認知症の人の生活機能障害

ら
の
ア
プ
ロ
ー
チ
を
行
う
。
く
環
境
に
大
き
く
左
右
さ
れ
る
。
個
人
と
環
境
を
包
括
ま
た
、
ど
の
よ
う
な
生
活
を
送
る
か
は
患
者
を
取
り
巻
認
知
症
に
な
っ
て
も
﹁
で
き
る
﹂
こ
と
は
少
な
く
な
く
、
な
見
方
で
は
、
確
か
に
﹁
障
害
﹂
と
言
え
る
。
し
か
し
、
!
に
I
C
F
の
概
念
を
示
す
。
機 し
能 た
分 ﹁
類 健
I 康
C の
F 構
︵ 成
2 要
0 素
0 ﹂
11)の
︶ 分
へ 類
と で
移 あ
行 る
し 国
た 際
。 生
表 活
か
ら
、
常
に
環
境
因
子
や
個
人
因
子
と
の
関
連
を
考
慮
分
類
す
る
国
際
障
害
分
類
I
C
I
D
H
︵
1
9
8
0
︶
・
形
態
異
常
、
能
力
低
下
、
社
会
的
不
利
の
観
点
か
ら
生
活
に
困
難
を
き
た
し
た
状
態
﹂
で
あ
る
。
症
候
学
的
W
H
O
の
障
害
に
つ
い
て
の
考
え
方
は
、
機
能
障
害
が
以
前
よ
り
も
低
下
し
、
か
つ
、
職
業
・
社
会
・
日
常
︶
の
考
え
方
か
ら
認
知
・
行
動
の
障
害
に
よ
っ
て
、
能
力
・
活
動
の
水
準
認
知
症
と
は
、
﹁
せ
ん
妄
や
精
神
疾
患
に
よ
ら
な
い
国
際
生
活
機
能
分
類
I
C
F
︵
International
(3
5
2)
し
た
リ
ハ
ビ
リ
テ
ー
シ
ョ
ン
の
考
え
方
で
は
、
何
ら
か
Classification of Functioning,
第
1
部
の
﹁
生
活
機
能
と
障
害
﹂
で
は
、
心
身
機
能
の
障
害
が
生
じ
て
も
、
生
き
生
き
と
人
間
ら
し
く
生
活
Disability and Health
・
身
体
構
造
と
活
動
・
参
加
の
2
つ
の
構
成
要
素
を
肯
で
き
る
よ
う
に
、
障
害
と
生
活
機
能
の
両
方
の
側
面
か
認
知
症
の
人
の
生
活
機
能
障
害
認
知
症
の
パ
ラ
ダ
イ
ム
シ
フ
ト
認
知
症
の
人
の
生
活
を
知
る
石
合
純
夫
CLINICIAN ’12 NO. 608
26
!ICF の概念
第1部:生活機能と障害
構成要素
領域
構成概念
肯定的側面
否定的側面
第2部:背景因子
心身機能・身体構造
活動・参加
環境因子
個人因子
心身機能・身体構造
生活・人生領域
(課題、行為)
生活機能と
障害への外的影響
生活機能と
障害への内的影響
心身機能の変化
(生理的)
身体構造の変化
(解剖学的)
能 力:標 準 的 環 境
における課題の遂行
実 行 状 況:現 在 の
環境にお け る 課 題
の遂行
物的環境 や 社 会 的
環 境、人 々 の 社 会
的な態度 に よ る 環
境の特徴 が も つ 促
進的ある い は 阻 害
的な影響力
個人的な特徴の
影響力
機能的・構造的統合性
活動・参加
促進因子
非該当
阻害因子
非該当
生活機能
機能障害
(構造障害を含む)
活動制限
参加制約
障害
る
活
動
と
参
加
を
考
え
る
こ
と
で
あ
る
。
27
素
の
総
体
と
し
て
、
患
者
の
生
活
・
人
生
領
域
に
お
け
在 個 響 へ の 境 課 行 活 害 側 定
認 す 人 力 の 一 に 題 ﹁ 動 ﹂ 面 的
知 る 的 を 外 つ 左 遂 能 ・ で が 側
症 。 な 持 的 で 右 行 力 参 あ ﹁ 面
特 つ 影 あ さ の ﹂ 加 る 生 と
を
徴 。 響 る れ ﹁ が 面 。 活 否
診
の さ と ﹁ る 実 様 で 認 機 定
る
影 ら し 環 。 行 々 は 知 能 的
と
響 に て 境 I 状 な 標 症 ﹂ 側
は
力 、 促 因 C 況 形 準 は で 面
、
で 肯 進 子 F ﹂ で 的 心 あ か
こ
あ 定 的 ﹂ の は 障 環 身 り ら
の
る も あ は 第 、 害 境 機 、 捉
よ
﹁ 否 る 、 2 置 さ に 能 否 え
う
個 定 い 生 部 か れ お の 定 る
な
人 も は 活 ﹁ れ る け 障 的 。
健
因 で 阻 機 背 た 。 る 害 側 そ
康
子 き 害 能 景 現 し 課 で 面 の
の
﹂ な 的 と 因 在 か 題 あ が 肯
構
