骨関節X線写真の読み方 - e-CLINICIAN

症
の
単
純
X
線
所
見
を
以
下
に
挙
げ
る
。
の
低
下
と
し
て
見
る
こ
と
が
で
き
る
。
特
徴
的
な
骨
粗
鬆
変
形
性
脊
椎
症
は
主
に
頸
椎
と
腰
椎
に
顕
著
と
な
り
、
2)
変
形
性
脊
椎
症
に
よ
る
所
見
61
よ
っ
て
も
変
化
し
定
量
的
な
指
標
で
は
な
い
が
、
骨
濃
度
単
純
X
線
写
真
上
の
骨
濃
度
の
変
化
は
、
撮
影
条
件
に
1)
骨
粗
鬆
症
に
よ
る
所
見
望
ま
れ
る
。
真
で
も
観
察
で
き
る
の
で
、
日
常
的
に
観
察
す
る
習
慣
が
ら
ず
他
の
目
的
で
撮
影
さ
れ
た
胸
部
・
腹
部
単
純
X
線
写
の
高
い
病
態
の
診
断
に
役
立
つ
所
見
を
述
べ
る
。
画
像
診
断
を
行
う
上
で
注
目
す
る
べ
き
主
な
項
目
や
頻
度
の
重
要
性
が
高
く
、
日
常
的
に
多
く
用
い
ら
れ
て
い
る
。
像
診
断
法
が
確
立
、
普
及
し
た
現
在
で
も
単
純
X
線
撮
影
こ
れ
ら
の
所
見
は
、
骨
関
節
の
単
純
X
線
写
真
の
み
な
・
長
管
骨
骨
皮
質
の
菲
薄
化
・
脊
椎
椎
体
の
扁
平
化
、
楔
状
椎
体
︵
図
!
︶
に
お
け
る
荷
重
方
向
の
骨
梁
の
明
瞭
化
︶
CLINICIAN ’02 NO. 509
高
齢
者
の
整
形
外
科
的
疾
患
の
領
域
で
は
、
各
種
の
画
は
じ
め
に
・
骨
梁
パ
タ
ー
ン
の
変
化
︵
脊
椎
椎
体
や
大
腿
骨
頸
部
・
骨
濃
度
の
低
下
骨
関
節
X
線
写
真
の
読
み
方
︿高
部齢
位者
別に
﹀お
け
る
画
像
診
断
の
ポ
イ
ン
ト
原
澤
有
美
(3
6
3)
!
シ
ュ
モ
ー
ル
結
節
︶
7
4歳、女性。胸腰椎移行部の椎体に圧迫骨折が
多発している。骨粗鬆症による圧迫骨折の好発
部位である。
(3
6
4)
・
椎
体
の
変
化
︵
椎
体
終
板
の
硬
化
像
、
骨
棘
形
成
、
狭
窄
が
起
こ
り
、
疼
痛
、
神
経
症
状
の
原
因
と
な
る
。
ー
ム
現
象
、
椎
間
板
石
灰
化
︶
こ
れ
ら
の
所
見
の
複
合
に
よ
り
脊
椎
管
狭
窄
、
神
経
孔
・
椎
間
板
腔
の
変
化
︵
椎
間
板
腔
の
狭
小
化
、
バ
キ
ュ
変
に
起
因
す
る
脊
椎
辷
り
症
、
脊
椎
測
弯
︶
目
点
を
列
記
す
る
。
・
ア
ラ
イ
ン
メ
ン
ト
の
異
常
︵
椎
間
関
節
の
変
形
性
病
度
や
進
行
度
、
所
見
、
症
状
は
多
岐
に
わ
た
る
。
主
な
注
帯
の
骨
化
︶
種
々
の
関
節
の
複
合
か
ら
成
り
、
加
齢
に
よ
る
変
性
の
頻
・
軟
部
組
織
の
変
化
︵
黄
靱
帯
の
骨
化
、
前
・
後
縦
靱
る
。
脊
椎
は
解
剖
学
的
、
組
織
学
的
、
力
学
的
に
異
な
る
骨
棘
形
成
、
神
経
孔
狭
小
化
︶
CLINICIAN ’02 NO. 509
上
肢
の
知
覚
・
運
動
障
害
や
下
肢
痛
・
腰
痛
の
原
因
と
な
・
椎
間
関
節
の
変
化
︵
関
節
腔
の
狭
小
化
、
骨
硬
化
、
62
!
