GODEATER 銀眼の捕食者 バトルしようぜ! ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ ゴッドイーターにクレイモアネタをドーン ! 目 次 GODEATER 銀眼の捕食者 │││││││││││││ 1 GODEATER 銀眼の捕食者 かつては人類が栄えた大地をひとつのトラックが走り抜ける。 あたりには廃墟とも言えない形をなくしたコンクリの塊が四散し ており、もはや荒野だ。 人々が作り上げた建築物は何がしかに噛まれたかの様な後を残し たものもあれば溶けたような後もある。 それらは無残に崩れ原型を残していない。 惨状。だが、この光景ももはや珍しいものではない。 ﹁さて、奴さんは無事かねぇ・・・﹂ トラックの助手席からタバコを吹かした煙と一緒に言葉が漏れた。 ﹁遮蔽物のない地形に無理やりの不時着。下手したらアラガミに襲わ れるまでも無く命を落としている可能性が高いわね・・・無事だとい いんだけど﹂ 何気ない呟きだが、それに答えるように紡いだのは運転席の女性 だ。 もう一人、荷台で耳を傾けながらも無言を貫く少年がいる。 彼らはゴッドイーター。 荒れ果てた世界に跳梁跋扈する化け物、アラガミを撃滅せんが為に 生まれた戦士だ。 彼らは今、任務を受け現場に急行しているところだ。 任務の内容はとある支部から異動する団体の保護。 本来なら問題なく極東支部へと到着するはずの輸送機は飛行型の アラガミと接触、やむを得ず開けた土地に着陸し救援を待つという選 択をした。 整備などされているはずもないところに着陸など無茶をする上、ど う考えてもほかのアラガミも呼び込む行為だ。 だが、アラガミに襲われた時点で結果は同じだ。 死の形が変わるだけで帰結は死。 だが、その輸送機にはゴッドイーターも同乗している。 ならば、少しは望みはあるか。 1 しかし、それも一人だけという情報があるので数人の犠牲は出てし まうだろう。 ゴッドイーターだけが生き残るか、最悪その人物もアラガミに食い 殺されてしまう事態になっているかもしれない。 その前に無事に着陸できているかもわからないが。 オラクル細胞がもたらした技術の発展があろうと墜落するときは する。 ﹁・・・そろそろ着くぞ。大物もいるみたいだ﹂ 荷台の少年が二人に聞こえるように話す。 目を瞑り眠るように静かだったが、開かれた瞳には年不相応な情念 が宿っている。 一際大きく煙を吐く息にはうんざりしたような、諦念も混じった意 思が篭っていた。 ﹁くくく﹂ 心底、この状況が面白いと主張する笑いが響く。 閉じられた空間、外には絶望しかない状況であり得ない動きをする 人間がいた。 黒いコートに身を包んだ男のしわがれた声だが、嫌に耳障る。 ただ笑うという行為だけだが、それだけで人を見下しているよう だ。 その男の顔は左半分が崩壊していると言える。 まぶたは無く目玉が露出し、皮膚は壊死し、筋が見えるほどだ。 不気味という言葉がしっくり来るだろう。 ﹁あああ・・・・・・・・・﹂ 2 男の対面に蹲り、これから自分に舞い起こるだろう出来事に絶望し ている男がいる。 彼は輸送機の操縦者であり、その腕は非常に優秀といえる。 現に輸送機は墜落することなく着陸することが出来ているのだ。 まったくの破損がないという訳ではないが、そこから大惨事に繋が るような事柄も起きていない。 着陸を指示され、行った後どうするのか、自分はどうなるのか不安 になり縋るように自分が運んでいた人物の元に来たのだ。 なにかしら算段があるのだろう。 自分はとにかくアラガミから逃げることしか頭になく、そんな折に 出された指示。 淡く希望を持たされたのだ。 ﹂ だが、聞き出した答えは ﹁さて、どうなるかな なんともないような、まるでゲームを観戦しているかのような軽い 口調で返されたのだ。 目の前が真っ暗になる。 実際に暗くなっている訳ではないが比喩として表現される言葉を 実体験した瞬間だった。 聞くんじゃなかった。 後悔しても遅いが自分は何も出来ない。 ただ、無残な死に様を晒すのだと諦めた。 そして聞こえる外からの轟音。 それはこれから自らに振り下ろされるギロチンの風切音だと思っ た。 3 ? 輸送機の上に一人佇む女性がいる。 正式な赤い制服に身を包むその体はまるで色素が抜けたかのよう に白い。 制服の赤に対して皮膚の白さが際立ち不釣合いだ。 周りを見回す瞳は銀色であり、集まるアラガミを映し出している。 片手には大きな剣。 彼らゴッドイーターの武器である神機だ。 身の丈以上ほどある幅広な西洋剣であり、バスターブレードという 種別に分類される近接型の神機。 クレイモアと呼ばれるバスターブレードであるが本来は無骨な鉄 の板という印象の武器は鍛え上げられた両刃の剣となっている。 それを肩に担ぎあげ、輸送機から下り離れる。 神機を肩からおろし、全身の力を抜き自然体の形を取る。 その刹那│││ 女を中心に空間が爆ぜた。 見えない何かの力の迸りが女から発せられた。 何かが軋むような音。それを鳴らしながら女に変化が起きる。 瞳は金色に染まり縦に割れ、その相貌は獣を思い起こさせる。 否、知る者が見ればこう答えるだろう。 まるで、アラガミだ。と│││ 4 ﹁おいおいおい・・・・・・・どうなってんだこりゃ﹂ 救援にたどり着いた第一部隊隊長、雨宮リンドウが見た光景の第一 声がそれだ。 輸送機の周りにはアラガミの死骸だらけ、既に崩壊が始まっている アラガミの死体もありそれなりの時間が経っているのだろう。 だが、そのアラガミの種類が多い。 もっとも絶対数の多いオウガテイルは当然だが、シユウ、コンゴウ、 更には大型種のボルグ・カムランの姿まであった。 この極東ではよく見る個体ではあるが数が多い上に輸送機が無事 であることがなにより異常だ。 輸送機を守りながら戦うなど被害が出ていてもおかしくないはず なのだ。 見たところ輸送機の被害は着陸時の被害であろう腹部分だけだ。 アラガミに食い荒らされた形跡もない。 これらをすべて撃退したのか 雨宮リンドウは極東支部において最高のゴッドイーターと言える。 その戦闘力は高く、判断力もある。熟練の猛者だ。 その彼が戦慄する。 彼が同じような立場に陥った時、被害を出さないなど可能なのだろ うか を取る人間に視線を向ける。 これが第一部隊と銀眼の捕食者のファーストコンタクトだった。 5 ? 自問しながら輸送機の上でクレイモアを突き立て体を預けた姿勢 ?
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