全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月10日

全般季節予報支援資料 1か月予報 2016年3月10日
予報期間:3月12日~4月11日 気象庁地球環境・海洋部
全般季節予報
(1) 特に注意を要する事項
全国的に、期間の前半は気温がかなり高くなる可能性があります。
(2)出現の可能性が最も大きい天候
北・東日本日本海側では、天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が多いでしょ
う。北日本太平洋側では、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。西
日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東・西日本太平洋側では、天気は数日の
周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少ないでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に曇り
や雨の日が多いでしょう。
(3)確率
気温(%)
1か月
降水量(%)
日照時間(%)
少 並 多
少 並 多
1か月
低 並 高
北日本
10:30:60
北日本日本海側
北日本太平洋側
40:40:20
30:40:30
20:30:50
30:40:30
東日本
10:30:60
東日本日本海側
東日本太平洋側
40:40:20
20:30:50
20:30:50
40:40:20
西日本
10:40:50
西日本日本海側
西日本太平洋側
30:40:30
20:30:50
30:40:30
40:40:20
沖縄・奄美
20:40:40
沖縄・奄美
20:40:40
30:40:30
1 週目(%)
2 週目(%)
3~4 週目(%)
低 並 高
低 並 高
低 並 高
北日本
10:40:50
10:30:60
20:40:40
東日本
20:30:50
10:30:60
20:40:40
西日本
20:40:40
10:30:60
20:40:40
沖縄・奄美
40:40:20
10:30:60
30:40:30
気温
最近1週間の天候経過
最近1週間(3/3~3/9)は、日本付近は高気圧と低気圧が交互に通過し、全国的に天気は数日の
周期で変わった。南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすく、気温は全国的に平年を上回り、沖
縄・奄美や東日本太平洋側では、大雨となった所があった。
気温は全国で平年を上回った。降水量は北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美
で平年を上回り、北日本太平洋側、東日本日本海側で平年を下回った。日照時間は、北日本太平洋
側、東日本で平年を下回り、北日本日本海側、西日本、沖縄・奄美で平年を上回った。
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予報資料の解釈
●1か月(3/12~4/8)
・ 500hPa 高度は、日本付近はゾーナルで、本州以北では東西に高度が高い。
・ 海面気圧は、日本の西と日本の南で負偏差、北日本から日本の東海上が正偏差で、北日本を中
心に高気圧に覆われやすい。一方、日本の南海上の負偏差に対応して低気圧の活動が活発とな
る時期がある見込み(以下の熱帯の循環場とも関連している)。
・ 850hPa 気温は、日本付近は全体的に正偏差で、モンゴル付近では+3℃以上の正偏差。
・ 熱帯の対流活動は、MJO は実況ではアフリカ大陸からインド洋付近にあるものと考えられる。1
週目はインド洋から海洋大陸付近、その後は不明瞭。これに関連して、200hPa 速度ポテンシャ
ルでは、インド洋付近と太平洋中部から東部にかけて発散偏差が見られるが、収束・発散偏差
ともに明瞭な偏差の所はない。
・ 200hPa流線関数偏差では、西からの波列の影響で、日本の南海上で低気圧性循環偏差が見られ、
下層の低気圧性循環偏差と対応している。
・ 850hPa 流線関数偏差では、ベンガル湾からフィリピンの東海上で対流不活発となっていること
に対応して、高気圧性循環偏差、その北の日本の南海上で東西に低気圧性循環偏差が見られる。
●1週目(3/12~3/18)
・ 500hPa 高度は、日本付近は正偏差で、本州の東で正偏差が大きい一方、沖縄の南では負偏差が
見られる。日本付近はゾーナルから西谷傾向。
・ 850hPa 気温は、本州以北で正偏差。日本の南で負偏差が見られる。
・ 海面気圧は、日本の西で負偏差、日本の東が正偏差で日本海付近に高気圧が予想されている。
・ 以上から、全国的に天気は数日の周期で変わり、西谷傾向から南からの暖湿気流の影響を受け
