SERVAMP 〜雪時雨〜 ID:90924

SERVAMP ∼雪時雨∼
桜咲
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP
DF化したものです。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
︻あらすじ︼
いつか、本当の闘いのようなものを見るのが、私の夢であり、叶わ
ない夢だった。
その私が、﹁叶う側﹂になった話。
目 次 SERVAMP ∼雪時雨∼ │││││││││││││││
1
SERVAMP ∼雪時雨∼
私の名前は﹁雪村 楓﹂。とある高校に通う、高校三年生。来年で高
校を卒業し、就職か進学かに行く歳である。
趣味はアクションライトノベルを見ること。あの白熱したのが堪
らなく好きで、いつか間近でみたいと叶わない夢を抱いている。
そう、映画のスクリーンでは物足りなくなった時代、そうリアル的
なものがないかなと、希望のない夢を抱いているが⋮こんな馬鹿な夢
を抱くのは、私くらいであろう。
さて、話を戻して。
身長179㎝で体重57㎏くらい。正確な数字はわからないが、6
0近くかなーという感覚である。よく皆からモデル体型と言われて
いるが、はっきり言ってモデルより太り過ぎだと私は思う。
1
髪 は 腰 ま で 届 く ロ ン グ。目 は 母 親 譲 り の 黄 金 色 で、こ れ が 私 の
チャーミングポイントだ。正直言って、私はこの眼が気に入ってい
る。
部活はもう引退しており、今こうして、寄り道をしながら家に帰っ
ている。親は単身赴任であまり家にいないので、実質一人暮らしとい
うのが正しい。
⋮⋮そういえば、朝にいつも食べるヨーグルトが切れていたのを思
い出した。少し先にコンビニがあるので、買っていくことにしよう
か。
そろそろ人が多くなってきた時間帯。私は冷えているヨーグルト
を一週間分買って、人を避けながら歩く。
﹂と縋って
⋮まだ家からは遠いので、少し考えながら歩いてもいいだろう。
今日は砂月が宿題を忘れていた。私に﹁宿題見せて∼
がら付き合ってやるのは私の甘さなのだろうかはわからない。
きた時は、自分の力でやれと突っ張ってやりたかった。しかし教えな
!
文月先生が、今日は図書委員がST後集まりがあると言って、伊藤
さんが何か喚いていた。恐らく、早く帰れると思ったからであろう。
哀れとは思わない。
加賀美さんが、昨日は吸血鬼を見たと皆に言いふらしていた。それ
を信じるものは少数である。
⋮⋮⋮吸血鬼。
そう、この吸血鬼こそが、さっき言っていた夢であり、叶わない夢
である。
私達の街には、吸血鬼が住んでいるという噂が広がっている。
何処が根本なのかもわからないこの噂に信憑性はないので、信じる
ものは少ない。
のだ。私みたいなのが消えないと、この噂を信じ
"
また少し、寄り道をしようか。
⋮⋮⋮今日は、星が綺麗だ。
私も、その波にのる。
それと同時に、人々の足は反射的に足を止める。
信号が赤になる。
﹁ああ⋮馬鹿だな。私﹂
吸血鬼なんて⋮いるかもしれないだ。本当にいるかは、限らない。
⋮⋮⋮なんて。何を考えているんだ。
もしかしたら吸血鬼は、私の夢を、叶えてくれるかも。
しかし、見てみたい。
んて馬鹿馬鹿しいと、笑い飛ばしていた。
実際、夢がなかったらこの噂は信じていなかった。吸血鬼がいるな
ない夢を抱くこの噂。
私の叶わない夢を、叶えてくれるかもしれないという、本当に叶わ
私は、吸血鬼がいると﹃信じているかもしれない﹄。
少ない
そう、
いない
"
と言い切れるであろう。
るものは
"
2
"
学生諸君
その時だった。
﹁どォもどォも
﹂
﹂
私とその子が振り返ると、そこにはさっきまで手品をしていた変な
突然、肩を掴まれた。
帰ろう。そう方向転換した時だ。
それは隣にいた子も同じで、連れの人に帰ると言った。⋮⋮⋮私も
帰りたい。
⋮⋮⋮⋮手品は凄いが、残念ながら興味がない。それに、早く家に
その変な人の手品で、人々は足を止め、その手品に夢中になる。
しかし、その手品の腕前は中々である。
白いスーツを着た、いかにも変な人。
﹁くだらない道すがらァ∼ボクのショーでも見ていかないかいっ
隣に視線を移せば、そこには。
私の直ぐ横で、誰かがそう騒いだ。
!
彼らがボクに止められた理由はなんでしょォか
人が、私達の肩を掴んでいた。
その人は言う。
﹁さァまず問題です
!
②ボクの前を横切ったから
③ボクのお腹が空いたから
④ボクを無視したから﹂
なんで無視したを二回⋮。
それを言い終わった後、その人の手に力が込められる。
そしてその人の顔が、酷く歪んだのも。
ヤバイ。
直感的にそう感じた私は、咄嗟に。
﹁答えは∼
?
3
?
!
①ボクを無視したから
!
全部だボゲェッッ
﹁黙れやこの変態がァ
﹂
﹂
﹂
だけで、大きな傷ではない。
⋮⋮⋮⋮⋮⋮なんか、ヤバかったか
﹁⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮⋮
アアアッッ
﹂
変な人がこちらを殺す勢いで突っ込んで⋮殺す勢いはマズイ
﹂
﹁きゃっ
﹂
﹁にィがさなァいよォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ
だがそれよりも、あの人が速かった。
ここは逃げるしかない。と私は信号の方へと向かおうとする。
!
ナァニすんだこのアマァァアアアアアアアアアアアアアアアアア
?
そのおかげで隣にいた子は、ちょっと首から少量の血を流している
思わず彼の息子を蹴り上げてしまった。
﹁ぶげらっ
!! !!
後悔させてやるよォォオオオオ
背後越しでも気づく。こいつは、私を殺す気だ。冗談じゃなくて。
﹂
﹁このボクに恥をかかせたことォォ
オオオオオオオオオオオオオオ
観る側ではない、﹁やる側﹂
私は今日、その恐怖を知り。
興奮を、覚える。
!!
!!
4
!?
!!??
迅速に私を組み倒し、刃を向ける。
!
!!
これが、戦い。
これがーーーーー死の、恐怖。
その刃が私の首筋に刺さるまで。
もう、一秒もない。
5