も い な 障 子 の し の り ﹁ 定
成
存 が 影 害 ﹂ 環 、 遂 、 障 的
要
CLINICIAN ’12 NO. 608
(3
5
3)
limb
り
や
す
く
、
記
憶
に
対
す
る
負
荷
は
比
較
的
少
な
い
。
含
む
。
一
般
的
に
は
、
各
段
階
の
実
行
し
た
結
果
が
残
的
多
段
階
行
為
は
簡
単
な
調
理
の
よ
う
な
内
容
ま
で
を
﹁
日
常
的
多
段
階
行
為
﹂
と
呼
ぶ
こ
と
に
す
る
。
日
常
検
討
さ
れ
る
よ
う
に
な
っ
た
。
こ
こ
で
は
、
意
訳
し
て
(3
5
4)
﹁
歳
の
せ
い
﹂
に
せ
ず
、
症
状
の
早
期
発
見
と
薬
物
治
自
体
に
よ
っ
て
意
欲
や
気
力
が
低
下
す
る
場
合
が
あ
り
、
手
順
の
あ
る
複
数
物
品
を
用
い
た
動
作
に
困
難
が
生
の じ
認
知
症
で
は
、
失
行
は
な
く
て
も
、
家
事
の
よ
う
な
作
の
﹁
つ
ま
ず
き
﹂
で
あ
る
こ
と
が
少
な
く
な
い
。
か
け
と
な
る
の
は
、
家
事
等
に
お
け
る
手
順
の
あ
る
動
療
の
対
応
が
必
要
で
あ
る
。
一
方
、
し
な
く
な
る
き
っ
観
念
失
行
で
問
題
に
さ
れ
た
が
、
今
日
で
は
、
る
。
こ
の
よ
う
な
動
作
は
、
か
つ
て
は
と
し
て
、
そ
の
障
害
要
因
が
多
角
的
に
Liepmann
apraxia
と
し
て
、
主
に
﹁
上
肢
を
用
い
て
、
一
つ
の
動
作
/
行
為
の
障
害
は
し
ば
し
ば
﹁
失
行
﹂
と
し
て
捉
え
ら
れ
る
こ
と
が
多
い
。
失
行
は
、
今
日
で
は
、
natural-
姿
勢
を
生
成
す
る
、
あ
る
い
は
、
健
常
人
な
ら
ば
数
秒
istic actions
で
完
結
す
る
特
徴
的
動
作
パ
タ
ン
︵
そ
の
繰
り
返
し
を
出
し
を
し
す
ぎ
た
り
す
れ
ば
で
き
な
く
な
る
。
認
知
症
っ
て
し
な
く
な
っ
た
り
、
時
間
が
か
か
る
と
い
っ
て
手
が
大
切
な
こ
と
は
言
う
ま
で
も
な
い
。
意
欲
低
下
が
あ
慣
れ
た
自
然
な
状
況
で
、
自
分
の
意
思
で
続
け
る
こ
と
作
す
る
動
作
が
含
ま
れ
る
。
こ
れ
を
維
持
す
る
に
は
、
家
事
の
多
く
は
、
手
順
に
そ
っ
て
複
数
の
物
品
を
操
!
家
事
等
の
動
作
が
難
し
く
な
っ
た
ど と
う き
考 に
え
る
か
家
事
等
の
動
作
に
お
け
る
つ
ま
ず
き
な 認 期 皮 で い い2)含
" い 知 か 質 で ぜ 。 む
日 。 症 ら 基 あ い 失 ︶
で み 底 る 単 行 を
常
は ら 核 。 一 と 実
的
、 れ 変 認 の 呼 行
多
中 る 性 知 道 ぶ す
段
等 。 症 症 具 の る
階
度 し で を と は 行
行
の か こ 生 そ 、 為
為
段 し の じ の 道 ﹂
の
階 、 よ る 対 具 の
障
で ア う 疾 象 を 障
害
も ル な 患 物 使 害
む ツ 失 の を う を
し ハ 行 中 用 場 指
ろ イ が で い 合 す
失 マ 比 は る で こ
行 ー 較 、 動 も と
は 病 的 大 作 、 が
少 の 早 脳 ま せ 多
CLINICIAN ’12 NO. 608
28
!日常的多段階行為の遂行に影響を与える要因と相互作用
る 等 ・
。 の 道
様 具
々 を
な 用
要 い
因 る
に 個
よ 々
っ の
て 行
﹁ 為
つ に
ま 失
ず 行
き が
﹂ な
が い
生 か
じ
得
29
注
意
の
容
量
が
保
た
れ
て
い
る
か
・
妨
害
に
耐
え
、
手
順
か
ら
そ
れ
な
い
た
め
に
十
分
な
切
な
も
の
を
選
べ
る
か
・
物
品
と
関
連
し
て
思
い
浮
か
ぶ
複
数
の
動
作
か
ら
適
・
行
為
の
手
順
を
想
起
で
き
る
か
・
妨
害
刺
激
が
少
な
く
自
然
な
環
境
か
CLINICIAN ’12 NO. 608
・
自
分
の
意
思
と
し
て
開
始
し
た
か
頃
行
っ
て
い
る
こ
の
よ
う
な
行
為
も
、
因
と
相
互
作
用
に
つ
い
て
図
!