るため、東・西日本太平洋側では、天候は平年同様だが多雨傾向。沖縄・奄美では高気圧に覆
われる日が多く多照傾向だが、南からの暖湿気流の影響が強く、多雨傾向。日本海付近に高気
圧が予想されていることから、北・東日本日本海側では晴れの日が多い。
 想定される天候
・
・
・
・
北・東・西日本では、天気は数日の周期で変わる。
北・東日本日本海側では、高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れの日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、高気圧に覆われやすく、平年に比べ曇りや雨の日が少ない。
●2週目(3/19~3/25)
・ 500hPa 高度は、日本付近は全般に高度が高く、日本の西でより正偏差が大きい。日本付近は東
谷傾向。また、200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響で、日本の南東海上で低気圧性
循環偏差。
・ 海面気圧は、北海道以北で正偏差が見られ、北日本では高気圧の影響を受けやすい。一方、本
州以南では、負偏差で周期的に低気圧の影響を受ける。
・ 850hPa 気温は、日本付近は全般に+2℃以上の正偏差で、大陸側で正偏差が大きい。
・ 熱帯の対流活動は、インド洋から太平洋の赤道域ではやや活発で、上層発散偏差。ベンガル湾
からフィリピンの東海上にかけては、上層収束偏差で対流活動は不活発が予想されている。こ
のため、下層の循環はフィリピンの南海上を中心に東西に高気圧性循環偏差。日本の南で東西
に低気圧性循環偏差が見られる。
・ 以上から、天候は、北日本を中心に高気圧に覆われ、北・東日本日本海側では平年に比べ晴れ
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の日が多い。その他の地方では、低気圧の影響を周期的に受けるものの、影響はほぼ平年程度
で、天候は平年と同様。
 想定される天候
・
・
・
・
北・東・西日本では、天気は数日の周期で変わる。
北・東日本日本海側では、高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れの日が多い。
北・東・西日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
沖縄・奄美では、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
●3~4週目(3/26~4/8)
・ 500hPa 高度は、日本付近は正偏差の所が多いが、東シナ海を中心に東西に負偏差が見られる。
ただし、スプレッドは大きい。
・ 海面気圧は、日本付近は負偏差。
・ 850hPa 気温は、本州以北は正偏差、沖縄・奄美は負偏差。
・ 熱帯の対流活動は、ベンガル湾付近からフィリピンの東海上で不活発。
・ 200hPa 流線関数偏差では、西からの波列の影響が見られ、華南付近を中心に低気圧性循環偏差
が予想されている。
・ 850hPa 流線関数偏差では、ベンガル湾からフィリピンの東の対流不活発に対応して、高気圧性
循環偏差が見られる。
・ これらのことから、フィリピン付近の高気圧性循環偏差の周りを回って、日本の南海上には湿
った空気が流れ込みやすく、日本の南海上は低気圧の通り道となる傾向が考えられ、東・西日
本太平洋側と沖縄・奄美で多雨・寡照傾向。その他の地方では平年と同様の天候を見込む。な
お、全国的な高温は、スプレッドが大きいことから全体に平年に寄せて、北日本から西日本で
は平年並か高く、沖縄・奄美ではほぼ平年並とする。
 想定される天候
・ 北・東・西日本では、天気は数日の周期で変わる。
・ 北日本太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多い。
・ 東・西日本太平洋側では、低気圧や前線の影響を受けやすく、平年に比べ晴れの日が少な
い。
・ 沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
気象庁ホームページ
○季節予報 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/001_00.html
○向こう1か月の天候の見通し(1か月予報の解説)」 http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/pdf/pdf1/001.pdf
も参照してください。
この資料は、気象事業者等が気象庁の提供する季節予報の根拠を理解するための補助資料であり、
そのままの形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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