13. 肝炎 (Hepatitis) 24で割って12余るグループ 12.池田 36.小牧 60.鶴田 84.古川 京平 遼平 賀之 由梨 慢性肝炎 慢性肝炎の種類 • ウイルス性 (B型、C型) • アルコール性 • NASH (非アルコール性) • 自己免疫性 など 肝障害の進行 1. B型慢性肝炎 B型肝炎ウイルスに感染後、約8週間の潜伏期間を経 て黄疸、全身倦怠感が出現。 成人が感染の場合、慢性化は1~2% 慢性肝炎は、6か月以上にわたって肝機能異常、ウイ ルス感染が持続していることを指し、持続的に肝細胞 が破壊され続けることでAST,ALTの上昇がみられる。 →抗ウイルス薬と肝庇護薬を用いる 1) バラクルード錠 0.5mg 一般名 エンテカビル水和物 効能 B型慢性肝疾患のB型肝炎ウイルス の増殖抑制 適応 B型慢性肝炎 1) バラクルード錠 0.5mg 作用機序 B型肝炎ウイルスは、自身のDNAを複製する際 に、一旦プレゲノムRNAを作り、逆転写酵素を 用いてDNAを合成している。エンテカビルはグ アノシンヌクレオシド類縁体であり、細胞内で エンテカビル3リン酸に変化し、dGTPと競合する ことで、①プライミング、②RNAから-鎖DNA 合成の逆転写、③+鎖DNA合成 の機能活性 を阻害する。 1) バラクルード錠 0.5mg 副作用 肝炎の悪化、アナフィラキシー様症状、 乳酸アシドーシス、重度肝腫大、脂肪肝、 ALT上昇 禁忌 過敏症の既往、腎機能障害、肝移植 用法 1錠 分1 朝食後 2) 強力ネオミノファーゲンシー 成分 グリチルリチン酸モノアンモニウム グリシン、L-システイン塩酸塩 効能 慢性肝疾患の肝機能異常の改善、 適応 湿疹、皮膚炎、蕁麻疹、口内炎、 肝機能異常 2) 強力ネオミノファーゲンシー 作用 • • • • • 細胞保護作用 免疫調節作用 抗炎症作用 肝細胞増殖作用 抗ウイルス作用 2) 強力ネオミノファーゲンシー 副作用 偽アルドステロン症(低カリウム血症) ショック、アナフィラキシー様症状 禁忌 過敏症の既往、アルドステロン症、 低カリウム血症、ミオパシー 用法 100ml 点滴静注 備考 グリチルリチンは甘草(かんぞう)に含ま れる 2. 肝硬変 持続的な肝障害により放出されたサイトカインにより、 星状細胞が筋線維芽細胞となって、Ⅰ、Ⅲ型コラーゲ ンを産生して肝を固くする。また筋線維芽細胞が収縮 することにより類洞内圧が上昇して門脈圧が上昇し、 これにより門脈の肝への還流量が減少して肝機能が 低下する。 肝機能低下によるアルブミン合成能低下と、門脈圧亢 進によって、浮腫、腹水をきたす。 ⇒肝機能の改善と浮腫、腹水の改善 1) ウルソ錠100mg 一般名 効能 ウルソデオキシコール酸 慢性肝疾患の肝機能の改善、 胆道系疾患の利胆、 コレステロール結石の溶解 作用機序 • 肝細胞に直接作用し胆汁の産生、分泌を刺激し胆 汁鬱滞を改善(利胆作用) • 疎水性胆汁酸の肝細胞障害を軽減 • サイトカイン産生抑制、肝臓への炎症細胞浸潤抑制 による肝機能改善 1) ウルソ錠100mg 副作用 血清ビリルビン上昇、間質性肺炎 禁忌 完全胆道閉塞、劇症肝炎、高度の黄疸、 非代償性肝硬変 用法 6錠 分3 毎食後 2) アルダクトンA錠 25mg 一般名 スピロノラクトン 適応 高血圧、うっ血性心不全、浮腫、 原発性アルドステロン症 作用機序 アルドステロンに拮抗し、アルドステロン受容体 を奪い合うことでナトリウムの排泄を促進し、カ リウムの排泄を抑制する。 →カリウム保持性利尿薬 2) アルダクトンA錠 25mg 副作用 代謝性アシドーシス、高カリウム血症、 低ナトリウム血症、女性化乳房、不整脈、 急性腎不全、皮膚発疹 禁忌 急性腎不全、無尿、高カリウム血症、 タクロリムス、エプレレノン、ミトタン投与中 用法 2錠 分2 朝昼食後 3) ラシックス錠 20mg 一般名 フロセミド 適応 高血圧症、尿路結石の排出促進、 肝性・腎性・心性の浮腫、うっ血性心不全 作用機序 ヘンレループに作用し、Na+-K+-2Cl- 共輸送担体 を抑制することによりナトリウム、カリウムの再 吸収を抑制し、即効性かつ強力な利尿作用を示 す。 