関節リウマチ 18班 17 稲用雅俊 41 阪原有美 65 中薗実 89 益子尚久 病態について • 非化膿性の慢性関節炎である。 • 主に末梢の滑膜性関節(指趾、膝、肘、手首、股関 節)が傷害され、左右対称性に生じやすい。 • 滑膜は充血し膨大、絨毛状を呈する。 • 組織学的にはフィブリンの析出と好中球浸潤(感染 様の所見)がある。また形質細胞およびリンパ球の 浸潤があり、滑膜を被覆する細胞が増生する。 • 肉芽組織が関節辺縁部から増生し関節軟骨を覆う ようになる(pannus)。pannusが関節軟骨と癒着し、 関節軟骨を破壊、関節の強直を起こすこともある。 発生機序 • 原因については良くわかっていないが、滑膜の炎症 により、自己反応性リンパ球、マクロファージが炎症 局所に動員される事による。 • 自己反応性CD4T細胞がマクロファージを活性化し、 向炎症性サイトカイン(IL-1,6,17,TNF-α)を産生 させる。 • サイトカインにより線維芽細胞が活性化され、組織 障害を起こすマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP) や、破骨細胞を活性化させるRANKリガンドを産生。 関節の破壊が起こる。 薬物による治療の考え方 • NSAIDsやステロイド剤を用いて、疼痛および日常動 作を改善する。 • 免疫調節作用や免疫抑制作用を持つ抗リウマチ薬 (DMARDs)もしくは、生物学的製剤を用いて、関節 破壊の進行を防止する。 • 伝統的には、NSAIDsを用いた疼痛除去に始まり、 効果が少ない場合に、徐々に作用の強い薬剤に変 えてゆく手法が主流であった。 ブシラミン(リマチル) 作用機序 不明であるが、in vitroにおいて代謝物が活性化B細胞の免疫 グロブリン産生を抑制することが確認された 禁忌 1 血液障害のある患者および骨髄機能が低下している患者 2 腎障害のある患者 3 過敏症の既往歴のある患者 原則禁忌 1 手術直後の患者 2 全身状態の悪化している患者 副作用 1 2 3 4 5 6 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少 過敏性血管炎 間質性肺炎、好酸球性肺炎、肺線維症、胸膜炎 急性腎不全、ネフローゼ症候群 肝機能障害、黄疸 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、天疱瘡様症状、 紅皮症型薬疹 7 重症筋無力症、筋力低下、多発性筋炎 8 ショック、アナフィラキシー様症状 メロキシカム(モービック) 作用機序 PG合成酵素COX2を阻害し、炎症を抑制する 禁忌 1 2 3 4 5 6 7 消化性潰瘍のある患者 重篤な血液異常がある患者 重篤な肝障害のある患者 重篤な腎障害のある患者 重篤な心機能不全のある患者 重篤な高血圧症の患者 サリチル酸塩又は他の非ステロイド性消炎鎮痛剤に対して過敏症の 既往歴のある患者 8 アスピリン喘息又はその既往歴のある患者 9 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 副作用 1 2 3 4 5 消化性潰瘍、吐血、下血等の胃腸出血、大腸炎 喘息 急性腎不全 無顆粒球症、血小板減少 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、水疱、多形紅斑 6 アナフィラキシー様反応、血管浮腫 7 肝炎、重篤な肝機能障害 レバミピド (ムコスタ) 作用機序 主にPGの生合成促進による内因性PGの増加により、胃粘液量増加、 胃粘膜血流量増加などを引き起こすことにより、胃粘膜を保護する効 果を持つ。 禁忌 過敏症の既往歴のある患者 副作用 1 ショック、アナフィラキシー様症状 2 白血球減少、血小板減少 3 肝機能障害、黄疸 サラゾスルファピリジン (アザルフィジン) 作用機序 明確ではないが、炎症性サイトカインの産生抑制、樹状細胞の 活性化抑制、アデノシンを介する抗炎症作用、破骨細胞の分化 抑制作用、MMPの産生抑制作用などが基礎実験で認められ ている。 禁忌 1 サルファ剤又はサリチル酸製剤に対し過敏症の既往歴の ある患者 2 新生児、低出生体重児 副作用 1 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、 貧血、播種性血管内凝固症候群(DIC) 2 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、紅皮症型薬疹 3 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状 4 間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎 5 急性腎不全、ネフローゼ症候群、間質性腎炎 6 消化性潰瘍、S状結腸穿孔 7 脳症 8 無菌性髄膜(脳)炎 9 心膜炎、胸膜炎 10SLE様症状 11肝炎、肝機能障害、黄疸 ミゾリピン(ブレディニン) 作用機序 核酸合成におけるde novo経路の律速酵素であるIMPデヒドロ ゲナーゼを特異的に競合阻害し、リンパ球内でグアノシンヌクレ オチド濃度を低下させ、その増殖を抑制する。 