重症筋無力症

重症筋無力症
薬理PBL 14班
13番石松舞子 37番合田建
61番鉄本章 85番堀晋也
重症筋無力症とは、
 アセチルコリンの筋肉側のニコチン性アセチルコリン
受容体に抗アセチルコリンレセプター抗体が結合して
アセチルコリンによる神経・筋肉伝達を阻害する自己
免疫疾患の一種
アセチルコリン受容体が 抗体(Y字)がくっついていて
十分あるので
アセチルコリンの数がへっているので
神経からの刺激が伝わる 神経からの刺激が伝わりにくい
症状・・・・筋肉の易疲労性や脱力
(例)
 眼の周りの筋肉 ・・・まぶたが落ちてくる、ものが二重に見える、斜視
シャンプーが目にしみる、目が疲れる、まぶしい
 口の周りの筋肉・・・ ものがかみにくい、のみこみにくい、つばがあふれる、
食べたり飲んだりするとむせる、しゃべりにくい、鼻声になる
 顔の筋肉・・・ 表情がうまくつくれない、笑おうとしても怒ったような顔になる
 手足の筋肉・・・ 持ったものを落す、字が書けない、立てない、歩けない、
階段が昇れない、洗濯ものがほせない、おふろで頭が洗えない
 呼吸筋 ・・・息がしにくい
正常の人
重症筋無力症の人
治療方針
1. 抗コリンエステラーゼ剤治療 ←対症療法
2. 副腎皮質ホルモン剤治療
3. 胸腺摘出術 ・・・胸腺腫の場合(約25%で合併し
ている)
胸腺腫でなくとも直接抗アセチ
ルコリンレセプター抗体産生細胞を除くので効果
あり
4.
免疫抑制剤治療
ステロイド剤治療(副腎皮質ホルモン)
1)プレドニン錠(5mg) 12錠 分2 朝食後8錠、昼食後4
錠
2)オメプラール錠(20mg) 1錠 分1 朝食後
3)ボナロン錠(35mg)
1錠 分1 起床時 週1回
4)バクタ錠
1錠 分1 朝食後
5)ベイスンOD錠(0.2mg) 3錠 分3 毎食前
ステロイド剤治療(副腎皮質ホルモン)
1)プレドニン錠:プレドニゾロン
副腎皮質ステロイド
2)オメプラール錠:オメプラゾール 消化性潰瘍治療薬
3)ボナロン錠:
骨粗鬆症治療薬
アレンドロン酸ナトリウム
4)バクタ錠:ST合剤
合成抗菌薬
5)ベイスンOD錠:ボグリボース 糖尿病治療薬
ステロイド剤
の副作用の
改善
1)プレドニゾロン→抗体産生抑制
 商品名・・・・プレドニン
 作用機序
ステロイドは細胞内に拡散で入ると細胞質にある特
異的受容体に結合する。これにより受容体に結合して
いる熱ショック蛋白が離れ、活性化したステロイドー受
容体複合体が核内に移行する。それがDNAの特異的
結合部位に結合して、特定遺伝子のmRNAへの転写を
調節する。その結果、免疫抑制作用や抗炎症作用など
を引き起こす。
 禁忌
本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある者
 副作用
(重大)誘発感染症・感染症の増悪、糖尿病、消化
性潰瘍、膵炎、精神変調、骨粗鬆症、緑内障、血
栓症、心筋梗塞、硬膜外脂肪腫、腱断裂
今回、焦点を当てている副作用は・・・
 消化性潰瘍
 骨粗鬆症
 誘発感染症・感染症の増悪
 糖尿病
2)オメプラゾール →消化性潰瘍治療薬
 商品名・・・・オメプラール
 作用機序・・・・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
壁細胞のH⁺分泌の最終段階のプロトンポンプを特異
的に阻害し強力な胃酸抑制効果をもたらす。
 禁忌・・・本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある者
硫酸アタザナビルを投与中の患者
 副作用・・・・下痢、軟便、白血球減少、発疹、便秘など
3)アレンドロン酸ナトリウム
→ステロイド骨粗鬆症による骨折防止
 商品名・・・ボナロン錠
 作用機序・・・ビスホスホネート(BP)製剤
ハイドロキシアパタイトに吸着し、破骨細胞のアポ
トーシスを誘導することにより骨吸収を抑える。
 禁忌・・・食道通過遅延障害、30分以上上体を起こす
ことが不可能な患者、ビスホスホネート系薬過敏症、
低カルシウム血症
 副作用・・・食道炎、食道潰瘍、胃潰瘍、低カルシウム
血症、顎骨壊死など
 服用上の注意
・BPは腸管からの吸収効率が極めて低く、食餌摂取
によりさらに低下するので早朝空腹時に服用する必要
がある。
・BPが長く食道に留まると食道粘膜のkeratinocytoを
抑制し食道潰瘍や食道炎が生じることがあるので、多
量の水で服用し、服用後30分は臥床を避ける。
4)ST合剤→抗菌薬
 商品名・・・バクタ錠
サルファ剤のスルファメトキサゾールとトリメプトムの
合剤(5:1の割合)
 作用機序・・・サルファ薬のスルファメトキサゾールは
微生物の葉酸の合成を阻害し、トリメトプリムは葉酸
活性化を阻害する。これらが相乗的に働き、強い抗
菌作用を発揮する。
腎・肺への移行が良い。
 禁忌・・・サルファ薬過敏症、新生児、低出生体重児、
妊婦、G-6-PD欠乏症
 副作用・・・重篤なものは血液障害やショックなど。
症状としては、発熱や喉の痛み、皮下出
血、発疹発赤など。
重い皮膚障害に進展する可能性もある。
5)ボグリボース→糖尿病の治療
 商品名・・・ベイスンOD錠
 作用機序・・・αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)
二糖類分解酵素の作用を競合的に阻害
して単糖類への分解を抑制する。
その結果糖の消化・吸収が遅くなる。
 禁忌・・・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡・前昏睡、重症
感染者、手術前後、重篤な外傷
 副作用・・・下痢、軟便、高カリウム血症、血清アミ
ラーゼ増加、貧血など
 併用注意・・・インスリンやインスリン分泌を促進する
SU類や速効型インスリン分泌促進薬と併用した場合
は低血糖に注意。
免疫抑制剤治療(難治例の場合)
1)プログラフカプセル(1) 3カプセル 分1 夕食後
タクロリムス→抗体産生抑制
 商品名:プログラフカプセル
 作用機序・・・カルシニューリン阻害薬
細胞内のFKBP12(Caチャネルの活性化に関与)と複
合体を形成し、 カルシニューリンの基質であるNFAT
(nuclear factor of activated T cells)の脱リン酸化を阻
害することで、 IL-2(インターロイキン2)及び、INFγ(イ
ンターフェロンγ)、IL-3,4,5等、T細胞由来のサイトカイ
ン産生を抑制し、 TNFα、IL-1β、IL-6の産生も抑制する。
 禁忌・・・シクロスポリン投与中、カリウム保持性利尿
薬投与中、妊婦
 副作用・・・腎機能障害、高カリウム血症、血圧上昇、
高尿酸血症、振戦など