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アジア
2016年7月1日
中国は英国国民投票の影響を受けるか?
新興国の経済動向を左右する中国経済は英国の国民投票の影響で悪化するのだろうか?英国の離脱プロセスが
秩序あるものであるならば、中国への影響は比較的小さくすむ可能性も考えられます。
中国PMI:英国国民投票の影響が懸念される
中、6月のPMIはまちまちの結果に
中国国家統計局が2016年7月1日に発表した6月の(政府系)
製造業購買担当者景気指数(PMI)は50と、市場予想(50)と
一致したものの5月の50.1からは低下しました。同時に発表さ
れた6月の非製造業PMIは53.7と5月の53.1を上回りました。
一方、財新伝媒が同日に公表した6月の中国製造PMIは48.6
と前月(49.2)を下回りました。なお、いずれの指数も50が経
済活動の拡大、縮小の目安を示します(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
製造業PMI、CDSスプレッド、輸出
新興国の経済動向を左右する中国経済は英国の国民投票
の影響で悪化するのだろうか?そもそも英国の欧州連合
(EU)離脱の方針が不透明でもあり、観測の域にはとどまり
ますが、英国の離脱プロセスが秩序あるものであるならば、
中国への影響は比較的小さい可能性も考えられます。
まず、英国国民投票後に公表された政府系PMIは安定的な
推移となりました。特に消費などを反映する非製造業PMIに
は底打ち感も見られます。一方、中小企業を主な調査対象
とする財新製造業PMIは48.6と節目の50を大きく下回り気が
かりな数字となっています。ただし、今回のPMIは英国国民
投票から1週間しか経過していませんが、例えばCDS(クレ
ジット・デフォルト・スワップ、信用リスクを対象としたデリバ
ティブ商品のことでスプレッド上昇(低下)は信用力悪化(改
善)の目安)スプレッドを見ると6月半ば前から英国、中国と
も国民投票への警戒感が見られました。
なお、英国のCDSスプレッドは現在、国民投票前の水準を上
回って(信用力悪化)いますが、中国は国民投票前の水準
に戻っています。
次に中国の貿易(輸出)に占める英国の割合を見ると約2.6%
と決して小さくは無いものの、他の国に比べ突出して影響が
大きいとはいえないと見られます(図表2参照)。むしろ足元
人民元安が、資本逃避の懸念は依然残るものの、緩やかに
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進行していることが下支えとなる可能性も考えられます。
また、中国のインフレ率は2%近辺で安定的に推移し、インフレ
率目標(3%)を下回っています。したがって外部ショックに対し
て金融政策出動の余地は残されていると見ています。
したがって英国国民投票の影響は、今後の動向次第ながら、
比較的軽微とも考えられます。むしろ、中国の懸念は経済成
長を支えている建設投資が特定の地域に偏るなど不安な面
も見られます。また、最も懸念されるのは過剰債務、過剰投資
の解消には程遠い状況と見られる点です。
英国の騒動よりも、中国固有の問題を慎重に注視することが
必要と見ています。
図表1:中国の製造業、非製造業PMIの推移
(月次、期間:2013年7月~2016年6月)
製造業PMI
財新製造業PMI
57
55
非製造業PMI
53.7
53
51
50.0
49
47
13年7月 14年1月 14年7月 15年1月 15年7月 16年1月
48.6
図表2:中国輸出相手国・地域のシェア
(時点:2016年4月、シェアは中国全体の輸出金額に占める割合)
アフリ
カ, 4.8%
中南米,
その他,
5.2%
4.2%
北米,
18.3%
※円グラフの
EUは英国を
除く
英国,
2.6%
EU ,
13.4%
アジア,
51.5%
主な国のシェア
米国:17.1%
香港:14.2%
日本:5.7%
韓国:4.8%
ドイツ:3.0%
英国:2.6%
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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