滅び無き者 アポロトロフィ ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 ︻あらすじ︼ 才能はない、しかし目指すべきは最強。 母の笑顔をもう一度見るためだけに。 注意:作者は文章を書きなれていないです。文系でもないです。と いうわけで駄文注意。 作者の知識は15巻までそれ以降は読んでません。 どんなに長くとも5話ぐらいで終わらせる予定。なお受験生なた め次いつ書くかもわかりません。 オリ主憑依物のため苦手な人はブラウザバックを 目 次 プロローグ │││││││││││││││││││││││ 1 プロローグ 自我が芽生えたのは5つの時だった。気づけば見も知らない子供 の姿。生前の記憶はほとんどなく、普通に勉学に励み平凡な成績をと り、自堕落とはいわないが別に人に誇れるような努力をしたわけでも ない。つまり、ありふれた暮らしをしていただろうということだけが 朧げながらも覚えていることだ。 新しい人生だからと何かを目指すわけでもなく平凡に生きていこ うと考えていたがその平凡は選ばなかった。 ﹁お前は無能だ。﹂ ﹁家の落ちこぼれ。﹂ ﹁力を受け継げなかった出来損ない。﹂ ﹁名家の恥さらし。﹂ 新たな人生を歩き出した俺を待っていたのはそんな周囲の侮蔑の 言葉だった。そもそも五歳で天才と言われることはあったとしても 落 ち こ ぼ れ と い う 判 断 を 下 す に は 早 計 だ と 内 心 で は 思 っ て い た。 まぁ、それは人間であったならの話だが。 そもそもの前提として、俺は人間ではなく悪魔と呼ばれる種族に生 まれた。人など及びもつかない強靭な肉体を持ち、空を自由に飛翔す る羽を持ち、さらにオカルトの代名詞というべき魔力を持つ存在。ま さしくファンタジーの代表格といえる存在。 そして、俺が生まれた家はかなり大きな家でこれぞ貴族というよう な環境だった。家名はバアルという魔界では大王の位で、消滅の魔力 というバアル家に連なるものしか使えない無二の力を持つ、まさしく 名門中の名門。しかもその本筋の長男だった。母もウァプラ家とい う獅子を司る名門の出であり、生まれるまで大いに期待されていた。 しかし、俺はその力を持たなかった。いや、それだけではない。家 に連なる力だけでなく悪魔なら誰しもが持っている通常の魔力さえ ごく僅かしか持たなかったのだ。 1 父の口からも欠陥品とはっきり言われ母と共にバアル領の片田舎 に飛ばされた。子供より多少精神が成熟していようとも毎日のよう に圧倒的強者に正面から罵倒されるのはかなり堪える。父と離れら れるというのは俺にとってはありがたい話だった。 自身の意識が芽生えて一年、6歳になると学校へ通うようになっ た。四則演算などは今更だが、魔力の扱いや上級悪魔が行うレーティ ングゲームなど学ぶことは多々あるため通わないわけにはいかな かった。 自宅から学校まではあまりに遠すぎるためなけなしの魔力を使い 付近まで転移し徒歩で登校する。 上級悪魔のみが通う学校。そこでも待っているのは俺を嘲笑する 声だ。教師からも蔑まれ、同級生からは馬鹿にされる。いや、馬鹿に されるのだけでならいいほうで直接的な被害も受ける。まぁ、上級悪 魔どころか下級悪魔にも劣っていて、しかも家柄が高いにもかかわら ずそこから見捨てられているため報復される心配もない。虐めるに は絶好の相手でそれが自分だったと割り切るしかないだろう。 こんな環境で育ち、俺は全てを投げたしたくなった。別に学校を卒 業してレーティングゲームに出たいとも思わなかったし、屋敷の物を 売り払い散財さえしなければ食う分には困らない。腹違いの弟も生 まれて俺自身の価値もなくなった。何のための二度目の人生かわか らないが、何もかも諦めようとした時俺を支えてくれたのは母の言葉 だった。 ﹁強くなりなさい。どんなときにも揺るがない雄々しく、気高い獅子 のように﹂ 母は病弱であった。俺を生んだときもかなりの難産であり、生死の 境を彷徨ったそうだ。腹を痛め、命を懸け生んだ子供。しかし、生ま れた子供には下級悪魔ほどの才もない。 それでも母は俺に愛情を注いでくれた。優しく、そして時に厳しい 2 母だった。周囲に劣る俺のために魔法の練習に付き合い、共に夕食を とり微笑みかけてくれた。 そ ん な 母 だ っ た が、時 々、眠 る 幼 い 俺 に 泣 き な が ら 謝 っ て い た。 ﹁ちゃんと生んであげられなくてごめんなさい﹂と。 情けなかった。俺が弱いせいで母を泣かせてしまっている自分自 身が。 憎かった。自分が弱いのを魔力がないからと言い訳しようとした 自分自身が。 殺したかった。自分だけでなく母を侮辱されて何もできない自分 自身が。 このままではいられない。これだけ愛されて何もしないわけには 決まっている。強くなればいい。 いかないし、何より太陽のような母の笑顔を曇らせることなど耐えら れない。 どうすればいい 魔力は無くとも母からもらったこの五体がある。 地をなめることになろうと、幾たびの死線を超えようとも最強とを目 俺の名前はサイラオーグ・バアル。今はただの無力なガキだが何度 求めるのは勝利の二文字。半端な結末など許さない。 どの様な防御であろうとも打ち砕く拳を。 れほどの距離であろうと一瞬で詰め寄ることのできる脚力を、そして どのような巨大な魔法の一撃であろうともを耐えられる肉体を、ど どうやって ? 指しいずれ魔王となるものである。 3 ?
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