ユーロ圏消費者物価:コア・インフレは過去最低水準に

ご参考資料
ピクテ・マーケット・フラッシュ 2015年2月3日
先進国
Pictet Market Flash
ユーロ圏消費者物価:コア・インフレは過去最低水準に
2015年1月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)は、総合インフレ率がマイナス幅を広げ、コア・インフレ率も過去最低
水準に低下しました。当面の優先課題は期待インフレ率低下への対応です。3月開始の欧州中央銀行(ECB)の量
的金融緩和は、バランスシートの拡大とマネーサプライの伸びを通じて、これを下支えするものと考えます。
消費者物価の下落続く
図表1:ユーロ圏インフレ率の推移
(月次、期間:1999年1月~2015年1月)
2015年1月のユーロ圏消費者物価指数(総合インフレ
率、CPI)はマイナス幅を拡大し、コア・インフレ率は、過
去最低水準を記録しました。一方、マネーサプライは改
善基調が確認されました。
もっとも、マネーサプライの改善がマイナスのインフレ
率を阻止するに十分な水準にまで回復したとは言えそ
うにありません。また、コア・インフレ率の低下が示唆す
る通り、原油価格の下落に伴って、デフレ圧力が増す
ものと予想されます。
%、前年同月比
4
2%(ECB目標)
3
総合インフレ率
2
1
コア・インフレ率
0
-1
コアCPIは過去最低水準に
99年
欧州連合統計局(ユーロスタット)が発表した2015年
1月のユーロ圏CPI(速報値)は前年同月比-0.6%と市場
予想を下回り、 2014年12月の同-0.4%からさらに低下
しました。また、エネルギー、食品、アルコール飲料・タ
バコを除いた1月のコア・インフレ率も、前月の同+0.7%
から同+0.6%へと低下し、通貨ユーロ創設以来の最低
水準を記録しました(図表1参照)。
広範囲の物価下落
01年
03年
05年
07年
09年
11年
13年
15年
出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
マネーサプライは改善基調
CPIの構成項目では、1月のエネルギー工業品価格が
前月比-2.8%となり、下げに拍車がかかりました。また、
前年同月比では-8.9%と、2014年12月の同-6.3%から下
げを拡大しました。一方、1月の食料品価格は、前月比
で+0.4%、前年同月比で-0.1%と概ね安定推移しました。
コア・インフレ率の構成項目では、1月の非エネルギー
関連の工業品価格が前年同月比で-0.1%とマイナス圏
に落ち込んだ他、 サービス価格は前月比-0.6%、前年
同月比では+1.0%となりました。
インフレ率が低位に留まった一方、2014年12月のユー
ロ圏M3(広義のマネーサプライ指標)の伸び率は前年
同月比+3.6%と予想の同+3.5%ならびに11月の同+3.1%を
ともに上回りました。欧州中央銀行(ECB)のバランス
シートの拡大とベース効果が寄与しました。
また、2014年12月のユーロ圏M1(狭義のマネーサプラ
イ指標)の伸び率も前年同月比+7.8%と11月の同+6.9%
を上回りました。
<次ページに続きます>
ピクテ投信投資顧問株式会社
巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。
1
2
ご参考資料
Pictet Market Flash
先進国
企業向け融資はプラス転換
2014年12月の民間向け銀行融資は32ヵ月連続で減少
したものの、11月の前年同月比-0.9%に対して同-0.5%
と、減少率は縮小しました。12月の非金融企業向け銀
行融資は増加し、2012年7月以来初めてプラスに転じ
ました。住宅ローン融資の増加を受けて家計向け融資
も増加しましたが、消費者信用は若干の減少に終わり
ました。
ECBが四半期毎に実施する銀行貸出調査が示唆する
通り、融資条件は徐々に緩和される公算が高いと考え
ます。民間各行は、2015年1-3月期を通じ、融資条件
の緩和を続けることが予想されます。当調査は、融資
全般に対する需要の増加を示唆しています。
総合インフレ率はマイナス圏で推移
課題は期待インフレ率の安定化
当面の最優先課題は、期待インフレ率低下への対応
です。期待インフレ率を測る指標としてECBが注視して
いるユーロ圏の5年先5年物ブレイクイーブン・フォワー
ドレートは、量的金融緩和を発表した1月22日にいった
ん1.7%台へ上昇したものの、その後は1.5%台に戻して
います。 ECBが勝利宣言をするには時期尚早ですが、
3月に量的金融緩和が開始されれば、ECBのバランス
シートの拡大と狭義のマネーサプライの伸びが期待イ
ンフレ率の安定化に寄与するものと考えます。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内
容が変更される場合があります。
足元発表の経済指標は、マネーサプライが回復基調
にあることを示唆しています。
域内主要行を対象とした資産査定とストレステストの終
了ならびに中小企業向け融資に目標を定めた長期性
資金供給オペ(TLTRO)の継続に加え、3月のECBの量
的金融緩和開始を控え、狭義のマネーサプライは、
2015年を通じて伸びを加速させるものと考えます。ただ
し、ギリシャやロシアを巡る緊張が、信用の需要と供給
を下押し続ける可能性は否めません。
一方、マネーサプライの改善がインフレの低下傾向を
断ち切る公算は低いと考えます。域内経済を取り巻く
環境が、総じてデフレの状況に留まっているからです。
ユーロ圏の大半の加盟国では、総需要が伸び悩み、
失業率が高止まりしています。したがって、インフレの
安定には時間を要するものと考えます。
当資料をご利用にあたっての注意事項等
●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場
の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将
来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用
目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象
ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、
会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。
2
2