FOMC議事録でタカ派寄りとなったのは

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北米
2016年5月19日
FOMC議事録でタカ派寄りとなったのは
今回のFOMC議事要旨では一部のFOMCメンバーは利上げに慎重な見方をしているものの、大半が6月利上げの可
能性を示唆した点でタカ派(引き締め政策を選好する傾向)寄りの内容でした。
FOMC議事録:大半が6月利上げの可能性を
示唆、タカ派的トーン
米連邦準備制度理事会(FRB)が2016年5月18日に米連邦
公開市場委員会(FOMC、4月26、27日開催)議事要旨を公
表しました。議事要旨で大半の参加者が今後公表される
データで4-6月期の経済成長率が上向くこと、労働市場の継
続的改善、インフレ率が(FOMCの目標2%に)回復している
と判断されれば、6月利上げが適切となるだろうとの見方を
示しました。議事要旨を受け、市場ではドル高(円安)、国債
利回りの上昇(価格は下落)となりました(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
FOMC議事要旨、利上げ確率、イエレン議長
(日次、期間:2015年5月18日~2016年5月18日)
120
115
110
105
15年5月
15年8月
15年11月
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
16年5月
%
16年2月
低 国債価格 高
130 円/ドル ドル円(左軸)
米国2年国債利回り(右軸)
125
円高
ピクテ投信投資顧問株式会社
図表1:米国2年国債利回りと円(対ドル)の推移
円安
今回のFOMC議事要旨では一部のFOMCメンバーは利上げ
に慎重な見方をしているものの、大半が6月利上げの可能
性を示唆した点でタカ派(引き締め政策を選好する傾向)寄
りの内容でした。背景と注目点は以下の通りです。
まず、米国の経済指標は足元改善傾向となっています。例
えば、4月の小売売上は市場予想を大幅に上回る改善を示
しています。また、商業用不動産ローンのように、一部なが
ら、ともすると過熱とも受け止められる状況も見られます。最
近、アトランタ連銀のロックハート総裁やサンフランシスコ連
銀のウィリアムズ総裁がいずれも年内2回もしくは3回の利
上げの可能性を述べているのも、足元の経済指標の改善な
どを総合的に判断したものと見られます。
一方で市場は議事要旨公表前には6月利上げをほとんど織
り込んでいなかったと見られます。例えば、金利先物から算
出(推定)される先物市場参加者の6月利上げ確率は5月13
日時点で約4%でした。今回の議事要旨では前回(3月)の
FOMC後に当局が発したメッセージがあまりにハト派(緩和
政策を選好する傾向)寄りで、市場が6月の利上げを想定し
なくなったことに懸念が示されています。
しかし、先の市場の利上げ予想確率は今回の議事要旨公
表後(5月18日)は32%へ上昇しており、当局と市場の利上げ
に対する認識のギャップが埋め合わされた格好です。
ただし、市場と当局の認識のギャップが完全に埋まったかは
定かではありません。この点を確認する意味で、6月
FOMC(14~15日)までに、次の(図表2参照)経済指標とFOMC
主要メンバーの講演に注目しています。
例えば、5月末に公表される4月の耐久財受注はコア資本財
出荷がGDP(国内総生産)の推定に使われる点で注目してい
ます。インフレ率としてはPCEコアにも注目が必要です。
FOMC主要メンバーのスピーチでは6月6日のイエレンFRB議
長の講演に注目しています。この講演は6月FOMCのブラッ
クアウト(見解公表を控える期間)直前に(最近になって)設定
された点で要注目であることと、市場が3月にハト派となった
要因でもあるイエレン議長自身の講演であるからです。
今後、経済指標や講演に注目が集まる展開が想定されます。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
図表2:米国の今後の主なイベント
年月日
2016年5月26日
2016年5月31日
2016年6月3日
2016年5月19日
2016年6月6日
米国の今後の主なイベント
4月コア資本財出荷(前月 前月比0.5%)
4月PCE(個人消費支出)コア(前月 前年比1.6%)
5月雇用統計(平均賃金、失業率など)
フィッシャーFRB副議長講演
イエレンFRB議長講演
出所:各種報道等、ブルームバーグを参照しピクテ投信投資顧問作成
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