本態性高血圧症 薬理PBL余り3班 班員;池中、大平、澤内、曽根、藤堂、抽冬、 原口、藤原、道永、村上、山川、山脇 高血圧の基準と降圧目標 ・本態性高血圧症 原因不明(遺伝や食生活など様々) ・二次性高血圧症 原因が明確(何らかの疾患に伴う) 血圧=末梢血管抵抗 ×循環血液量(心拍出量) ⇒血圧を下げるには? ・血管抵抗を下げる→血管 ・循環血液量を減らす→腎臓 ・心臓の収縮力を下げる→心臓 高血圧治療の意義 • 高血圧→ 血管障害(細動脈硬化)→ *腎不全(むくみ、尿毒症) *脳卒中(片麻痺、言語障害、痴呆) *心不全(狭心症、心筋梗塞による突 然死の可能性) ・治療目標期間 低リスク;三ヶ月以内、中リスク;一ヶ月 高リスク;直ちに (急に下げるのは、薬の副作用、血流不 足(心、腎、脳)でふらつきや疲労を感じ る。2~3ヶ月かけて徐々に下げる) 高血圧治療 • 第一選択薬 • 臨床における選択 • • • • • • • コストパフォーマンス Ca拮抗薬 ACE阻害薬 AⅡ受容体拮抗薬(ARB) 利尿薬 β遮断薬 (α1遮断薬) (降圧薬は毎日飲む→○ジェネリック医 薬品) ◎利尿薬(アメリカではメイン) ×AⅡ受容体拮抗薬 ・臨床データ α1遮断薬 はデータが少ない ・副作用と効果 ◎Ca拮抗薬、ARB(日本でよ く使われる) 高血圧治療薬の作用部位 • 中枢神経系 α2作用薬(交感神経抑制) • 心臓(収縮力↓、拍出量↓) β遮断薬(末梢神経系) Ca拮抗薬 • 血管(血管抵抗↓) α1遮断薬(末梢神経系) ACE阻害薬 ARB(アンジオテンシンⅡの阻害) Ca拮抗薬 • 腎臓(循環血液量↓) 利尿薬(集合管と尿細管) Ca拮抗薬 ●作用機序 心筋・血管平滑筋の細胞膜:膜電位依存性Ca2+チャネルに作用 →細胞内へのCa2+流入を抑制 →心筋:収縮力抑制、酸素需要の減少、心拍出量低下 →血管平滑筋:弛緩 ●化学構造上の分類 Ⅰ:Dihidropyridine(DHP)---ニフェジピン 血管選択性が高く、血管平滑筋細胞に作用 Ⅱ:Phenylalkylamine(PAA)---ベラパミル 心筋細胞にも作用し、心臓に対して陰性変力・変時作用 Ⅲ:Benzothiazepine(BTZ)---ジルチアゼム ⅠとⅡの中間作用でⅡよりも血管拡張作用が強い ●作用型による分類 A:短時間作用型---Ⅰ~Ⅲ 高用量の使用→急速な降圧作用→交感神経の賦活作用 →心拍数・酸素消費量の上昇⇒頻脈・動悸 B:長時間作用型---amlodipine 緩徐な降圧作用⇒Aのような症状を回避 ●副作用 重篤なものはほとんどない 頭痛、動悸、赤ら顔など ●禁忌 Ⅱ(PAA)、Ⅲ(BTZ):房室伝導速度の抑制 →房室ブロック患者への投与はできない ●相互作用 Ⅰ(DHP):チトクロームp450のCYP3A4で代謝される ①CYP3A4が代謝に関与する薬との併用 ⇒これらの薬の血中濃度上昇 例)cimetidine,tacrolimus ②CYP3A4を阻害する物質との併用 →Ⅰの代謝を遅延 ⇒Ⅰの血中濃度上昇 例)マクロライド系抗生物質、グレープフルーツジュース ※第三世代(B:amlodipine)のCa拮抗薬はCYP3A4の よい基質にならないため、このような作用は受けない ※Ca拮抗薬は脳・冠・末梢・腎循環を良好に保つため 他の降圧剤との併用可能 アンギオテンシン変換酵素 angiotensin converting enzyme inhibitor ; ACEI 作用機序 アンギオテンシン変換酵素活性を阻 害することで、アンギオテンシンⅡの 生成を抑制、アルドステロンの分泌 抑制。また、ブラジキニンの分解酵 素抑制により、血管拡張作用のある ブラジキニンの分解を抑制。 