寝たきりで失禁を伴う患者に、長期にわたっ ◎バルーンカテーテル長期留置時の管理法 ルの材質、②カテーテルのサイズ、③尿汚染の程 以下のことがあげられる。すなわち、①カテーテ 留置カテーテルの寿命を左右する要因としては、 に交換することが望ましい。 てバルーンカテーテルを留置していますが、そ 度、④尿量、⑤洗瀞を主とした管理方法等である。 ックスでは二週毎が標準的交換の日時である。 価である。シリコンの場合は、三∼四週毎、ラテ 欠点としては、ラテックスに比べてやや硬く、高 スに優る。尿による変質が少なく、耐容性がよい。 販されている。材質としてはシリコンがラテック シリコンまたはシリコンコーティングの両者が市 ①カテーテルの材質“ラテックス︵ゴム︶製と の管理について、以下のことをお教えください。 ωカテーテルの交換は何日ぐらいで行うべきか ⑰洗條は、医師が毎日行うべきか ㈹洗 源 液 は 、 何 を 使 用 す る の が よ い か ㈲洗瀞や、カテの交換の際の局所の消毒、術者 の清潔度は、どの 位 注 意 す れ ば よ い か ︵ 滅 菌 手袋など使用すべきか︶ ︵滋賀県・永井彰、呼吸器科︶ ㈲その他、とくに注意しなければならないこと ②カテーテルのサイズ”当然サイズが太ければ、 くると、尿道周囲からの尿漏れや肉眼的尿混濁の ω留置カテーテルの先端や内腔の閉塞が高じて 例では一四∼一六号恥程度、中等度から高度な例 尿の汚染の程度により選択するが、汚染の少ない 周囲組織の阻血と感染による尿道痩︶を招き易い。 回答平塚市民病院泌尿器科医長鈴木恵三 増加がみられる。この場合は直ちに交換の必要が では二〇∼二四号恥程度を使用する。 いものは、患者に苦痛や重大な合併症︵特に尿道 細いものに比べて長期間使用できる。しかし、太 あるが、実際はこうした症状をみる一週間前まで CLINICIAN ,86 No.352 34 (612) ③尿汚染の程度”出血や壊死組織を多く含む混 濁の強い尿では、一週問毎にでも交換を要するこ とがある。 う必要がある。 が可能で 、 六 週 間 程 度 ま で 延 長 し て も 支 障 が な い す例では、尿が希釈され て い て か な り 長 期 間 留 置 とが便利である。外尿道口の清拭は、拭綿で軽く い。レジラップ︵ディスポの手袋︶を使用するこ ㈲処置に際しては、特に滅菌手袋の使用はしな ⑥洗瀞液は生食水がもっとも一般的である。 ことがある。従って、常時水分を多量に摂取する 異物を除去した後に、ヒビテン綿球で局所の消毒 ④尿量二日尿量が一五〇〇∼二〇〇〇dを越 よう指導することが望ましい。 を行うことが通常の方法である。 ⑤①留置の際には、充分︵三〇皿程度︶局所麻 ⑤洗瀞“できれば毎日でも行った方がよい。膀 胱腔内の洗源と、カテーテル内腔の沈澱物を除く 実情であることが多い。洗瀞の回数は尿汚染の程 では、介 護 者 を 指 導 し て 、 洗 源 を 行 っ て い る の が れば、医師が行うべきであるが、尿汚染の強い例 導のもとに行う医療行為とされている。行うとす ⑰膀胱洗源は、原則として医師または医師の指 ル留置例でも、体動可能な例では、先端はできる い、陰茎根部の阻血を防止する。④長期カテーテ 常であることをみる。③ペニスの固定は腹壁に行 確認する為に、直ちに洗瀞を行い、液の排出が正 留意する。②正しい位置に留置されていることを を尿道内に注入して、スムーズに留置することに 目的としてはもっとも有効な手段である。 度によって決めるべきで 、 汚 染 の な い 例 で は 行 う だけ貯尿袋に接続せずストッパーを使用して、体 酔剤︵ベノキシール、キシロカインジェリー等︶ 必要がなく、逆に汚染が強ければ一日数回でも行 (613) 35 CLINICIAN ,86No.352 は、閉塞式のもの︵CSバッグ、ウロガード等︶ 入浴を行っても、一向に差し支えない。⑤貯尿袋 動をすすめる。カテーテルをつけたままシャワー、 を併発しないように管理することが肝要である。 感染を膀胱にとどめて、上部尿路感染︵腎孟腎炎︶ 必発なので、増悪期を除いて化学療法は行わない。 を使用した方がよい。⑥尿路感染症︵UTI︶は CLINICIAN ,86 No.352 36 (614)
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