全般季節予報支援資料 1か月予報 2017年1月5日 予報期間:1月7日~2月6日 気象庁地球環境・海洋部 全般季節予報 (1)特に注意を要する事項 期間の前半は、北・東日本では、日本海側を中心に降雪量がかなり多くなる所があるでしょう。 (2)出現の可能性が最も大きい天候 北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪の日が多いでしょう。東・西日本日本海側では平年 に比べ曇りや雪または雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れ の日が多いでしょう。沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。 (3)確率 気温(%) 1か月 降水量(%) 日照時間(%) 降雪量(%) 少 並 多 少 並 多 少 並 多 1か月 低 並 高 北日本 40:40:20 北日本日本海側 北日本太平洋側 20:40:40 40:30:30 50:30:20 30:30:40 20:40:40 東日本 40:40:20 東日本日本海側 東日本太平洋側 20:40:40 20:40:40 50:30:20 30:30:40 20:40:40 西日本 30:40:30 西日本日本海側 西日本太平洋側 20:40:40 20:40:40 50:30:20 30:30:40 20:40:40 沖縄・奄美 20:30:50 沖縄・奄美 20:30:50 40:40:20 1週目(%) 2週目(%) 3~4週目(%) 低 並 高 低 並 高 低 並 高 北日本 40:40:20 40:40:20 30:40:30 東日本 30:50:20 50:30:20 30:40:30 西日本 20:50:30 40:40:20 30:40:30 沖縄・奄美 10:20:70 20:40:40 30:40:30 気温 最近1週間の天候経過 最近1週間(12/29~1/4)は、期間のはじめは冬型の気圧配置となったが、その後は冬型の気圧 配置は弱く、全国的に高温となった。また、東・西日本、沖縄・奄美では高気圧に覆われることが 多く、晴れた日が多かった。 気温は、全国的に平年を上回った。降水量は、全国的に平年を下回った。日照時間は、北日本で 平年を下回り、東・西日本、沖縄・奄美で平年を上回った。 予報資料の解釈 全般季節予報支援資料 1か月予報 1 / 3 頁 ●1か月(1/7~2/3) ・ 500hPa高度は、黄海付近~西日本が正偏差、北日本~日本の東にかけて負偏差で、東日本付近 が正負の境界付近となる。アラスカ付近に強いブロッキング高気圧が見られる。 ・ 850hPa気温は、500hPa高度に対応して、北日本付近は負偏差、西日本以西は正偏差の予測。 ・ 海面気圧は、カムチャツカ半島付近に強い低気圧性偏差がみられる。日本付近も負偏差だが、 偏差の程度は小さい。一方、沖縄・奄美付近は、強い低気圧性偏差が見られる。 ・ 熱帯の対流活動は、太平洋中部から東部で活発、海洋大陸付近で不活発(200hPa 速度ポテンシ ャル参照)。また 200hPa 流線関数では、華南から日本付近で高気圧性循環偏差、サハリンから 日本のはるか東付近で低気圧性循環偏差がみられる。 ・ MJO の対流活発位相は、1 週目に海洋大陸付近、2 週目に南米付近、3、4 週目にインド洋から海 洋大陸付近に東進すると見られる。 ●1週目(1/7~1/13) ・ 500hPa 高度は、黄海付近~西日本が正偏差、北日本~日本の東にかけて負偏差で、日本付近は 東谷傾向の西北西流場。東日本付近が正負の境界付近となる。アラスカ付近に強いブロッキン グ高気圧が見られる。 ・ 海面気圧は、バイカル湖付近は正偏差、カムチャツカ半島付近は強い負偏差で、日本付近は冬 型の気圧配置となりやすいと見込む。日本付近は全体に負偏差となっているが、特に東日本以 西には、強い負偏差域が見られることから、東・西日本、沖縄・奄美は低気圧や前線の影響を 受けやすい。 ・ 850hPa 気温は、500hPa 高度に対応して、東日本以西は正偏差で、西ほど高温の予測。北日本は 負偏差域に隣接しており、500hPa 高度が低いことから北日本は低温傾向を見込む。 ・ 以上及び週間予報資料から、北日本日本海側では、冬型の気圧配置になりやすく多雨寡照傾向、 東・西日本日本海側では、低気圧や寒気の影響で多雨寡照傾向、東・西日本太平洋側、沖縄・ 奄美では、低気圧や前線の影響で、天候は平年並だが多雨傾向、北日本太平洋側では、平年並 の天候を見込む。気温は北日本では低温傾向、沖縄・奄美では高温傾向、東・西日本では平年 並を見込む。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、冬型の気圧配置が強く、平年に比べ曇りや雪の日が多い。 ・ 東・西日本日本海側では、低気圧や寒気の影響で、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多 い。 ・ 北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 ・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 ●2週目(1/14~1/20) ・ 500hPa 高度は、1 週目後半からの寒帯前線ジェット気流沿いの波列の名残で、中国東北区から 千島の東にかけて帯状に負偏差の予測。アラスカ付近のブロッキング高気圧がシベリア付近ま で西に延びてリッジを形成しており、このリッジが日本付近に寒気を下すと考えられる。この ブロッキング高気圧については、スプレッドは大きいものの、1週目から継続していること、 シベリア付近のリッジを含めて高偏差確率が見られることから、概ねモデル通り採用する。一 方、沖縄・奄美付近から日本の南にかけては正偏差の予測。 ・ 200hPa流線関数では、亜熱帯ジェット気流沿いの波列で、西日本付近から日本の南にかけて正 偏差が予測されている。この波列は、スプレッドも小さく、高偏差確率も見られることからモ デル通り採用する。 ・ 850流線関数では、フィリピンの東付近に高気圧性偏差が見られ、この縁辺にあたる沖縄・奄美 付近に降水域が見られる。MJOの不活発域が2週目に海洋大陸付近に進んでくることから、この 全般季節予報支援資料 1か月予報 2 / 3 頁 フィリピンの東付近の高気圧性偏差は信頼性が高いと考えられるため、沖縄・奄美は多雨・寡 照傾向を見込む。 ・ 850hPa 気温は、北・東・西日本付近は負偏差、沖縄・奄美は正偏差の予測。寒気は東日本中心 に流れ込むと見込む。 ・ 海面気圧は、カムチャツカ半島付近に強い低気圧性偏差がみられる。日本付近も負偏差だが、 偏差の程度は小さい。カムチャツカ半島付近から日本の東にかけて強い負偏差が予測され、一 方、黄海付近の負偏差の程度は小さいため、北・東・西日本では西高東低の冬型の気圧配置が 強まり、寒気の影響を受けやすいと見込む。 ・ 以上から、北・東・西日本では、冬型の気圧配置が強く、日本海側では多雨寡照傾向、太平洋 側では少雨多照傾向を見込む。沖縄・奄美では多雨寡照傾向を見込む。気温は、北・東・西日 本では低温傾向、沖縄・奄美では高温傾向を見込む。 想定される天候 ・ 北日本日本海側では、冬型の気圧配置が強く、平年に比べ曇りや雪の日が多い。 ・ 東・西日本日本海側では、冬型の気圧配置が強く、平年に比べ曇りや雪または雨の日が多 い。 ・ 北・東・西日本太平洋側では、冬型の気圧配置が強く、平年に比べ晴れの日が多い。 ・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。 ●3~4週目(1/21~2/3) ・ 500hPa 高度は、日本の北東は負偏差で、日本付近は正偏差の予測。ただし、西日本から日本の 南にかけてスプレッドが大きいことから、この正偏差の信頼性は低いと考える。 ・ 熱帯の対流活動は、インド洋東部~太平洋中部にかけて活発(200hPa 速度ポテンシャル参照)。 また 200hPa 流線関数では、中緯度帯は帯状に低気圧性偏差、850hPa 流線関数では中緯度帯は 帯状に高気圧性偏差となっているが、偏差の程度は小さい。 ・ 海面気圧は、黄海から西日本付近は負偏差、北日本付近は正偏差の予測だが、偏差の程度は小 さい。 ・ 850hPa気温は、500hPa高度に対応して、北日本付近は一部負偏差域がかかるが、偏差の程度は 小さい。また、東日本以西は正偏差の予測だが、上述のようにスプレッドが大きいことから、 東日本以西の高温傾向は採用しない。 ・ 以上から、熱帯との関係が不明瞭であり、偏差の程度も小さいことから、全国的に平年並の気 温、天候を見込む。 想定される天候 ・ ・ ・ ・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。 北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。 東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。 気象庁ホームページ ○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html ○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf も参照してください。 この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、 そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。 全般季節予報支援資料 1か月予報 3 / 3 頁
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