代表薬 カプトプリル エナラプリル 適応 本態性高血圧、糖尿病性腎症 鬱血性心不全 副作用 乾性咳 (ブラジキニンの蓄積 による) 禁忌 妊娠中またはその可能性 アンギオテンシノーゲン ( 血漿α2-グロブリン) ACE ACEI アンギオテンシンⅡ 併用注意 K保持性利尿薬 β遮断薬 NSAIDs アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬 angiotensinⅡ receptor blocker ; ARB 作用機序 代表薬 適応 AT1受容体拮抗薬 ロサルタン 本態性高血圧 鬱血性心不全 ACEIとの類似点が多いが、ACEI のようにブラジキニンの分解を 妨げる作用がARBにはないた め、ブラジキニンの蓄積が起こ らず、咳の副作用は少ない。 アンギオテンシンⅡ ARB AT1受容体 ミオシン軽鎖 リン酸化ミオシン軽鎖 血管平滑筋収縮 利尿薬diuretics • どんな薬? ⇒腎臓から水、Na+排泄を促進して体液水分量を減らす(水、 Na+体外バランスを負にする) • 適応は? ⇒浮腫(腎・肝・心疾患)、高血圧症、うっ血性心不全、腎不全 • 効果は? ⇒(高血圧の場合)循環血漿量↓→心拍出量↓→降圧 末梢血管抵抗↓→降圧 • メリットは? ⇒安価、エビデンスあり ⇒併用薬として優れる(他降圧薬の効果増強) ⇒脳卒中や冠動脈疾患など心血管事故を予防できる 種類は? 種類 ①サイアザ イド系利尿 薬 ②ループ系 利尿薬 ③カリウム 保持性利尿 薬 作用部位 遠位尿細管 ヘンレルー プ上行脚 集合管 作用機序 Na+-Cl-共輸 送系阻害 Na+-K+2Cl-共輸送 系阻害 アルドステロ ン拮抗阻害 • ③には直接作用薬(アルドステロンと無関係)もある(トリアムテレンなど) • 利尿効果 ②>①>③ ⇒降圧剤として主に使われるのは① • その他の利尿薬 ⇒炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミド)、浸透圧利尿薬(マンニトール)、 ナトリウム利尿ペプチド(カルペリチド)など →いずれも効果弱い デメリットは? 種類 ①サイアザ イド系利尿 薬 ②ループ系利 尿薬 ③カリウム 保持性利尿 薬 副作用 高尿酸血症 耐糖能低下 高Ca血症 低Na血症 低K血症 高脂血症 低K血症 胃腸障害 高尿酸血症 耐糖能低下 聴力障害 高脂血症 高K血症 低Na血症 高窒素血症 女性化乳房 月経不順 禁忌 (慎重 投与) 重症腎不全 無尿 痛風 (高尿酸血 症、糖尿病、 高Ca血症) 低K血症 低Na血症 無尿 痛風 (急性腎不 全) 無尿 急性腎不全 高K血症 (腎機能障 害、妊婦) • 副作用が多い(特に代謝系) • 低血圧や循環虚脱を誘発 • 血管内凝固や血栓の危険 ⇒少量投与または他剤併用 • 低K血症 →ジギタリス中毒(不整脈など)増悪、 インスリン分泌低下 ⇒K補充やK保持性利尿薬の併用 • NSAIDsとの併用で利尿薬効果 減弱 • アミノグリコシドと②併用で内耳 障害、聴力消失きたすことも α遮断薬 α受容体 α1・・・血管収縮(血管平滑筋細胞) α2・・・交感神経抑制(交換神経中枢、アドレナリン作動性神経終末) Caチャネル α遮断薬はα受容体を阻害し、その作用を発揮!! ・α1受容体遮断→高血圧治療薬 ・α2受容体遮断→血圧上昇 α1受容体の阻害⇒細動脈の平滑筋収縮力↓⇒末梢血管抵抗↓⇒降圧 α1遮断薬の特徴 ●evidenceが少ないため、第一選択薬ではない ●副作用がほとんど見られない ●糖脂質代謝に悪影響を与えない⇒高脂血症、糖尿病を合併した高血圧症患者に有用 ●前立腺肥大症には絶対的対応 ●投与初期は、交感神経反射により心拍数、レニン活性増加→長期投与で安定化 ●高齢者の起立性低血圧に注意 α2受容体作用薬 脳幹でα2受容体を刺激→交感神経系の活動抑制 →心拍出量、末梢血管抵抗低下⇒降圧 