加
齢
は
関
節
軟
骨
の
脆
弱
性
を
増
大
さ
せ
る
最
も
7
9歳、女性。腰痛、鼠径部痛。仙骨には両側仙腸関節の内側に不均一 大
な骨硬化像がある。右恥骨上枝と左腸骨翼に不均一な骨硬化がある。 き
い
不全骨折。
63
外
傷
か
ら
生
じ
る
。
代
表
的
な
骨
折
は
前
腕
、
骨
盤
骨
、
下
な
ど
の
た
め
に
、
日
常
的
な
動
作
に
関
連
し
て
軽
微
な
の
脆
弱
性
や
筋
力
の
低
下
、
体
勢
保
持
の
バ
ラ
ン
ス
の
低
高
齢
者
の
骨
折
の
多
く
は
骨
粗
鬆
症
を
基
盤
と
し
た
骨
4)
骨
折
を
見
落
と
さ
な
い
た
め
に
・
軟
部
腫
脹
︵
滑
膜
肥
厚
、
関
節
液
貯
留
︶
・
関
節
内
遊
離
体
CLINICIAN ’02 NO. 509
・
骨
棘
︵
主
に
関
節
辺
縁
部
に
形
成
さ
れ
る
︶
・
軟
骨
下
嚢
胞
︵
ガ
ス
像
を
含
む
こ
と
が
あ
る
︶
骨
下
骨
の
脆
弱
性
、
骨
梁
の
破
壊
、
虚
脱
︶
・
軟
骨
下
骨
の
変
化
:
大
腿
骨
近
位
部
に
発
生
す
る
。
典
型
的
な
症
状
、
受
傷
機
骨
硬
化
、
扁
平
化
、
変
形
︵
軟
・
関
節
腔
の
狭
小
化
︵
関
節
軟
骨
の
菲
薄
化
︶
き
所
見
を
列
記
す
る
。
ど
の
症
状
に
基
づ
い
て
行
わ
れ
る
が
、
一
般
に
注
目
す
べ
画
像
検
査
は
、
各
関
節
の
疼
痛
・
腫
脹
・
可
動
域
制
限
な
一
連
の
関
節
症
で
、
種
々
の
要
因
が
関
与
し
て
い
る
が
、
変
形
性
関
節
症
は
主
に
関
節
軟
骨
の
変
性
か
ら
始
ま
る
3)
変
形
性
関
節
症
に
よ
る
所
見
に
高
頻
度
に
出
現
す
る
。
単
純
X
線
撮
影
を
始
め
と
す
る
指
関
節
、
肩
関
節
、
股
関
節
、
膝
関
節
な
ど
の
滑
膜
関
節
要
因
で
あ
る
。
大
小
の
各
関
節
に
生
じ
る
が
、
手
根
・
手
(3
6
5)
!
観
察
中
に
疼
痛
に
よ
っ
て
発
症
し
、
画
像
検
査
で
診
断
さ
悪
性
腫
瘍
の
既
往
歴
が
あ
っ
た
り
、
治
療
中
ま
た
は
経
過
性
腫
瘍
の
骨
転
移
を
念
頭
に
置
く
必
要
が
あ
る
。
す
で
に
の
で
、
骨
破
壊
・
溶
骨
性
病
変
に
遭
遇
し
た
場
合
は
、
悪
成
人
の
骨
腫
瘍
は
転
移
性
骨
腫
瘍
の
頻
度
が
最
も
高
い
5)
骨
転
移
か
ら
発
見
す
る
悪
性
腫
瘍
明
確
な
場
合
は
M
R
I
が
有
用
で
あ
る
。
の
原
因
に
な
る
こ
と
が
あ
る
の
で
、
単
純
X
線
写
真
で
不
認
が
重
要
で
あ
る
。
ま
た
原
因
不
明
の
腰
痛
、
股
関
節
痛
と
の
鑑
別
が
問
題
と
な
る
こ
と
も
あ
る
の
で
既
往
歴
の
確
転
、
単
純
X
線
写
真
上
の
明
瞭
な
骨
折
所
見
︵
骨
折
線
、
悪
性
腫
瘍
の
既
往
の
あ
る
場
合
に
