全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年10月20日 予報期間:10月22日~11月21日 気象庁地球環境・海洋部 (1) 特に注意を要する事項 北日本では、期間の前半は、気温がかなり低くなるでしょう。東・西日本では、期間の前半は気 温の変動が大きいでしょう。沖縄・奄美では、期間のはじめは、気温がかなり高くなるでしょう。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう。北日本太平洋側では、 平年に比べ晴れの日が多いでしょう。東日本日本海側では、期間の前半は、天気は数日の周期で変 わりますが、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。期間の後半は、平年と同様に曇りや雨の日 が多いでしょう。東日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多い でしょう。西日本、沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少 ないでしょう。 (3) 確率 1か月 気温(%) 1か月 低 並 高 降水量(%) 日照時間(%) 少 並 多 少 並 多 北日本 60:30:10 北日本日本海側 北日本太平洋側 20:40:40 40:40:20 50:30:20 20:40:40 東日本 30:40:30 東日本日本海側 東日本太平洋側 30:40:30 40:40:20 40:40:20 30:40:30 西日本 20:40:40 西日本日本海側 西日本太平洋側 30:40:30 20:40:40 40:40:20 40:40:20 沖縄・奄美 10:30:60 沖縄・奄美 20:40:40 40:40:20 1 週目(%) 2 週目(%) 3~4 週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 70:20:10 70:20:10 30:40:30 東日本 20:40:40 50:40:10 30:40:30 西日本 10:20:70 40:40:20 30:40:30 沖縄・奄美 10:10:80 10:40:50 30:40:30 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(10/13~10/19)は、北・東日本では、17日頃に気圧の谷や前線の影響で天気が崩れ たほかは、日本海から三陸沖へ進む移動性高気圧に覆われて晴れの日が多かった。西日本と沖縄・ 奄美では、気圧の谷や日本の南海上の前線の影響で曇りや雨の日が多く、16~17日にかけては暖か く湿った気流の影響で大雨となった所があった。 気温は、全国的に平年を上回った。降水量は、北・東日本で平年を下回り、西日本、沖縄・奄美 で平年を上回った。日照時間は、北・東日本で平年を上回り、西日本、沖縄・奄美で平年を下回っ た。 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 3 頁 予報資料の解釈 ●1か月(10/22~11/18) ・ 500hPa高度は、北極付近が正偏差、中央アジアからアラスカ沖にかけては負偏差の所が多い。 日本付近は、北海道で負偏差、本州以南は正偏差。 ・ 850hPa気温は、シベリアから北日本にかけては負偏差で、北海道では-1℃以下の負偏差。西 日本以南では正偏差で沖縄・奄美付近では+1℃以上の正偏差。東日本は正・負の境目付近。 ・ 海面気圧は、シベリア高気圧が強く、モンゴル付近から日本海にかけての気圧は平年よりも明 瞭に高い。アリューシャン低気圧も強い。 ・ 熱帯の対流活動活発位相の動きは不明瞭。インド洋付近や日付変更線付近では対流活動が不活 発。大西洋付近では対流活動が活発。 ●1週目(10/22~10/28) ・ 500hPa 高度は、ヨーロッパ付近からの波列が見られ、日本付近は東谷傾向。また、北日本以北 は負偏差で、日本の北では負偏差が明瞭。 ・ 850hPa 気温は、中央アジアから北日本にかけて負偏差で、北海道では-3℃以下の負偏差。一 方、東日本以西では正偏差で、九州から沖縄・奄美付近にかけては+3℃以上の正偏差。日本 付近は南北の温度傾度が大きい。 ・ 海面気圧は、ヨーロッパから日本海にかけて正偏差。日本付近は負偏差でカムチャツカの東で 負偏差が大きい。このため、北日本では西高東低の冬型の気圧配置で、大陸からの寒気が流れ 込みやすい。一方、沖縄・奄美から西日本太平洋側にかけては、フィリピン付近の下層の高気 圧性循環偏差の周りを回る南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい。 ・ 以上及び週間予報資料から、北日本日本海側では、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨または雪 の日が多く多雨傾向。