減塩と血圧 - e-CLINICIAN

◎減塩と血圧について
ω減塩によって降圧効果がある人とない人は半
受性の見分け法はいかにしたらよいか。効果のな
半とのことですが、実地医家として患者の食塩感
い人には減塩を勧めなくともよいか。あるいは他
に何かメリットがあるか︵例えば水分の貯留を防
ぎ、心の負担を減らすなど︶。
⑭ 減塩によって降圧効果が出るのは何日め頃か
らですか。
ますが、食塩をどれくらいの量︵何9︶、またどれ
⑥ 患者は血圧が高いと漬物を食べすぎたといい
くらいの期間摂取すると血圧が上がりますか。
︵新潟市、内科︶
回答︵千葉蕪購舗義醐︶
正常血圧者では多くの場合、血圧は食塩摂取量
の多寡による影響を受け難く、高血圧の重症度が
高くなるにつれて、血圧値は食塩摂取量の影響を
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つ
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るとする 報 告 も あ る が 、 高 血 圧 症 の 治 療 の 観 点 か
塩摂取量を七9以下にすれば若干の降圧効果があ
が、平均値で一〇∼一二 9 と 推 定 さ れ て い る 。 食
一日食塩摂取量は、地域差、個人差がかなりある
続けるのは困難と考えられる。一般に、日本人の
慣れた日本人では特に、 食 塩 無 添 加 の 食 事 を 長 く
った食塩を多く含む調味料を主体とした食生活に
また、減塩食といっても、塩、醤油、味噌とい
であるの が 現 状 で あ る 。
定基準は研究の目的とする対象によってまちまち
いて検討している。しかし、その分類のための判
塩感受性と非感受性に分類して、種々の因子につ
し、各期問における血圧 に 差 が あ る か ど う か で 食
なし︶の低塩食期をそれぞれ七日ないし一〇日と
いはそれ以上の高塩食期と、一∼三9︵添加食塩
する研究では、一日食塩摂取量一二∼二〇9ある
受け易くなる傾向にある 。 血 圧 の 食 塩 感 受 性 に 関
り強く発現するので、降圧薬治療を実施している
れたことと同時に、減塩により降圧薬の効果がよ
防できる可能性が考えられる。質問の中に指摘さ
がわかっており、ストレス等による異常昇圧が予
カテコラミンに対する昇圧反応性が減弱すること
食塩非感受性の症例でも、減塩によって外因性
が現状である。
感受性か非感受性かを判定するよい方法はないの
残念ながら、任意の一時点での検査結果から食塩
ているが、これらは減塩したときとの比較であり、
ンやアルドステロンの抑制が小さいことが示され
容体反射機能が低下したり、血漿ノルアドレナリ
受性の症例では、食塩摂取量の過剰な状態で圧受
低下が生じるためとも考えられる。また、食塩感
が重症化するにつれて、腎のナトリウム排泄能の
よって降圧する頻度が高くなる。これは、高血圧
ω全体として、血圧値の高い症例ほど減塩食に
これらを念頭において質問に答えたい。
場合には、薬の使用量を減少できる可能性もある。
らは、五 9 以 下 に 制 限 す る 必 要 が あ る と さ れ て い
る。
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つ
減塩食の指導が熱心に行われた後、脳血管障害に
また、食塩 摂 取 量 の 多 か っ た 東 北 地 方 に お い て 、
い場合には数日かかるようであるが、減塩による
向を示すことがある。このような極端な変化でな
食塩感受性の症例では、二日めから血圧の上昇傾
いる。
降圧効果の出現よりは早期に現れるものと考えて
よる死亡率が減少したという結果もあり、高血圧
も減塩を勧めることは必要と考えられる。ただし、
文献
合併症の予防のためにも、食塩非感受性であって
食事指導を行う場合に常に注意しなくてはならな
D坂口 明”本態性高血圧症における血圧の食塩感受性
一∼一九八、一九八八
と自律神経性血圧調節機構、脈管学二八︵三︶二九
いことであるが、食塩制限だけに患者への注意が
集中して、食欲低下等により、栄養のバランスを
崩さないようにすること、また腎機能の悪化や、
血液の濃縮が生じないことを確認しながら行う必
要がある。
ω日常の食塩摂取量、減 塩 の 程 度 に よ っ て 、 降
圧効果の出現するまでの日数にも降圧の程度にも
差が出ると考えられるが、前述の研究的な極端な
減塩を行った場合でも、二∼三日で降圧する症例
もあれば数週間を要する症例もあり、個人差が非
常に大きいと考えられる。
㈹これも個人差が大きいが、食塩無添加の食事
から一五∼ 二 〇 9 の 食 塩 摂 取 量 に 増 量 し た 場 合 、
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ヲ
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