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全般季節予報支援資料 1か月予報 2015年4月9日
予報期間:4月11日~5月10日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
なし
(2)出現の可能性が最も大きい天候
全国的に天気は数日の周期で変わるでしょう。北・東・西日本では平年に比べ晴れの日が少ない見込
みです。沖縄・奄美では、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。
(3)確率
1か月
気温(%)
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
少 並 多
少 並 多
北日本
20:30:50
北日本日本海側
北日本太平洋側
20:40:40
20:30:50
40:40:20
40:40:20
東日本
30:30:40
東日本日本海側
東日本太平洋側
20:40:40
20:30:50
40:40:20
40:40:20
西日本
20:40:40
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
20:30:50
40:40:20
40:40:20
沖縄・奄美
20:40:40
沖縄・奄美
40:30:30
20:40:40
1 週目(%)
2 週目(%)
3~4 週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:30:60
20:30:50
30:30:40
東日本
40:40:20
20:40:40
30:30:40
西日本
20:50:30
20:40:40
20:40:40
沖縄・奄美
20:50:30
20:40:40
20:40:40
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(4/2~4/8)は、期間の前半は、北・東日本や沖縄・奄美を中心に高気圧に覆われ晴れた
日があったが、その後は次第に前線が日本海から南下して日本の南岸に停滞したため、全国的に曇りや
雨となった。期間の中頃にかけて西日本や沖縄・奄美を中心に気温が高く、5 日は宮崎県と沖縄県で全
国で今年初めての真夏日となった所があったが、期間の終わりは前線の北側の寒気に覆われて平年を大
幅に下回った所が多く、気温の変動が大きかった。
気温は、全国的に平年を上回った。日照時間は、北・東・西日本で平年を下回り、沖縄・奄美では平
年を上回った。降水量は、北・東・西日本で平年を上回り、沖縄・奄美では平年を下回った。
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予報資料の解釈
●1か月(4/11~5/8)
・ 500hPa 高度では、日本付近はトラフとなっているが高度が高く、ほぼ正の高偏差確率に覆われてい
る。寒帯前線ジェット沿い・亜熱帯ジェット沿いともに波列が見られ、バイカル湖付近と日本の東
海上がリッジ。亜熱帯ジェット沿いには 90°E 付近にスプレッドの大きい領域がある。
・ 850hPa 気温は、日本付近は正偏差で北ほど偏差が大きい。沖縄・奄美は正負の境界付近。
・ 海面気圧は、日本付近は広く正偏差だが、東海上の高気圧と大陸から張り出す高気圧の鞍部に位置。
・ MJO の位相は、実況では海洋大陸~太平洋中部付近にあり、1 週目に太平洋東部、2 週目に大西洋、
3 週目にインド洋。4 週目は不明瞭だが東進して、海洋大陸~太平洋西部に進むと見込む。
●1週目(4/11~4/17)
・ 500hPa 高度は、亜熱帯ジェット沿いの波束伝播が明瞭で、東シナ海が負偏差、日本の東海上が正偏
差となっている。さらに、アムール川下流には極渦の一部が南下しており、北日本~西日本にかけ
ては西谷で、南から湿った空気が流れ込みやすい。亜熱帯ジェット沿い・寒帯前線ジェット沿いと
もに初期値変わりがみられ、200hPa 流線関数では、日本付近は亜熱帯ジェット沿いの波束伝播が卓
越し、インド~日本付近の波列は波長がやや短くなって位相が西にずれ、大陸東岸から東シナ海が
低気圧性循環偏差、日本の東海上で高気圧性循環偏差が強まっている。
・ 850hPa 気温は、沖縄・奄美付近で負偏差が大きい。週間予報資料では 13 日頃のトラフ通過後、沖
縄・奄美方面に寒気が流れ込む予測となっている。その他の地方はおおむね平年程度。
・ 海面気圧は、東シナ海と日本の東海上で高気圧が強く、日本付近には気圧の谷がみられる。
・ 以上から、天候は周期変化だが、低気圧や前線の影響を受けて寡照傾向で、太平洋側を中心に降水
量が多い。沖縄・奄美では前線の北側の冷涼な高気圧に覆われやすい。気温は、北日本は高く、東
日本以西は平年並もしくは平年並か低い見込み。
 想定される天候
・ 全国的に天気は数日の周期で変わる。
・ 北・東・西日本では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
・ 沖縄・奄美では、高気圧に覆われ、平年に比べ晴れの日が多い。
●2週目(4/18~4/24)
・ 500hPa 高度は、次第に日本付近が本邦谷となってくる。日本の西には、亜熱帯ジェット沿い・寒帯
前線ジェット沿いともにスプレッドの大きい領域がみられ、亜熱帯ジェット沿いの波列の波長が 1
週目と比べかなり長くなるなど、波列の予測には不確実性があるが、日本の東海上の高度場が高い
1 週目からの傾向を考慮して、西谷・高温傾向が残るものと考える。
・ 850hPa 気温偏差は、全国的に正偏差で、北日本を中心に正偏差が大きい。
・ 海面気圧は、シベリア高気圧が弱まり、バイカル湖の東~ベーリング海にかけての日本の北が低圧
部、日本の東が高気圧となっている。日本の北を低気圧が通過しやすく、日本付近には東海上の高
気圧の縁を回る南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい見込み。また、インドシナ半島の北に
500hPa トラフが進み、地上では中国~東シナ海にかけて気圧の谷が予測されている。この亜熱帯ジ
ェット沿いの波列の予測には前述のとおり不確実性があるものの、熱帯からの応答をみると、MJO
の対流不活発な位相が海洋大陸付近に位置し、その北側のインドシナ半島~フィリピンの東にかけ
て下層高気圧性循環偏差(850hPa 流線関数参照)が予測され、中国~日本付近は弱いながら気圧の
谷となって多雨傾向となっている。MJO の東進は比較的順調で、この予測はある程度採用する。
・ 以上から、天候は、1 週目同様、周期変化基調だが、北・東・西日本では低気圧や前線の影響
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を受けて太平洋側中心に多雨寡照傾向。現在、実況で少雨の沖縄・奄美でも、モデルでは多雨
傾向の予測となっているが、1 週目にトラフが通過し、2 週目にかけてやや東谷~ゾーナルとな
ることを考慮して、ほぼ平年並と見込む。気温は南からの暖かい空気が流れ込みやすく、北ほ
ど高温傾向。
 想定される天候
・ 全国的に天気は数日の周期で変わる。
・ 北・東・西日本では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。
●3~4週目(4/25~5/8)
・ 500hPa 高度は、日本付近はほぼゾーナル。
・ 今回、比較的確度が高いと考えられる MJO の予測では、対流活発位相が 3 週目にインド洋に達
するタイミングで、インド洋西部の対流活動が活発化し、アラビア半島付近で上層高気圧性循
環偏差が励起されている。ここからの波束伝播により、日本の西では相対的に高気圧性循環偏
差となっており、西日本や沖縄・奄美には正の高偏差確率もみられ、日本付近の高度場が高く
なっている。モデルでは 4 週目にかけて同様の傾向が続いており、SST 偏差初期値固定の影響
を考慮して、やや割り引いて考えるが、西日本や沖縄・奄美を中心とした高温傾向は採用する。
・ 以上から、天候は、全国的にほぼ平年並だが、気温は高温側の確率をやや大きくする。
 想定される天候
・ 全国的に天気は数日の周期で変わる。
・ 北日本太平洋側、東・西日本では、平年と同様に晴れの日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○「向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」
http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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