特徴 • • 利尿薬との併用 褐色細胞腫の患者に使用 副作用 • • 鎮静作用、口内乾燥(clonidine投与初期) インポテンツ、悪心、目まい→休薬 ※最近は使われていない β遮断薬(~olol) 〔β受容体の存在箇所〕 β1・・・心臓(心拍数、収縮力の増加)、腎臓 (レニン分泌促進) β2・・・細動脈平滑筋(弛緩)、気管支平滑筋 (弛緩)、交感神経終末(NA遊離促進) β3・・・脂肪組織(分解促進)、胃・腸管(消化 管弛緩) β遮断薬はβ受容体の働きを競 合的に阻害することにより作用 を発揮する β1受容体阻害⇒心臓の収縮力↓、心拍数↓、房室伝導↓⇒心拍出量↓ 腎臓におけるレニン遊離↓ 収縮期血圧↓ β1受容体への選択性による分類 β1選択性β遮断薬(メトプロロール) β1非選択性β遮断薬(プロプラノロール) β1、β2を同時に遮断するので、β2受容体遮 断による細動脈収縮が起こり、末梢血管抵抗の 上昇を もたらす。また、喘息の既往歴のある人に は禁忌。 ISAによる分類 ISA(+) ISA(-) *intrinsic sympathomimetic activity;内因性交感神経刺激作用 α1遮断作用による細動脈拡張作用を併せ持たせたαβ遮断薬も開発されている β遮断薬の特徴 ●末梢血管抵抗の上昇を防ぐため、β1選択性β遮断薬が処方されることが多い。 ●β遮断薬は末梢血管抵抗を上昇させる⇒拡張期血圧は上昇傾向にある。 ●心臓抑制効果があり、酸素消費量を減らす作用があるために、慢性心不全や 労作性狭心症の治療にも用いられている。 親油性のβ遮断薬・・・心臓の組織に対して親和性が高く、慢性心不全に適応さ れる。 しかし、悪夢や眠気などの副作用あり。 親水性のβ遮断薬・・・副作用が少ない。高血圧症や労作狭心症に適応される。 βブロッカーの主な副作用 1.β1遮断作用による副作用 a.心不全< b.徐脈性不整脈 c.低血圧 2.β2遮断作用による副作用 a.気管支収縮 b.末梢循環障害 c.低血糖 d.高脂血症 3.その他の副作用 a.中枢神経症状(睡眠障害、悪夢、うつ傾 向、幻覚、倦怠感、振戦など) b.胃腸症状(食欲不振、嘔気、下痢など) c.皮膚症状(発疹、脱毛など) d.筋症状(筋力低下、CPK上昇など) 禁 忌: 高度の徐脈(洞性徐脈) 房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)、洞同房ブロック 洞不全症候群 心原性ショック うっ血性心不全 肺高血圧に伴う右心不全 気管支喘息 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシ ドーシス 間欠性跛行 慎重投与: 気管支喘息の既往 コントロール不十分な糖尿病 潜在性心不全 安静時狭心症 高度末梢血管障害 重篤な肝機能障害、腎機能障害 降圧薬治療① 合併症のない若年、中年者の場合。 下記あるいはその類似薬を用いる。 1, アムロジピン(ノルバスク錠、Ca拮抗薬) 2,ペリンドプリルエルブミン(コバシル錠、ACE阻害剤) 3, バルサルタン(ディオバン錠、ARB) 4,インダパミド(ナトリックス錠、利尿薬) 5,アテノロール(テノーミン錠、β遮断薬) 以上の単独で効果が不十分な場合は、好ましい組み合わせで併用する。 6, 1+2, 1+3,1+5,2+4,3+4,or 4+5 アムロジピン(DHP系Ca拮抗薬) • 作用機序:ジヒドロピリジン系(DHP)Ca2+拮 抗薬。細胞膜上の膜電位依存性Ca2+チャネ ルに特異的に結合し、細胞内へのCa2+の流 入を減少させ、冠血管や末梢血管の平滑筋 を弛緩させる。DHPは、心抑制作用は弱く、 血管選択性が認められている。 • 特徴:効果発現が緩徐であり、効果が長時間 持続する。心不全を合併する患者にも投与さ れる。 