日本政府も原油価格の上昇を予測

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グローバル
2016年5月18日
日本政府も原油価格の上昇を予測
日本政府はエネルギー白書の中で、原油価格について上昇する余地が大きいとの予測を示しました。新興国を中
心とした需要の増加やこのところの投資抑制による供給の伸び抑制が価格上昇につながるものと考えます。
日本政府:原油価格は上昇する余地がある
と予測
2016年5月17日に、日本政府は「平成27年(2015年)度エネ
ルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」を閣議決定し
ましたが、その中で今後の原油価格について「上昇する余地
が大きい」との予測が示されています。なお、米国エネル
ギー省(EIA)や世界銀行なども、今後、原油価格が上昇をす
るとの予測を発表しています。
どこに注目すべきか:
需要と供給、投機筋の動き
足元の原油価格は、米国における生産の減少やナイジェリ
アやリビア、ベネズエラなどの地政学リスクの高まり、世界
的な需要見通しの改善などを背景に上昇基調にあります
(図表1参照)。今後についても原油の需給環境改善が価格
の下支え要因となると見られます。
例えばEIAが発表している世界の(原油などの)液体燃料の
生産量と消費量の推移を見ると、2014年から2015年にかけ
ては生産量と消費量の差(ギャップ)が大きくなっていました
が、足元は縮小傾向にあり、2017年第3四半期には消費量
が生産量を上回ると予測されています(図表2参照)。需給
環境の改善が予測されている背景には、中国やインドなど
の新興国における需要の増加が見込まれていることや、
2014年半ば以降の原油価格低迷により開発投資が減少し
たことで供給量の増加を抑制する可能性などがあり、このこ
とは多くの機関が原油価格が上昇するとの予測を発表して
いる根拠のひとつとなっています。
ただし、次の2つの変動要因にも注意が必要です。
1つ目は、足元、原油価格が1バレル50ドルに近づいている
ことから、米国でシェールオイルが増産される可能性がある
ことです。2つ目は、投機的な動きも原油価格の動向を左右
する要因として注目されます。2月半ば以降、原油価格上昇
に伴い買いポジションも増加していましたが、直近では利益
確定の売りなどから、減少しています(図表3参照)。
ピクテ投信投資顧問株式会社
したがって、50ドル近辺では利益確定の売りなどにより価格
が大きく変動する可能性もありますが、需給環境の改善など
を背景に、中長期的には原油価格が上昇する余地もあると
みています。
図表1:WTI原油価格の推移
(日次、期間:2014年5月16日~2016年5月17日)
120 ドル/バレル
100
80
60
40
20
14年5月16日
15年5月16日
16年5月16日
※WTI原油価格:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引される
原油先物(軽質スイート原油先物)の期近物価格で構成
図表2:世界の液体燃料の生産量と消費量の推移
(四半期、期間:2011年Q1~2017年Q4、2016年Q2以降は予測)
100
100万バレル/日
生産量
95
消費量
EIA予測
90
85
2011年Q1
2013年Q1
2015年Q1
2017年Q1
図表3:非石油事業者のNY原油先物ポジション(ネット)
(週次、期間:2014年5月20日~2016年5月10日)
50
万件
30
10
14年5月20日
15年5月20日
出所:ブルームバーグ、EIAのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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