禁忌 1 本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者 2 白血球数3,000/mm3以下の患者 3 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 副作用 1 2 3 4 5 6 7 8 9 骨髄機能抑制 感染症 間質性肺炎 急性腎不全 肝機能障害、黄疸 消化管潰瘍、消化管出血、消化管穿孔 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症 膵炎 高血糖、糖尿病 メトトレキサート(リウマトレックス) 作用機序 そもそもは葉酸代謝拮抗薬であり、核酸のプリン塩基合成の補 酵素であるテトラヒドロ葉酸の合成を阻害する。これによりリン パ球増殖が抑制されると考えられる。 血管内皮細胞や線維芽細胞の増殖抑制が血管新生や滑膜増 生を抑制する様であり、またMMPのmRNAも発現を抑制され る様である。 一週間単位の投与量:6mg 初日から2日目にかけて1回2mg 12時間間隔で3回投与、残 りの5日間は休薬(1週間毎に繰り返す) 過去の治療において、NSAIDs及び他の抗リウマチ薬により十 分な効果を得られなかった関節リウマチに用いられる。 作用部位 (モノグルタミル)葉酸 葉酸レダクターゼ │ │ ↓ ジヒドロ葉酸 ジヒドロ葉酸レダクターゼ │ │ ↓ テトラヒドロ葉酸 ≪メトトレキサートはここを 阻害 禁忌 1 2 3 4 5 6 7 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 骨髄抑制のある患者 慢性肝疾患のある患者 腎障害のある患者 授乳婦 胸水、腹水等のある患者 副作用 1 ショック、アナフィラキシー様症状 2 骨髄抑制 3 感染症 4 劇症肝炎、肝不全 5 急性腎不全、尿細管壊死、重症ネフロパチー 6 間質性肺炎、肺線維症 7 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症 8 出血性腸炎、壊死性腸炎 9 膵炎 10 骨粗鬆症 11 脳症 フォリアミン(葉酸製剤) 作用機序 葉酸欠乏による健康障害を予防する。 禁忌 副作用 重大なものは特にない。 ロキソプロフェン(ロキソニン) 作用機序 先に述べたNSAIDsと同様。 相互作用 メトトレキサートの血中濃度を上昇させ、作用増強 →必要であれば減量 • • • • • • • • • 禁忌 1 消化性潰瘍のある患者 2 重篤な血液の異常がある患者 3 重篤な肝障害がある患者 4 重篤な腎障害がある患者 5 重篤な心機能不全がある患者 6 過敏症の既往歴がある患者 7 アスピリン喘息またはその既往歴がある患者 8 妊娠末期の婦人 副作用 1 2 3 4 ショック、アナフィラキシー様症状 溶血性貧血、白血球減少、血小板減少 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症 急性腎不全、ネフローゼ症候群、 間質性腎炎 5 うっ血性心不全 6 間質性肺炎 7 消化管出血 8 消化管穿孔 9 肝機能障害、黄疸 10 喘息発作 11 無菌性髄膜炎 インフリキシマブ(レミケード) 作用機序 可溶型、膜結合型およびTNF受容体に結合したTNF-αに選択的に結 合するモノクローナルキメラ抗体である。それによりTNF‐α刺激による 繊維芽細胞からのIL-6産生の抑制、膜結合型TNF-αを発現するTNF-α 産生細胞の傷害、TNF-α受容体を持つ細胞による接着分子(ICAM-1、 VCAM-1)発現の抑制が起こる。 禁忌 1 重篤な感染症の患者 2 活動性結核の患者 3 この薬の成分またはマウス由来の蛋白質に対する過敏症 に対する既往歴をもつ患者 4 脱髄疾患及びその既往歴のある患者 5 うっ血性心不全の患者 副作用 1 2 3 4 5 6 7 8 9 敗血症、肺炎、真菌感染症などの日和見感染症 結核 ショック、アナフィラキシー様症状 脱髄疾患 間質性肺炎 肝機能障害 遅発性過敏症 抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群 重篤な血液障害
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