アムロジピン(DHP系Ca拮抗薬)の副作用と禁 忌 • 副作用 :主にほてり、めまい、頭痛など。重篤なもの では、肝機能障害・黄疸、血小板・白血球減 少、房室ブロックなど。 • 禁忌 ・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。 動物実験で妊娠期間・分娩時間の延長、母 乳中への移行が認められた。 ・過敏症の患者。 ペリンドプリルエルブミン(ACE阻害剤) • 作用機序:アンギオテンシン変換酵素(ACE) 阻害薬。アンギオテンシンⅠからアンギオテ ンシンⅡへの変換酵素を阻害する。また血管 拡張作用のあるブラジキニンの分解酵素で あるキニナーゼⅡはACEと同じ酵素である のでこれも阻害する。 ・特徴:効果が長く持続する。 ペリンドプリルエルブミン(ACE阻害剤)の副作用 と禁忌 ・副作用: ブラジキニン蓄積による空咳、血管浮腫、急 性腎不全、高K+血症など。 • 禁忌 ・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人:羊水過 少症などを誘発。 ・過敏症・血管浮腫の既往歴のある患者 ・アフェレーシス(血中から標的分子を取り除く療法)又はアクリロニト リルメタリルスルホン 酸ナトリウム膜(AN69)による 血液透析施行中の患者:ブラジキニンが蓄積する。 バルサルタン(ARB) • 作用機序:選択的AT1受容体ブロッカー (ARB)。AT1受容体を阻害することでアンギ オテンシンⅡを阻害する。ACE阻害薬に比べ より直接的な効果があり、またキニンの蓄積 による空咳が起こらない。 • 特徴:心不全を合併する患者にも投与される。 バルサルタン(ARB)の副作用と禁忌 • 副作用:めまい、頭痛、動悸など。稀だが重 篤なものには高K+血症などがある。 • 禁忌 ・妊婦、妊娠している可能性のある婦人:胎児 死亡、奇形など。 ・過敏症の患者 インダパミド(利尿薬) • 作用機序:持続型非チアシド系降圧剤(サイ アザイド系利尿薬)。遠位尿細管のNaイオン、 Clイオン共輸送体を阻害し、Naイオンの再吸 収を抑制しNaイオン、水の排泄を増加させる。 またKイオン、Clイオンの排泄も促進する。 インダパミド(利尿薬)の副作用と禁忌 • 副作用:めまい、低K+血症など。重大なもの では皮膚粘膜症候群(Stevens-Johnson Syndrome)、多形滲出性紅斑などがある。 • 禁忌 ・無尿・腎不全の患者:腎機能増悪。 ・体液中のNa+・K+が減少している患者:低 Na+血症、低K+血症を起こすことがある。 ・過敏症の患者 アテノロール(β遮断薬) • 作用機序:心臓選択性β遮断薬( β1選択性 が強い)。心拍数、心収縮力および心仕事量 を減少させることで降圧作用を示す。 アテノロール(β遮断薬)の副作用と禁忌 • 副作用:めまい、倦怠感など。重大なものでは徐脈、 心不全、房室ブロック、呼吸困難、血小板減少症な ど。 • 禁忌 ・過敏症 ・糖尿病性/代謝性ケトアシドーシスのある患者:アシ ドーシスによる心筋収縮力低下を増強しうる。 ・房室ブロック/心原性ショック/右心不全/鬱血性心不 全/低血圧症/壊疽などの末梢血管障害の患者:症 状を悪化しうる。 ・褐色細胞腫の患者:急激に血圧が上昇しうる。 6,併用について。 • 今回書かれているのは「アムロジピン(Ca拮 抗薬)またはインダパミド(利尿薬) と、 ペリ ンドプリルエルブミン(ACE阻害剤)またはバ ルサルタン(ARB)またはアテノロール(テノー ミン錠、β遮断薬) を併用する」ということ。 • 全て、次ページ図の「最も妥当な併用」に当た る。 • 臨床では前ページの組み合わせと、 「α遮断薬+β遮断薬」 「利尿薬+DHP系でないCa2+拮抗 薬」の組み合わせがよく用いられる。 • 下図:MedicalView社「高血圧」(島本和明、2006年刊)より転載。 • 赤:最も妥当な併用。 利尿薬 β遮断薬 ARB DHP系Ca2+拮抗薬 α遮断薬 ACE-I 心不全合併の場合 出典:「循環器疾患最新の治療2008~2009」(南江堂、2008年刊)と春藤先生の授業 • 降圧だけでも有効だが、リモデリング(心臓に機械的 負荷がかかり血行動態が変化するため心室の大き さ、重量、形状が変化すること)の改善が予後に重 要 →抗アルドステロン薬、β遮断薬、ACE-I、ARB、利尿 薬、長時間作用型DHP系Ca2+拮抗薬。 ・標準的治療…RA系抑制薬+β遮断薬+利尿薬 ・重症例…アルドステロン拮抗薬の追加投与 ・血圧コントロールが不十分な場合…長時間作用型Ca拮抗薬を追加 糖尿病合併の場合(1/2) 出典:「高血圧治療ガイドライン2004」(日本高血圧学会、ライフサイエンス出版、2004年刊) • 糖尿病と高血圧の相関関係は明らかなので、目標 血圧値を低く設定することが有効。 • 利尿薬、β遮断薬はインスリン感受性を下げ、中性 脂肪を増加させるので第一選択ではない。(しかもβ遮 断薬は糖尿病による低血糖症状を表れにくくする) →ACE-I,ARB,長時間作用型DHP系Ca2+拮抗薬は インスリン感受性を上げ、脂質代謝に影響も無いの で主力となる。 詳細も含め、次ページの図参照。 糖尿病合併の場合(2/2) 降圧薬治療②ラシックス錠20mg • 一般名…フロセミド • 薬理作用…ループ利尿薬。Henleループ上 行脚でのNa+・K+・2Cl−の共輸送阻害による NaCl再吸収を抑制する。 • 特徴…利尿薬として最も効果が高い。利尿効 果が急速で持続が短い。 フロセミドの副作用 • • • • • 低ナトリウム血症。 低クロール性・低カリウム性アルカローシス。 腎前性窒素血症。 尿酸血症。 聴力障害。 フロセミドの禁忌 • 無尿の患者。 • 肝性昏睡の患者。 • 体液中のNa+、K+が明らかに減少している 患者。 • スルフォンアミド誘導体に対して過敏症の既 往歴のある患者。 アルダクトンA錠25mg • 一般名…スピロノラクトン • 薬理作用…カリウム保持性利尿薬。集合尿 細管でのアルドステロンの細胞内受容体へ の結合を抑制。 • 特徴…遺伝子発現を介しているため、2~3 日経たないと効果が最大とならない。 スピロノラクトンの副作用 • 高カリウム血症、低ナトリウム血症、代謝性 アシドーシスなどの電解質異常。 • 急性腎不全。 • 女性化乳房。 • 皮膚発疹。 スピロノラクトンの禁忌 • • • • • 無尿または急性腎不全の患者。 高カリウム血症の患者。 アジソン病の患者。 エプレレノン投与中の患者。 スピロノラクトンに対して過敏症の既往歴の ある患者。 レニベース錠2.5mg • 一般名…エナラプリルマレイン酸 • 薬理作用…ACE阻害薬。①アンギオテンシン Ⅱの産生を抑制。②ブラジキニン分解抑制。 ③アルドステロン産生低下。 • 特徴…慢性心不全に対して作用 エナラプリルマレイン酸の副作用 • • • • • 高カリウム血症。 空咳。 血管浮腫。 発疹。 腎機能低下。 エナラプリルマレイン酸の禁忌 • 血管浮腫の既往歴のある患者。 • 妊婦および妊娠の可能性のある患者。 • エナラプリルマレイン酸に対して過敏症の既 往歴のある患者。 降圧薬治療③タナトリル • 一般名 塩酸イミダプリル • 作用 アンジオテンシン変換酵素阻害剤 (ACE阻害薬) • 薬価 78.40 • 用法 高血圧症 糖尿病性腎症 イミダプリル(タナトリル) • • • 副作用 血管浮腫 急性腎不全 高カ リウム血症 空咳 併用注意 カリウム保持性利尿剤 非ステ ロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs) 慎重投与 両側性腎動脈狭窄 高カリ ウム血症 イミダプリル(タナトリル) 禁忌 1.