全般季節予報支援資料 1か月予報 2017年2月2日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2017年2月2日
予報期間:2月4日~3月3日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1)特に注意を要する事項
東・西日本では、期間の前半は、日本海側を中心に降雪量がかなり多くなる所があるでしょう。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪の日が少ないでしょう。北日本太平洋側では、平年
と同様に晴れの日が多いでしょう。東・西日本日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日
が多いでしょう。東・西日本太平洋側では、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。沖縄・奄美で
は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
(3)確率
1か月
気温(%)
1か月
低 並 高
降水量(%)
日照時間(%)
降雪量(%)
少 並 多
少 並 多
少 並 多
北日本
30:40:30
北日本日本海側
北日本太平洋側
40:40:20
20:40:40
20:40:40
40:30:30
30:40:30
東日本
50:40:10
東日本日本海側
東日本太平洋側
20:40:40
30:40:30
40:40:20
20:30:50
20:40:40
西日本
40:40:20
西日本日本海側
西日本太平洋側
20:40:40
30:40:30
40:40:20
20:40:40
20:40:40
沖縄・奄美
30:40:30
沖縄・奄美
40:40:20
30:40:30
1 週目(%)
2 週目(%)
3~4 週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:40:50
30:50:20
40:40:20
東日本
20:50:30
60:30:10
40:40:20
西日本
20:50:30
50:40:10
30:40:30
沖縄・奄美
20:40:40
40:40:20
30:40:30
気温
最近1週間の天候経過
最近 1 週間(1/26~2/1)は、日本付近は低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は全国的に数日
の周期で変わり、冬型の気圧配置が続かなかったため、気温は高かった。
気温は、全国的に平年を上回った。降水量は、北日本日本海側で平年を上回った他は平年を下回
った。日照時間は、北日本で平年を下回り、東・西日本と沖縄・奄美で平年を上回った。
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予報資料の解釈
●1か月(2/4~3/3)
・ 500hPa高度は、日本付近は東谷。ヨーロッパ付近から日本付近にかけては波列が見られ、東シ
ベリア付近は、1週目にベーリング海付近から西進したブロッキング高気圧の影響で正偏差が見
られる。
・ 850hPa気温は、日本付近は本州付近を中心に負偏差で、大陸からの寒気が本州付近を中心に流
れ込みやすい一方、北海道以北と沖縄・奄美以西では正偏差が見られる。
・ 海面気圧は、日本付近は冬型の気圧配置が強く、日本の東海上では負偏差が広がっている。
・ 熱帯の海面水温分布は、太平洋中部とインド洋南部で負偏差の他は概ね正偏差で、フィリピン
の周辺海域では正偏差がやや強くなっている。
・ 熱帯の対流活動は、フィリピンの東海上を中心に活発な領域が見られる一方、MJO の対流活発
位相は、1 週目に太平洋、2 週目に南米大陸から大西洋、その後はアフリカ付近を東進した後不
明瞭となっている。MJO が西半球側を回ることが多いことから、200hPa 速度ポテンシャルは、
南米~アフリカ付近にかけて発散偏差、インド洋から太平洋中部にかけては収束偏差が見られ
る。ただし、フィリピンの東海上では、相対的に発散偏差となっている。
・ 200hPa 流線関数偏差では、アラビア海付近で低気圧性循環偏差、インドシナ半島の北で高気圧
性循環偏差、日本の東で低気圧性循環偏差が見られ、日本の東海上で偏西風が南へ蛇行してい
る。インドシナ半島の北の高気圧性循環偏差にはフィリピン付近の活発な対流活動が関係して
いる可能性がある。
・ 850hPa 流線関数偏差では、フィリピン付近で対流活動が活発なことと対応して低気圧性循環偏
差。また、日本の東海上では偏西風の南への蛇行に対応して(順圧的に)低気圧性循環偏差。
一方、ユーラシア大陸上は高気圧性循環偏差が見られる。
・ 以上から、上空の偏西風は日本の東海上で南へ蛇行し、地上天気図では冬型の気圧配置が強い。
このため、東・西日本を中心に寒気が流れ込みやすい。
●1週目(2/4~2/10)
・ 500hPa 高度は、ブロッキング高気圧が西進して、東シベリア付近で正偏差が明瞭。一方、日本