3) ラシックス錠 20mg 副作用 アナフィラキシー様症状、ショック、難聴、 再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群 禁忌 無尿、肝性昏睡、体液中のNa、Kの減少 用法 1錠 分1 朝食後 3. C型肝炎 • ウイルスのキャリアは日本で約1%(150万~ 200万人) • 感染すると70%以上が持続感染する。20年 ~30年かけて30%~40%が肝硬変になり、 肝細胞癌になる。 • 感染経路は、主に血液感染 3. C型肝炎ウイルス • ゲノムとしてプラス1本鎖RNAを持つフラビウ イルス科のウイルス • 宿主のIFN系やNK細胞の非特異的なウイル ス排除を回避し、またウイルス特異的細胞性 免疫応答からも回避 →慢性化、肝硬変、脂肪肝、肝細胞癌 • ワクチンはない 治療方針 • IFNα-2bとリバビリンの併用療法 • 最近は、PEG(ポリエチレングリコール)を付加 したIFNα-2bが用いられる。 • PEGの付加によりIFNα-2bの血中半減期が長 くなる。 →投与回数の減少、副作用の軽減 ペグイントロン皮下注射用 (100μg/0.5ml用) 一般名 ペグインターフェロンα-2b 効能 リバビリンとの併用によるC型慢性肝 炎におけるウイルス血症の改善 作用機序 ・Ⅰ型IFN受容体に結合し,IFN誘導遺伝 子の発現を増強 ・NK細胞やマクロファージなどの宿主免 疫担当細胞の活性化 ペグイントロン皮下注射用 (100μg/0.5ml用) 副作用 • 初期ではインフルエンザ様症状、皮疹、注射部の発火、 食欲不振や吐き気、白血球・血小板などの血球減少な ど • 中期以降ではうつ病、脱毛、甲状腺異常、糖尿病悪化な ど • 重篤なものとして間質性肺炎など 禁忌 • 小柴胡湯との併用 • 自己免疫性肝炎の患者 用法 皮下注射週1回 レベトールカプセル(200㎎) 一般名 リバビリン 効能 ぺグインターフェロンとの併用によるC型慢 性肝炎におけるウイルス血症の改善 作用機序 • プリンヌクレオシドのアナログ • プロドラッグ(細胞内でリン酸化され効果を発揮) • PEG-IFNα-2bとの併用により,抗ウイルス作用が増強 • HCV由来RNA依存性RNAポリメラーゼによるGTPの RNAへの取込み抑制 • RNA生成過程でリバビリン三リン酸がRNAに取り込ま れ,ウイルスのゲノムが不安定化 レベトールカプセル(200㎎) 副作用 溶血性貧血、催奇形、抑うつなど 禁忌 • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 • 異常ヘモグロビン症 • 重度のうつ病 • 自己免疫性肝炎の患者 • コントロールの困難な心疾患(心筋梗塞,心不全,不 整脈等)のある患者 など 用法 4カプセル分2 インターフェロン治療成績に影響を与 える因子 宿主側、ウイルス側両方に因子がある。 • 病期 • ウイルス量 • ジェノタイプ(日本は1b型が多い) • コアタンパクのアミノ酸配列 • 年齢 • IL-28B(IFNλ)のSNPs C型慢性肝炎治療ガイドライン • 高ウイルス量かつジェノタイプ1は、ペグイント ロン+レベトール併用療法(48~72週間) • 高ウイルス量かつジェノタイプ2は、ペグイント ロン+レベトール併用療法(24週間) • その他のタイプはIFN単独療法(24週間)など • 治療成績は、1型ウイルスが50%、その他 80%~90% 4.切除不能な肝細胞癌 1) ネクサバール錠 200mg 一般名 適応 トシル酸ソラフェニブ 切除不能な肝細胞癌、転移性腎細胞癌、 根治切除不能腎細胞癌 作用機序 腫瘍細胞増殖と腫瘍血管新生を抑制 • Rafの活性化を阻害することでシグナル伝達を阻害 し、腫瘍細胞増殖を抑制 • VEGFR(血管内皮成長因子受容体)やPDGFR (血小板由来増殖因子)を阻害することで、血管新 生を阻害 1) ネクサバール錠 200mg バイエル薬品株式会社HPより 1) ネクサバール錠 200mg バイエル薬品株式会社HPより 1) ネクサバール錠 200mg 副作用 手足症候群、剥脱性皮膚炎、出血、 急性肺障害 禁忌 妊婦 用法 4錠 分2 朝夕食後
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