全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年2月11日 予報期間:2月13日~3月12日 気象庁地球環境・海洋部 全般季節予報 (1)特に注意を要する事項 沖縄・奄美では、期間のはじめは気温がかなり低い所がある見込みです。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪の日が多いでしょう。東日本日本海側では平年に比 べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。西日本日本海側では平年と同様に曇りや雨または雪の 日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・ 奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。 (3)確率 気温(%) 1か月 降水量(%) 日照時間(%) 降雪量(%) 少 並 多 少 並 多 少 並 多 1か月 低 並 高 北日本 20:30:50 北日本日本海側 北日本太平洋側 20:40:40 20:30:50 40:40:20 40:40:20 30:40:30 東日本 10:30:60 東日本日本海側 東日本太平洋側 30:30:40 20:40:40 40:40:20 40:40:20 40:40:20 西日本 30:30:40 西日本日本海側 西日本太平洋側 20:40:40 20:30:50 40:30:30 40:40:20 30:40:30 沖縄・奄美 40:40:20 沖縄・奄美 30:30:40 30:40:30 1週目(%) 2週目(%) 3~4週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 10:40:50 20:40:40 30:30:40 東日本 10:30:60 20:30:50 30:30:40 西日本 20:40:40 20:50:30 30:40:30 沖縄・奄美 60:30:10 20:50:30 40:30:30 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(2/4~2/10)は、期間のはじめは日本付近を気圧の谷が通過し、その後は期間の中頃 にかけて西日本と沖縄・奄美を中心に寒気が流れ込み気温が低くなった。このため、日本海側と沖 縄・奄美では天気がぐずつき、西日本太平洋側でも曇りや雨または雪となった。期間の終わりには、 大陸から高気圧が移動して、太平洋側だけではなく西日本日本海側や沖縄・奄美でも概ね晴れた。 気温は、西日本と沖縄・奄美で平年を下回り、北・東日本で平年を上回った。降水量は、北・東 日本日本海側と沖縄・奄美で平年を上回り、北・東日本太平洋側と西日本で平年を下回った。日照 時間は全国的に平年を上回った。 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 4 頁 予報資料の解釈 ●1か月(2/13~3/11) ・ 500hPa 高度は、シベリア沿いの波列により、西シベリアで正偏差、沿海州付近で負偏差の予測。 また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北も負偏差となっている。一方、亜熱帯 ジェット沿いの波列により、東シナ海付近で相対的に低く、日本の南東海上を中心に正偏差が 大きい予測。 ・ 850hPa 気温は、日本の南東海上は正偏差の一方、日本の西と北は負偏差の予測。日本付近では 北・東日本で正偏差の一方、西日本と沖縄・奄美は弱い負偏差の予測。 ・ 海面気圧は、中国東北区から北日本周辺は負偏差の予測。一方、日本の東では正偏差で、高気 圧が日本の東で強まりやすいことが見込まれる。また、シベリアから東シナ海付近も正偏差で、 シベリア高気圧の勢力が強まり、大陸から東シナ海付近へ寒気の流れ出しやすい時期もある見 込み。 ・ 熱帯の対流活動は、エルニーニョ現象を背景として太平洋中部から東部で活発な一方、インド ネシア付近(以下、海洋大陸)で不活発な予測。海洋大陸付近の対流不活発は、亜熱帯ジェッ ト沿いの波列(東シナ海付近で相対的に負偏差、日本の南東海上を中心に大きな正偏差)に寄 与していると見られる。 ●1週目(2/13~2/19) ・ 500hPa 高度は、シベリア沿いの波列により、西シベリアで正偏差、沿海州付近で負偏差の予測。 また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北も負偏差となっている。一方、亜熱帯 ジェット沿いの波列により、東シナ海付近で負偏差、日本の南東海上を中心に正偏差の予測。 (これらの偏差パターンは、1か月平均と同様。ただし偏差の程度は大きい。) ・ 海面気圧は、日本付近は全体的に負偏差で、日本海から北海道の東に気圧の極小が予測されて おり、低気圧や気圧の谷の影響を受けやすいことが見込まれる。一方、大陸は正偏差で、シベ リア高気圧の勢力は大陸では強い予測。週間予報資料では、期間のはじめに日本付近を低気圧 や気圧の谷が通過、その後シベリア高気圧では中国大陸で強まることから、大陸から西日本や 沖縄・奄美付近を中心に寒気が流れ出す予測。 ・ 850hPa 気温は、日本の東を中心に正偏差の一方、日本の西と北は負偏差の予測。日本付近では、 北・東日本を中心に+2~+3℃の正偏差の一方、西日本や沖縄・奄美は負偏差の予測。 ・ 以上から、北・東・西日本では低気圧や気圧の谷の影響で多雨・寡照傾向の見込み。沖縄・奄 美では、移動性高気圧に覆われる時期もあり、平年程度の天候を見込む。気温は、期間のはじ めは高い一方、中頃以降は低い傾向で、西日本、沖縄・奄美を中心にかなり低い日もある見込 みで、気温の変動が大きい。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪の日が多い。 ・ 東日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多 い。 ・ 西日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多 い。 ・ 北・東・西日本太平洋側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 ●2週目(2/20~2/26) ・ 500hPa 高度は、寒帯前線ジェット沿いの波列によりバイカル湖の東で負偏差の予測。一方、亜 熱帯ジェット沿いの波列により、華南付近は相対的に低く、日本の東で正偏差の予測。これら の偏差パターンは1週目と似ているが、亜熱帯ジェット沿いの波列の振幅は大きく、日本付近 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 4 頁 ・ ・ ・ ・ ・ は全体的に高度場が1週目に比べ高く、日本の東の正偏差が明瞭となる予測。(亜熱帯ジェッ ト沿いの波列が強まることには、実況でヨーロッパの西で偏西風の蛇行が大きいことに関連し た波エネルギーが到達することと、熱帯季節内振動に関わる海洋大陸の対流不活発傾向が強ま ることが寄与していると考えられる。) また、オホーツク海北部には極うずが位置し、日本の北は高度が低い予測。日本の東を中心に 高度が高いことと関連して、本州付近は偏西風が強く、じょう乱の影響を受けやすいことが見 込まれる。 海面気圧では、日本付近は全体的に正偏差のなか、日本の東では正偏差が特に大きく、大陸か ら移動してきた高気圧が日本の東で強まりやすいことが見込まれる。 850hPa 気温は、日本の南東海上を中心に正偏差で、北・東日本も正偏差域に含まれる予測。一 方、西日本や沖縄・奄美は正偏差が小さい(東シナ海付近は相対的に高度が低く上空で気圧の 谷が深まりやすいことや大陸からの寒気流出の影響を他の地方より受けやすいためと考えられ る)。 降水量は、日本付近では正偏差の予測。本州付近でじょう乱の活動が活発なことと、日本の東 で高気圧の勢力が強く、南からの湿った気流により多雨傾向に寄与することが考えられる。 以上から、1週目と同様に北・東・西日本では気圧の谷の影響を受けやすく、多雨・寡照傾向 を見込む。沖縄・奄美は平年同様の天候を見込む。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪の日が多い。 ・ 東日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多 い。 ・ 西日本日本海側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多 い。 ・ 北・東・西日本太平洋側では、低気圧や気圧の谷の影響で、平年に比べ晴れの日が少ない。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 ●3~4週目(2/27~3/11) ・ 500hPa 高度は、亜熱帯ジェット沿いの波列により、華南を中心に相対的に低く(200hPa 流線関 数の負偏差も参照)、日本の南東海上で正偏差が大きい予測。また、日本の南(20°N~30°N)の 高度場が全体的に高い予測。これらには海洋大陸の対流不活発が関連していると考えられる。 ・ 一方、北極付近では 500hPa 高度が高い一方、オホーツク海北部は高度場が低く、日本の北も負 偏差の予測。また、シベリア沿いの波列でバイカル湖の西は正偏差の予測。 ・ 海面気圧は、日本の南東海上を中心に正偏差の予測で、850hPa 気温の正偏差に寄与していると 考えられる。一方、シベリアから東シナ海にかけても正偏差の予測。850hPa 気温は、日本付近 は全体的に正偏差であるものの、3週目には負偏差となる可能性も予測されており(各種時系 列図 T850 偏差を参照)、シベリア高気圧の日本付近への張り出しが強まる時期があることも見 込まれる。この3週目の低温傾向は、特に沖縄・奄美で見られる。このため、3~4週目平均 は、沖縄・奄美を中心に低温となる時期もある可能性を考慮し、ほぼ平年並と見込む。 ・ 以上から、全国的に平年同様の天候を見込むが、日本の東で高度・気圧場が高いことを考慮し、 太平洋側を中心に多雨となる可能性は考慮する。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。 東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多い。 北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 4 頁 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 4 / 4 頁
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