、日本の南東 海上で相対的に高気圧性循環偏差がみられる(エルニーニョ現象時によく現われる循環)。 850hPa 流線関数ではフィリピン付近と日本の南海上で高気圧性循環偏差、その縁をまわって日 本付近に暖かく湿った空気が流れ込みやすい。 ・ 海面気圧は、日本付近は負偏差に覆われており、日本付近の西高東低の冬型の気圧配置は弱い 予測だが、アリューシャンの北を中心に負偏差が見られることや不確実性を考慮して、北日本 の冬型の気圧配置はほぼ平年並を見込む。 ・ 北日本では、不確実性を考慮して平年と同様の天候を見込む。東・西日本太平洋側と沖縄・奄 美では、低気圧や南からの暖湿気流の影響を受けやすく、多雨・寡照傾向。東・西日本日本海 側では、少雨・多照傾向だが、九州北部は、低気圧や前線の影響を受ける日もあり、ほぼ平年 並。気温は北日本では平年並、東・西日本、沖縄・奄美では高温傾向を見込む。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。 ・ 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 ・ 東・西日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が少ない(九州北部では、平 年と同様に曇りや雨または雪の日が多い)。 ・ 東・西日本太平洋側では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 3 頁
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