は
、
転
移
性
骨
腫
瘍
・
・
線 度 注 大 不
状 低 目 腿 全
・ 下 す 骨 骨
帯
べ 頸 折
状
き 部 の
の
所 ︶ 好
骨
見
発
硬
部
発
化
位
症
像
仙
初
骨
期
︵
に
両
は
側
限
翼
局
、
性
恥
の
骨
骨
、
濃
CLINICIAN ’02 NO. 509
:
(3
6
6)
れ
る
こ
と
が
多
い
が
、
と
き
に
骨
転
移
が
原
発
巣
に
先
行
骨
折
片
の
変
位
、
軟
部
腫
脹
な
ど
︶
が
確
認
で
き
れ
ば
診
:
︵
7
3
ペ
ー
ジ
へ
つ
づ
く
︶
し
て
発
見
さ
れ
る
こ
と
が
あ
る
︵
図
"
︶
。
そ
の
よ
う
な
断
は
容
易
で
あ
る
が
、
高
齢
者
に
特
有
な
骨
粗
鬆
症
に
よ
の
慢
性
的
な
疼
痛
を
呈
し
、
画
像
所
見
が
不
明
瞭
な
こ
と
6
8歳、女性。背部異和感。右第6肋骨上縁の輪郭が消失
している。超音波検査で左腎に3#大の腎細胞癌が発見
された。
経
過
を
と
る
頻
度
の
高
い
腫
瘍
に
は
、
腎
細
胞
癌
、
肺
癌
、
る
不
全
骨
折
の
場
合
に
は
、
外
傷
機
転
は
不
明
確
で
局
所
が
少
な
く
な
い
︵
図
!
︶
。
64
普
及
に
よ
り
、
骨
関
節
・
脊
椎
の
画
像
情
報
は
よ
り
具
体
の
注
目
点
を
明
確
に
す
る
こ
と
が
望
ま
し
い
。
M
R
I
の
こ
と
が
多
く
、
病
態
の
把
握
と
検
討
を
も
と
に
画
像
所
見
︵
脊
椎
症
を
含
む
︶
と
そ
の
合
併
症
・
随
伴
症
か
ら
成
る
高
齢
者
の
骨
関
節
疾
患
は
骨
粗
鬆
症
・
変
形
性
関
節
症
お
わ
り
に
あ
り
、
所
見
に
応
じ
て
さ
ら
に
精
査
を
進
め
る
。
見
が
あ
れ
ば
、
胸
部
単
純
X
線
の
撮
影
を
加
え
る
必
要
が
ど
を
主
訴
に
受
診
し
た
場
合
に
も
骨
腫
瘍
を
疑
わ
せ
る
所
四
肢
や
腰
背
部
の
疼
痛
、
四
肢
の
知
覚
・
運
動
麻
痺
な
・
・
脊 限 長
椎 局 管
性 骨
椎 骨 ・
体 硬 肋
・ 化 骨
椎 、
弓 病 膨
根 的 張
の 骨 性
輪 折 骨
破
郭
壊
の
、
消
溶
失
骨
、
性
圧
骨
迫
破
骨
壊
折
、
:
的
に
な
り
、
ま
た
予
期
せ
ぬ
所
見
が
描
出
さ
れ
る
こ
と
も
:
少
な
く
な
い
。
単
純
X
線
撮
影
と
効
率
よ
く
組
み
合
わ
さ
転
移
性
骨
腫
瘍
の
主
な
所
見
を
列
記
す
る
。
針
の
決
定
に
際
し
て
も
全
身
的
な
検
索
が
必
要
と
な
る
。
一
部
だ
け
が
症
状
を
呈
す
る
こ
と
も
あ
る
の
で
、
治
療
方
︵
帝
京
大
学
講
師
放
射
線
科
学
︶
73
CLINICIAN ’02 NO. 509
甲
状
腺
癌
、
乳
癌
な
ど
が
あ
る
。
ま
た
多
発
性
骨
転
移
の
れ
る
こ
と
に
よ
っ
て
診
断
に
寄
与
す
る
こ
と
が
望
ま
れ
る
。
(3
7
5)
︵
6
4
ペ
ー
ジ
よ
り
︶