北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。東日本と西日本日 本海側の天候はほぼ平年並だが、東日本太平洋側の降水量は少ない。西日本太平洋側と沖縄・ 奄美では、低気圧や南からの暖かく湿った気流の影響で、晴れの日が少なく多雨傾向。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、気圧の谷や寒気の影響で、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多い でしょう。北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 ・ 東・西日本、沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東日本太平洋側では、 平年と同様に晴れの日が多いでしょう。西日本太平洋側、沖縄・奄美では、低気圧や南か らの暖かく湿った気流の影響で、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。 ●2週目(10/29~11/4) ・ 500hPa 高度は、中央アジアからアラスカ沖にかけて帯状に負偏差で、日本付近は北海道以北で 負偏差、本州以南は正偏差。日本の南海上の亜熱帯高気圧は引き続き強い。 ・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響で、東・西日本付近で高気圧性循環偏差。日本 の北は低気圧性循環偏差。偏西風は、亜熱帯ジェットと寒帯前線ジェットが日本付近で合流し て強い。 ・ 850hPa 気温は、中央アジアからアラスカ沖にかけて広く負偏差で、日本付近は本州以北で負偏 差で北海道では-3℃程度の負偏差。一方、日本の南海上は正偏差で、沖縄・奄美付近に+1℃ 以上の正偏差が見られる。 ・ 海面気圧は、ユーラシア大陸は正偏差の所が多く、大陸東岸から本州付近にかけて正偏差が明 瞭。一方、アラスカ沖を中心に負偏差が明瞭で、アリューシャン低気圧が強い。このため、北 日本を中心に冬型の気圧配置が見られ、北日本から西日本にかけては大陸からの寒気が流れ込 みやすい。一方、日本の南の亜熱帯高気圧が強いことから、日本の南海上には前線が残り沖縄・ 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 3 頁 奄美付近に停滞する見込み。 ・ 以上から、北日本から西日本にかけては大陸からの寒気の影響で、日本海側では曇りや雨(ま たは雪)の日が多い(降水量はほぼ平年並)。北日本太平洋側では平年に比べ晴れの日が多く、 少雨傾向。東・西日本太平洋側では、下層では東寄りの風偏差となるものの平年と同様に晴れ の日が多く少雨傾向。沖縄・奄美では、前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多く多雨傾 向。 想定される天候 ・ 北日本では、冬型の気圧配置の影響で、日本海側では、平年に比べ曇りや雨または雪の日 が多く、太平洋側では、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。 ・ 東・西日本、沖縄・奄美では天気は数日の周期で変わるでしょう。東・西日本日本海側で は寒気の影響で、沖縄・奄美では前線や湿った気流の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が 多いでしょう。東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 ●3~4週目(11/5~11/18) ・ 500hPa 高度は、北半球全般に正偏差の所が多いが、オホーツク海からアラスカ沖にかけて負偏 差。高偏差確率を見ると、北極付近に正の高偏差確率が見られ、極渦の弱い状態が続く可能性 があるが、北半球全般にスプレッドが大きい。 ・ 熱帯の対流活動は、MJO の動きが不明瞭で、SAMOI 領域の対流活動はやや不活発。 ・ 850hPa 気温は、北日本以北は負偏差、東日本以西は正偏差。 ・ 海面気圧は、シベリア高気圧は全般に強く、アリューシャン近海には負偏差が見られ、日本付 近には大陸からの寒気が流れ込む時期がある。 ・ 以上から、全国的に平年並の天候を見込む。気温は、日本付近は正偏差の所が多いが、平年か らの隔たりは小さく全国的にほぼ平年並。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多いでしょう。 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。 東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東・西 日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 3 頁
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