に
模
式
図
化
し
た
。
日
る
。
日
常
的
多
段
階
行
為
の
遂
行
に
影
響
を
与
え
る
要
の
要
因
も
作
用
し
て
遂
行
が
障
害
さ
れ
る
と
考
え
ら
れ
面
の
環
境
的
要
因
、
行
為
・
行
動
面
で
の
環
境
依
存
性
の
段
階
に
対
応
す
る
注
意
資
源
の
容
量
低
下
、
遂
行
場
る
。
日
常
的
多
段
階
行
為
で
は
、
複
数
の
物
品
と
複
数
損
傷 日
、 常
認 的
知 多
症3)段
等 階
の 行
幅 為
広 は
い 、
状 外
態 傷
で 性
障 脳
害 損
が 傷
認 、
め 右
ら 半
れ 球
(3
5
5)
認
知
症
新
時
代
に
向
け
て
、
既
成
の
評
価
法
も
見
直
し
定
で
き
、
か
つ
、
負
担
の
少
な
い
検
査
も
求
め
ら
れ
る
。
て
、
記
憶
や
見
当
識
以
外
の
側
面
を
広
く
定
量
的
に
測
要
が
あ
る
。
ま
た
、
認
知
症
患
者
の
認
知
機
能
に
つ
い
た
課
題
を
作
成
し
、
さ
ら
に
、
誤
反
応
分
析
も
行
う
必
L 障
A 害
T3)の
︶ 評
に 価
準 法
じ で
て
、 あ
わ る
が
国
の
生
活
様
式
に
見
合 ︵
っ M
Multi-level action test
て
、
生
活
機
能
の
向
上
と
維
持
を
目
指
し
た
い
。
る
評
価
法
が
整
っ
て
い
な
い
。
日
常
的
多
段
階
行
為
の
行
い
た
い
。
し
か
し
、
現
状
で
は
そ
の
要
因
を
分
析
す
の
助
言
・
手
出
し
で
続
け
ら
れ
る
よ
う
に
す
る
支
援
を
い
。
﹁
認
知
症
で
失
行
が
起
き
て
い
る
﹂
と
い
っ
た
ラ
2)
石 0
合 0
純 2
夫 年
高
次
脳
機
能
障
害
学
第
2
版
、
医
歯
薬
出
版
、
国
際
障
害
分
類
改
訂
版
︱
、
中
央
法
規
出
版
、
東
京
、
2
ら
と
い
っ
て
、
し
て
あ
げ
て
し
ま
う
の
は
最
も
良
く
な
に
手
間
取
る
よ
う
に
な
っ
た
と
き
、
時
間
が
か
か
る
か
1)文
障 献
害
者
福
祉
研
究
会
編
:
(3
5
6)
東
京
、
2
0
1
2
年
ベ
ル
を
貼
っ
て
片
づ
け
る
風
潮
も
打
破
し
た
い
。
つ
ま
:
Schwartz, M. F., et al. : Naturalistic action production
following right hemisphere stroke. Neuropsychologia,
37, 51-66 (1999)
3)
ず
き
の
要
因
を
明
ら
か
に
し
て
、
環
境
整
備
、
最
小
限
I
C
F
国
際
生
活
機
能
分
類
︱
何
ら
か
の
つ
ま
ず
き
に
よ
っ
て
日
常
的
多
段
階
行
為
リ
ハ
ビ
リ
テ
ー
シ
ョ
ン
医
学
講
座
自
立
度
の
高
い
﹁
生
活
﹂
を
続
け
て
も
ら
う
た
め
に
︵
札
幌
医
科
大
学
医
学
部
教
授
︶
CLINICIAN ’12 NO. 608
30