付近から日本の東海上は負偏差が広がり、偏西風は日本の東で南へ蛇行している。
・ 海面気圧は、日本付近は冬型の気圧配置が見られるが、北日本付近は、下層で北東風偏差とな
っているため、大陸からの寒気の流れ込みは弱い。
・ 850hPa 気温は、北海道以北は明瞭な正偏差となっているが、本州から沖縄・奄美付近にかけて
は弱い正偏差。
・ 以上及び週間予報資料から、北日本では、大陸からの寒気の流れ込みが弱く、日本海側では平
年に比べ少雨・多照傾向。太平洋側では、低気圧の影響で多雨・寡照傾向。東・西日本では、
平年と同様の天候だが、低気圧の影響を受ける日もあり多雨傾向の所がある。沖縄・奄美では、
寒気の影響が弱く、平年に比べ曇りや雨の日が少ない。
 想定される天候
・
・
・
・
北日本日本海側では、寒気の影響が弱く、平年に比べ曇りや雪の日が少ない。
東・西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年に比べ曇りや雨の日が少ない。
●2週目(2/11~2/17)
・ 500hPa 高度は、日本付近は東谷傾向。ブロッキング高気圧の程度は弱まるが、引き続きオホー
ツク海から東シベリア付近にかけて正偏差、本州付近から本州の東海上にかけて負偏差が広が
っている。
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・ 200hPa流線関数では、西からの波列の影響で、アラビア海付近で低気圧性循環偏差、ユーラシ
ア大陸東岸で高気圧性循環偏差、本州付近で弱い低気圧性循環偏差が見られ、偏西風は日本付
近で南へ蛇行している。
・ 850hPa 気温は、本州以南で明瞭に負偏差。一方、北海道以北では正偏差。
・ 海面気圧は、シベリア高気圧が強く、日本の東海上に負偏差が見られることから、本州以南で
は西高東低の冬型の気圧配置が強い。沖縄・奄美付近でも大陸からの高気圧の張り出しが強い。
一方、北海道付近では、下層で東風偏差となるため、大陸からの寒気は流れ込みにくい。
・ 以上から、北日本では、低気圧の影響を受けるが大陸からの寒気の流れ込みは弱く、日本海側
で多照。太平洋側で多雨・寡照。東・西日本では冬型の気圧配置が強く、日本海側で多雨・寡
照、太平洋側で、少雨・多照傾向を見込む。沖縄・奄美では、寒気の影響で、平年に比べ曇り
や雨の日が多いが、低気圧の影響は弱く、少雨傾向。
 想定される天候
・ 北日本日本海側では、寒気の影響が弱く、平年に比べ曇りや雪の日が少ない。
・ 北日本太平洋側では、低気圧の影響を受ける日もあり、平年に比べ晴れの日が少ない。
・ 東・西日本では、強い冬型の気圧配置の影響で、日本海側では、平年に比べ曇りや雪また
は雨の日が多く、太平洋側では、平年に比べ晴れの日が多い。
・ 沖縄・奄美では、寒気の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(2/18~3/3)
・ 500hPa 高度は、引き続き東谷傾向だが、東日本以西は正偏差、北日本以北は負偏差が見られる。
これには、2 週目オホーツク海付近に残っていたブロッキング高気圧が解消し、極うずの一部
がオホーツク海付近に南下するため、北日本で負偏差となることによる。極うずの南下には不
確実性があるもののスプレッドは比較的小さく、この傾向は採用する。
・ 200hPa流線関数では、フィリピン付近の対流活動が活発な状態が続くことから、インドシナ半
島の北の高気圧性循環偏差を強め、日本の東海上で偏西風が南へ蛇行する傾向が続いている。
・ 海面気圧は、シベリア高気圧は強い傾向が見られる。
・ 850hPa気温は、大陸からの寒気の流れ込みや極うずの一部が南下している影響で、北・東日本
で負偏差、西日本では正・負の境目、沖縄・奄美では正偏差が予想されているが平年からの隔
たりは小さい。
・ 以上から、北日本では、寒気場の中で低温だが天候は平年と同様。東日本では、冬型の気圧配
置が強く、日本海側では多雨・寡照傾向、太平洋側では少雨・多照傾向。西日本と沖縄・奄美
では平年と同様の天候を見込む。
 想定される天候
・ 北日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪の日が多い。
・ 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
・ 東日本では、冬型の気圧配置が強く、日本海側では、平年に比べ曇りや雪または雨の日が
多く、太平洋側では、平年に比べ晴れの日が多い。
・ 西日本日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多い。
・ 西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
・ 沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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