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欧州
2015年2月20日
ギリシャの混乱再開は防げるか?
ユーロ圏財務相とギリシャの金融支援を巡る交渉は、ギリシャ側が譲歩案を提示したものの、ドイツなどが内容に難
色を示しており、交渉の行方は予断を許しませんが、最終的には両者、合意を目指す可能性が高いと思われます。
ギリシャ支援延長申請:
ユーロ圏、2月20日に財務相会合
ギリシャ政府は2015年2月19日、EFSF(欧州金融安定ファシ
リティ)による金融支援の実施期限(2月28日)の6ヵ月間の
延長をユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長に対し申
請しました。ギリシャ当局は財政破綻を回避するため、譲歩
案を提示して妥協点を探る模様です。仮にギリシャが新たな
支援への合意が得られない場合、2015年3月末までに手元
資金が枯渇すると見られています。6ヵ月の延長で当座をし
のぎながら、一段の債務軽減や成長重視の措置を盛り込ん
だ長期的な支援合意を債権団から引き出したい考えと見ら
れます(図表1参照)。2月16日の財務相会合での最後通告を
受け、延長申請に迫られた形ですが、20日の会合でまとまる
か予断は許されない状況です。ドイツ財務省報道官は19
日、ギリシャの提案に対し本質的な解決策ではないと懐疑
的な見方を示しているなど事態は流動的な面もあります。
どこに注目すべきか
ギリシャ譲歩案、国民世論、国債購入
ギリシャへの金融支援を巡るユーロ圏財務相との交渉は、
ギリシャ側が譲歩案を提示したものの、ドイツなどが難色を
示しており、20日の会合でまとまるか予断を許しませんが、
合意できなかった場合の代償は大き過ぎ、どのような形に
せよ、最終的には両者、合意を目指す可能性が高いと思わ
れます。
まず、会合での交渉を難しくしている理由を見てみると、ドイ
ツ、フィンランド、スロバキアなどは国民の説得が難しいとい
う政治的な背景が考えられます。財政に余裕のあるドイツや
フィンランドなどは支援に多額の負担を負うことへの抵抗が
あり、反対にスロバキアのロベルト・フィツォ首相は他の国を
救済する余裕がないとして反対を表明しています。
一方、反緊縮政策を旗印とするギリシャ新政権は反緊縮を
訴えるたびに支持率があがる状況では、拳をおろしにくい状
況であることなどが交渉を難しくしていると思われます。
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したがって、20日の交渉でギリシャの譲歩案が受け入れられ
るか不透明な部分もありますが、最終的には合意を模索する
可能性が高いと見られます。
まず、ギリシャの資金繰りは綱渡りであり、金融支援がなけれ
ば3月には資金枯渇の懸念が指摘されており、その後も国債
償還が控えるなど、(最後は更なる妥協をしてでも)期限延長
等の合意を引き出すインセンティブは高いと思われます。
次に、ギリシャ支援に難色を示しているドイツなども、国内事
情から甘い顔はできないにしても、さりとて厳しすぎる対応の
結果、ユーロ債務危機の再来を生むリスクを負う可能性も低
いと思われます。ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が3月5日
の政策理事会で国債購入の詳細を公表する予定ですが、2月
19日に公表されたECBの議事要旨で、国債購入を導入する主
な理由はデフレ対策など経済の下支えです。ユーロ圏債務危
機の最悪期に行われたような信用リスク悪化による国債購入
(不可能ではないものの)の側面が強い場合、経済下支えの
効果が懸念されます。ユーロ圏の成長率は足元ようやくプラス
へと回復していますが、ユーロ債務危機の最悪期に成長率が
マイナスで推移していたことも記憶に新しいところです。
事態の推移を懸念してか、報道では、米国までもが交渉への
関与をほのめかすなど関心は高まってます。交渉の結果を予
測するのは困難ですが、最終的に合意できなかった場合の代
償は大きすぎると思われます。
図表1:ギリシャの主な資金繰りスケジュールのイメージ
7月
ギリシャ国債償還
ECB等保有分
8月
ギリシャ国債償還
ECB等保有分
約35億
ユーロ
約32億
ユーロ
2月28日
ユーロ圏支援
延長期限
出所:各種報道等をもとにピクテ投信投資顧問作成
ギリシャ
6ヵ月の期限延長
2015年3月5 日
ECB政策理事会
国債購入詳細公表
3月資金
枯渇懸念
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