本剤の成分に対し、過敏症の既往歴のある患 者 2.血管浮腫の既往歴のある患者 3.デキストラン硫酸セルロースを用いたLDLアフェ レーシス施行中 4.アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリ ウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の 患者。 5.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。 プロプレス • • • • 一般名 カンデサルタン 作用 アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬 薬価 83.30 用法 高血圧症 カンデサルタン(プロプレス) • 副作用 急性腎不全 高カリウム血症 肝機能障害、黄疸 低血糖 血管浮腫 • 併用注意 カリウム保持性利尿剤 利尿 剤 非ステロイド性消炎鎮痛薬 カンデサルタン(プロプレス) • 禁忌 • 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴の ある患者 • 2.妊婦又は妊娠している可能性のある 婦人 • 3.両側性腎動脈狭窄 • 4.高カリウム血症 ヒポカ • 一般名 塩酸バルニジピン • 作用 ジヒドロピリジン系Ca2+拮抗薬 血管平 滑筋のL型Caチャネルを阻害することにより、 末梢血管を拡張して高圧効果をもたらす。 • 薬価 91.20 • 用法 高血圧症 バルニジピン(ヒポカ) • 副作用 アナフィラキシー様症状 過度の 血圧低下 肝機能障害、黄疸 めまい • 禁忌 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 バルニジピン(ヒポカ) • 相互作用 主としてCYP3A4で代謝 される。そのため薬物相互作用に注意! • 併用注意 フェニトイン リファンピシ ン シメチジン HIVプロテアーゼ阻 害剤、アゾール系抗真菌薬、マクロライ ド系抗生物質、グレープフルーツジュー ス ムノバール(フェロジピン) 作用 血管平滑筋のL型Ca2+チャネルを阻害し、血管外からCa2+ が流れ込むのを抑えることによって、収縮運動を抑制し血圧 を下げる。(Ca拮抗薬) 副作用 ・血管浮腫 ・便秘 ・頭痛、頭重 ・動悸 ・顔のほてりやむくみ など ムノバール(フェロジピン) 禁忌 ・妊娠、または妊娠の可能性のある婦人 ・心原性ショックの患者 薬価 2、5ml 1錠 5、0ml 1錠 22.2円 38.3円 カルデナリン(メシル酸ドギサゾシン) 作用 交感神経性α1受容体を遮断することによって血管収縮を抑え、末梢 血管を拡張することで血圧を下げる。 (α1受容体遮断薬) 副作用 ・失神、意識喪失 ・めまい 薬価 0、5ml 1,0ml 2,0ml 4,0ml 1錠 1錠 1錠 1錠 ・不整脈 ・頭痛 23、5円 38,3円 70,0円 133,4円 ・動悸 など フルイトラン(トリクロルメチアジド) 作用 遠位尿細管に局在するNa-Cl共輸送体を阻害することによって、Na-Clの 再吸収を抑制し、尿中への排泄を増加させる。この事により尿量が増し、 血圧が下がる。(サイアザイド系利尿薬) 副作用 ・再生不良性貧血 ・肺水腫 ・電解質失調 など ・間質性肺炎 フルイトラン(トリクロルメチアジド) 禁忌 ・無尿の患者 ・急性腎不全の患者 ・体液中のNa、Kの減少が明らかな患者 薬価 2ml 1錠 9,70円
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