FOMC議事録、新鮮味はないが

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2015年1月8日
FOMC議事録、新鮮味はないが
今回公表されたFOMC議事録の内容はイエレン議長が12月16~17日のFOMC後の記者会見で言及した内容と重
なっており新鮮味に欠けていましたが、別の見方をすれば、金融当局と市場との対話の改善の結果とも考えられます。
FOMC議事録:4月より前の利上げの可能性
小さいと認識
米連邦準備制度理事会(FRB)は2015年1月7日(現地時間)
に米連邦公開市場委員会(FOMC、2014年12月16~17日開
催)の議事録を公表しました。議事録で、大部分の参加者が
利上げに関して「辛抱強く」なるとは、4月以前の利上げの可
能性は低いという意味であることが再確認されました。一方
で、インフレ率は目標値(2.0%)を長期間下回り続ける可能性
が示唆されています。
ぼ均衡しているとしています。原油安は米国経済にとってプラ
スが期待できることから、他国に懸念されるマイナス分はバラ
ンスすると見ている模様です。
3つ目は、 FOMCは労働市場については、総じて回復という認
識で一致していますが、雇用市場の回復に比較して賃金の
加速については慎重な見方を維持しています。
最後に、まだ明確でないポイントのひとつは、利上げ後の金
融引き締めのペースです。拡大したFRBのバランスシートを
縮小させるテクニカルな問題を含め、引き締めのペースに今
後の関心がシフトするものと見ています。
2015年、市場との対話が再び重要になると思われます。
どこに注目すべきか
PCE価格指数、期待インフレ率、原油安
今回公表されたFOMC議事録の内容はイエレン議長が12月
16~17日のFOMC後の記者会見ですでに言及した部分がほ
とんどで新鮮味に欠けているとも言えますが、別の捉え方を
すれば、2013年5月の量的金融緩和縮小の示唆とそれに伴
う市場の混乱(図表1参照)が見られない最近の状況は、金
融当局と市場の対話の改善の結果かもしれません。
議事録で確認された内容は以下のとおりです。
1つ目は、(コア)インフレ率が現状近くで推移しても利上げ開
始の可能性があると指摘したことです。米国のインフレ率は
ドル高と原油安などを背景に足元低下しています(図表2参
照)。しかし議事録で確認できることは足元のインフレ率の低
下を短期的と見ていることです。FOMCの四半期経済予想を
見るとインフレ率が2%を回復するのは2017年ころもしくはそ
れ以降と見られますが、それ以前であっても労働市場の継
続的な改善及び安定した期待インフレ率という条件の下では
利上げ開始の可能性があるとしています。これはインフレ率
の低下を理由に利上げ時期が多少後ずれする可能性(ピク
テはその可能性はあると見ています)はあるものの、極端な
後ずれシナリオは考えにくいと思われます。
2つ目は原油安などを背景に世界経済の減速が米国の成長
へ影響を及ぼすリスクについては、FOMCメンバーの中で意
見が割れている面も見られますが、総じて見るとリスクはほ
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:米国10年国債利回りの推移
(日次、期間:2013年1月7日~2015年1月7日)
3.5
%
米10年国債利回り
3.0
2.5
※2013年5月頃:バーナンキ議長
(当時)が量的金融緩和縮小を示
唆、国債利回りは急上昇
2.0
1.5
13年1月
13年7月
14年1月
14年7月
15年1月
図表2:米国個人消費支出(PCE)価格指数の推移
(月次、前年同月比、期間:2010年1月~2014年11月)
3.0
2.5
%
PCEコア価格指数
インフレ目標
=2%
PCE価格指数
2.0
1.5
1.0
0.5
10年1月
11年1月
12年1月
13年1月
14年1月
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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